noteで人生初の小説を書いた裏話③
この記事は、僕がnoteで初めて書いた小説の「あとがき③」です。小説を読んでいただいた方への感謝も含めて色々書いてみました。
小説(全12話)は、マガジンにまとめています。ご興味があればぜひ読んでいただけると嬉しいです。
小説のあとがきや裏話も今回で最後になります。
小説の中の言葉や表現
前回、noteで出会った方たちをモデルにした登場人物について書きました。登場人物だけでなく、仲良くさせてもらっているフォロワーの方の記事やコメントでのやりとり(言葉)を切り取って、さりげなく使わせてもらうこともありました。
ということで、最初に紹介させてください。
ご縁があり、いこまゆきこさんという料理家の方と繋がることができました。ゆきこさんも北欧を旅されたことがあって、最初は「旅」の記事がきっかけで繋がりましたが、今では同じ大阪出身(僕はほぼ生まれただけですが)ということでたこ焼き(我が家では頻繁に食べる)をはじめとする料理、映画、小説、日常のことなど色々な記事で交流させてもらっています。
以前、ゆきこさんが書かれた記事にフィルムカメラや写真のことを綴ったお話があります。
「#4 雨の日の大桟橋」の中で、幼い頃に僕自身が親父からもらったフィルム式一眼レフカメラのことをさりげなく書きました。フィルムの巻き上げ、ピント調整、そしてあの機械式ならではのシャッター音。
僕はフィルムカメラに特別詳しいわけではありませんが、デジタルカメラにはない”手応え”が間違いなくあると思っています。
「シャッターを切るときの指の感触、カシャという音、機械っぽくて好き」
コメントでのゆきこさんの言葉を僕は逃しませんでした。(笑)
小説の中では主人公の男が極寒の北欧を旅していましたが、僕もゆきこさんもノルウェーやスウェーデンといった国を旅した経験があり、共通する点も多いです。
最終話を投稿した後、サポートまでしてくれました!本当に嬉しかったです。ゆきこさん、ありがとうございました。
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そしてもう1人、主人公の男が旅を続ける中でずっと一筋の光を照らしてくれていた方がいます。(僕自身が勝手にそう思っていますw)
「月」のことをnoteで語らしたらこの人しかいない、CASSIEさんです。
CASSIEさんとnoteで繋がってまだ間もない頃、僕の旅のエッセイを読んでくれた時に「語りが好き」と言ってくれました。今までそんな風に言ってもらうことがなかったので、こんなに嬉しい言葉はなかったです。
CASSIEさんの記事のなかで、僕が二胡太朗(ニコタロー)として登場させてくれた物語があります。繊細な言葉が作り出す世界観、そのなかに突然登場した時は本当に嬉しかったです。
僕の書いた小説のなかで、主人公の男がパリのオペラ座でこれまでの旅を回想する場面があります。(後半部)
パリにやって来る前、男が極寒の北欧を放浪していた頃の話です。
ノルウェー北部にあるナルヴィークという街の宿に入れず、仕方なく外のベンチで仰向けになって朝方まで横になって眠りました。
そこで男が夜空に輝く月を眺めながら、あまりの寒さで頭がおかしくなり、ふと自分自身の女性の理想像を月に重ね合わせます。
正直、ここで書いた文章はCASSIEさんに向けて書いたメッセージのようなものです。今振り返ってみても、イヤらしい男だなと思います。(笑)
ちなみに、このナルヴィークで起こったハプニング、月の描写のところ以外は僕の親父の実体験に基づいて書いています。
夜、宿の部屋の灯りは付いているのにノックしても誰も出てこないという虚しさ。朝方、親父の存在に気が付いて宿のオーナーがびっくりして飛び出てきたそうです。
旅ってやっぱり一筋縄にはいかなぁと改めて感じます。同時に、そんな予期せぬハプニングこそ、旅の醍醐味なのかなと思うことがあります。
何を軸にして小説を書いたか
主人公の男がパリにやってきた時、大きな転機が訪れます。敢えてここまで触れずにきましたが、京子との出会いです。
