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本の感想「死神の精度」

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はじめに

フーガはユーガの伊坂先生の作品。
面白いと見かけました。
手にとってびっくりしましたが、薄いですね。
伊坂さんの入門編としておすすめする方が多いイメージです。

総評

めちゃくちゃおもしろかったです。
超おすすめです!
フーガを読んだ時ように軽い爽やかさがあり、それでいてしんみりした部分がある。
この辺りが伊坂先生の見せる妙だとここまで読んできて感じました。
話題は暗いし、しんみりしそうなんだけど、そう感じない。
ラストも鮮やか、いい読後です。
薄いしとかっかりやすいので是非!

あらすじ

主人公は死神です。
死神にもいろんな部署が合り、主人公は殺すと予定されたもののところに行って、その人となりを調査して最終決定する役割。
通常、形式的な役割で実際は何も考えずに殺すと判断されるのですが、なぜか主人公は巻き込まれ、そして首を突っ込んだり・・・・・・突っ込まなかったりします。

良かったところ

  • 死神のゆるさ

これが全体的に作品の軽さ、爽やかさを生んでる要因だと思います。
現地調査に行くけど、基本的にはほぼ殺します。
死神は長く生きていますが人間的な常識は結構欠如してて、冗談とも言えないこと言ったりして周りがひいてしまうちょっとドジな感じ。
死神たちの中に真面目に調査しているやつはほぼいませんし、主人公も真面目にするっていってるだけで、基本的に何もしません。
何もしない彼だけど、そばにいることで調査対象の人間がいやおうなしで絡んできて、いることによって勝手に動く運命があります。
本当に適当に仕事している死神には起こらない(主人公の様に当人の調査しないから)、主人公がそういう面で真面目なので動く運命なのです。
でも、どれだけ感動的な展開でも心は全く動かされない、なびかないで殺す。
死は平等に訪れる、時に理不尽。死神を感じさせる冷徹な側面もちゃんとあります。
だから、余計にゆるい部分が引き立っていて魅力的に感じます。

  • ラスト

好きだなってポイントは結構あります。
でも、やはりこういうときに語るべきはラストかと。
最後の章は読んでいてずっと違和感がありましたが、最後の最後ではっきりします。
私は最後まで気づかなかった。
でも、正直そんな難しいことではないので、気づく方は多いと思います。
きれいに終わりました。
1話完結型なので続けようと思えば続けられますが、このラスト故に続いてほしくない、そんな気持ちになります。

でも、続編あるんですよね。
死神シリーズって形で。

いまいちだったところ

  • 物足りなさ

色んな意味で物足りません。
物語の長さ、設定の説明とか。
ないことで読みやすさが生まれていて、それはすごくいいところですが、この作品はとことんまで削られてます。
不満点っていうと角が立ちますが、個人的には飢餓感に近いですね。
もっともっとこの世界を見ていたい!そんな気持ちです。

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