【詩】別れ
「別れ」
信じているつもりだった
確信しているつもりだった
それなのに
私にも思い込みがあり
勝手な自論を展開していたに過ぎなかった
結局のところ
私も私が可愛いのだ
どんな悲劇を演じたところで
現実には勝てない
仏教が唯識論だという事は
仏教徒でなくても知っている
それなのに
こんな初歩的な教義を
信じていなかった事に
今更、気づいた
量子力学の宇宙は
これまで義務教育で習ってきた
質量でできた宇宙とは
まるで違う
私は仏教を信じていると言いながら
教え込まれた唯物論的宇宙も
相変わらず信じていた
自分が信じていると気づかないほど
深く信じていたのだ
科学は死んだ
私は科学を棺に入れて
あらゆる色の花と共に
レクイエムの流れる中
闇の中へと葬らなくてはならない