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サントリーニ島を4輪バギーで走る

サントリーニ島には、4輪バギーをレンタルできるお店が点在している。

僕は、その4輪バギーをレンタルして島を走った。バギーを借りるには国際運転免許証の提示が必要だったが、もしかしたらと日本で取得しておいて良かったと思えた瞬間だった。

バギーを運転するのは初めてだったが、4輪で安定してるし運転も簡単だろうと高をくくっていたら、レンタル屋から乗り始めて数秒後には停車している車に激突しそうになってしまった。

その一部始終を見ていた少年が、こちらを見ながらクスクスと笑っている。何とも恥ずかしい気持ちになった。

それにしても予想以上に運転が難しい。難しいというより、ハンドルを切る時に変な重力が身体に襲ってくるのだ。それは、身体が車体から放り出されてしまうような感覚だ。

これを止めようとさらにハンドルを逆に切ろうとすると、またもや身体が放り出されそうになる。

僕は、日本で中型バイクに乗っていたので身を外に放り出すことには慣れていたが、こうした4輪バギーでハンドルを切った時に襲ってくる変な重力を味わったのは初めてだった。

これはまずいな、と僕はバギーをいったん止めて冷静になった。

変な重力に逆らわず、いかなるときも身体を常に真っすぐに固定しておき、ハンドル(腕)だけを動かすよう意識すればいいのだと理解するまでは不安を抱きながら走った。

そうこうしているうちに、僕の身体は少しずつバギーに慣れていった。

島をバギーで走っていると、同じバギーに乗った観光客と道路ですれ違うことが度々あった。その時は、お互いに笑顔で手を振りながら挨拶を交わす。一人旅を続けていた僕にとって、それは少しだけ寂しさが和らぐ瞬間だった。

一番ヒヤヒヤしたのは、街の大通りが交差する中心部だ。日本と違って右側通行になる。制服を着た学生たちがちょうど下校している時間で、バスや車などの交通量も島の中では一番多い。信号機があったのもこの中心部くらいだったと思う。

夢の島をバギーで走って事故などという結末だけは避けたい。だから、僕はかなり慎重に走っていた。

思えば、別にバギーに乗らなくても街にはバスが走っているから主要な街の移動は困ることはない。僕がこの島で4回も遭遇した中国人の青年は、おそらくこのバスで移動していたのだろう。

こうして崖の上に集まる漆喰の建物から少し離れてみると、この島全体がどんな姿をしているのかがありありと見えてくる。

真っ青なエーゲ海を眺めながら走っているのは確かに爽快ではあったが、この島が活火山の噴火によってできた影響で緑が少ないことに気が付く。

森がないのだ。

背の低い草原が広がって、ゴツゴツとした岩盤が目につく。それは、あの漆喰の建物が集まる街中の風景に酔っていたせいなのか、どこか寂し気な景色にも感じた。

バギーで気ままに島の端から端まで走ってみることで、同じ島の中でもここまで景色が違うのか、と肌で感じることができたのは良かった。

【バギーで走った時の島の写真】 

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(こうしてみると街が密集しているのがよく分かる)

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(バギーに乗る自分の影も...)

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閲覧いただきありがとうございました。

サントリーニ島を滞在した時の写真はこちらにも投稿しています。

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