じつはこの京子、僕の母親をモデルにしています。
親父は放浪中にパリで金が無くなって日本食レストランで働き始めた。そこで、母親に出会った。
(あっ、俺はコイツと結婚するな)
実際結婚できてなかったらどうするんだと言いたくなりますが、その時は本気でそう思ったみたいです。完全に一目惚れですね。
小説にも同じような事は書きましたが、母親が言うには、
「(親父の)第一印象はロン毛で髭も生えてて、浮浪者みたいだった」
ということだそうです。
前半は男の旅の模様を描き、時代が前後しながら僕自身の話になる。そして後半は男と京子との出会いとその後を描く。
僕はnoteで何か記事を書く時、よく「時間軸」を思い浮かべることがあります。歴史に興味を持ってからでしょうか。
過去・現在・未来
自分の人生を時間軸で考えてみた時、色々なきっかけはありましたが、ふと小説という形態で書いてみようと思い立ちました。
この小説は、過去から最後は未来の話で終わらせています。
最終章は、自分自身の願いも含めて書きました。
もうすぐ70歳になる両親には元気でいてもらいたいですし、自分自身もまだまだ成長したい。もちろん家族も。
普段、自分のルーツを考えることってあまりないと思います。だけど、どこか一つでも違っていたら今の自分は存在していないはずです。
だから自分のためにも、こうして文章にして残しておきたいという強い気持ちがありました。
【最後に】小説を書いて感じたこと
真っ先に思うのは、かなりエネルギーを消費したということです。想定よりもだいぶ長くなってしまったために余計かもれません。(笑)
正直、noteを始める前まで、小説を書いてみようなど1mmも考えたことはありませんでした。
歴史が好きなので歴史小説は読んだことがありましたが、小説を書くとなると何か別世界に行くような感覚がありました。
特に後半は、旅の話から恋愛物語に展開していきました。恋愛小説などこれまで1冊も読んだことがない僕にとっては苦労しかなかったです。(泣)
それでも、初めて「小説」という形態で書き進めていった時、日記やエッセイを書く時と全然違うなぁ、と感じたことがあります。
それは、書き手の「視点」が変わるということです。
日記(旅行記も含め)・エッセイ・自伝などであれば、それを書く時の視点は「自分」になると思います。自分が今日したこと、行った場所。感じたこと。自分の人生経験や自分の好きなことや興味のあること。
自分自身のことだから、自分がよく分かっているし比較的書きやすい。
それが小説となると、ジャンルにもよるのかもしれませんが、単純にその視点が「自分」とはならなくなってしまう。特に完全な「フィクション」になれば、主人公の設定から登場人物、ストーリーまで全部考える必要があると思います。とはいっても、少なからず書き手自身の人生経験や感情などが反映されることがあるかもしれません。今回、僕が書いた物語も同じです。
今回の小説では主人公は男であり、その男のモデルは僕の親父でした。
書き進めながら、どうしても主人公の男自身が旅した場所、見た景色、その時の感情というものを想像しながら書く必要があります。
自分にとって身近な存在ならまだいいかもしれません。これがまったくの空想の世界のキャラクターであれば、相当なエネルギーが必要だと思います。だから、何作もの小説を書き続けているクリエイターの人たちは本当に凄いなぁと思います。おそらく、その書いている最中に自分がいる世界まで楽しめる人たちなんだと感じます。
さて、これからまた小説を書いてみたいと思うかどうか。
正直言って、、、分かりません。
小説を書いたとしても、物凄く短めにしようと思います。(笑)
これからもぼちぼちとnoteを続けながら、またたくさんの新しい出会いやきっかけがあることを願いつつ。
最後まで読んでくれた方々、本当にありがとうございました。
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