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なぜ今自然保護なのか...コロナの先に待つ世界

 新型コロナウイルスによって世界が混とんとする中で、なぜ今自然保護なのか...。私自身もこの時期にこのようなことに声をあげることに抵抗がありました。人よりも自然というのかという感情はごく当然だと思います。

 しかし自然環境は、地球温暖化という認知度の高い問題だけではなく、私たち人間の生活にすごく密接な関係をもっています。

 まず私たち人間がまだ開発もせず放置されている自然林の多くは、野生動物を含めた自然が生態系のサイクルによって管理しています。

 森が残っているから、人が生活していないから、自然が残っているわけではありません。動物たちによる営みがあってはじめて自然が”豊か”と言えるのです。森や植物を守ろうという活動が盛んになってきた一方で、野生動物を生息地から引き離しペットとしたり、象牙や毛皮に魅了され資金にものを言わせて動物たちの命を奪っているにも関わらず、自然保護は進んでいると考えている人たちは少なくないのではないでしょうか。しかしその動物たちもまた”自然”の一部であり、動物たちが”その森”に生きてこそ初めて自然保護なのです。

 コロナの発生源はいまだはっきりせず、諸説言われています。仮に野生動物がウイルスの媒体であったなら、食べなければコロナの蔓延はそもそも起きなかったかもしれない。ではなぜはじめにそれらの野生動物を食べた人間は、その動物を食べたのか・食べざるをえなかったのか。食べられた動物が自然環境にとって必要な動物として保護されているからといて防げた問題だったかはわかりませんが、家畜動物を食べることと野生動物を食べることは現代のグローバル社会においては大きな違いです。その背景にあるのは、単純にたた”食べた”だけではない要因があると考えています。例えば、その生息域の経済環境。その食生活が文化と言われるかもしれません。ではその食べる要因を、食べないでというために私たちがなにができるかを考えなくてはいけないのです。

 さらに今、アフリカや中東にはバッタの大群が押し寄せています。アフリカではすでに1,400万人が食料危機に直面していると言われています。物資や食料の確保がコロナの影響を受けているにも関わらず、さらなる食糧危機となり各国が食料の輸出を制限すれば、輸入に頼る日本はどうなるのでしょうか。

 このような現状で、今すぐ自然保護に立ち上がる必要はありません。ただこの新型コロナによる人間社会の危機を脱したとき、私たちが新たに直面していくであろう問題の多くの要因には、世界の自然環境は大きくかかわっているのです。今回のコロナウイルスのようなパニックを常態化させないために、心の隅で自然保護のためになにができるのか意識してほしい。グローバル化が進んだ今日ではもはや地球環境問題は、自然を多く保有する国だけが真剣に取り組めばいいという対岸の火事という意識ではいけないのです。

 経済危機など社会が直面する問題は今後どのようなものなのか予測もできません。しかし長い目で私たちがこの地球上で生活するためには、世界の自然環境問題は世界で取り組まなければなりません。

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