コミュニティー組成、多様性と推進力のバランスの難しさ
皆の意見をくみ取って進めてほしいというコミュニティー組成は難しい。個別のリクエストのある人、目的自体に反対する人、様々な人間関係に巻き込まれる。参加する人がいないと何も生まれないが、参加者の期待は様々。すべてに応えることは難しそうに思える。
1 主催者のカラー
行政とかかわりがあるのか、民間なのか、NPOなのか。特に民間に近いほど利益のために動いているのではないかという目で見られるため、何を目的にどのような利害と立場で動いているかの慎重な説明が必要になる。とはいえ、最終的には立場を超えて、〇〇さんだから参加するということになることもある。
2 場の目的
場を作る目的は、①多様な意見の吸い上げなのか、②多様な関係者に対話をさせることなのか、③アクションプランの決定と推進なのか。
難しいのは、これらの区別と見せ方である。③に近くなるほど利害が対立しやすい。特に、参加者が、限られたリソースでどちらを優先して推進するかを決める場だという視点に陥ると、優先度を強調しあい、自分の意見が優先されていないと感じたときから協力しなくなる。また、他人がそういった決定にかかわることそのものを警戒する人達もいる。
アクションを決めるのが主催者ではないことが明確であれば、主催者は摩擦を避けることができる。参加者の参加動機が、情報提供や情報交換レベルであればそれで充分になる。ただ、参加者が主催者のアクションによる変化を期待している場合、対話した先の地図が示されないと、参加のインセンティブは下がる。
3 全員にとってのメリットの提示
主催者が全員にとってよくなることを目指している限り、場で実現されることが個別の参加者の意見に沿った結果どおりにならなくても、ゼロよりはメリットがあるはずである。また、場の目的から実現はできなくても、その人の意見を否定するのではなく、理解を示し意義が認められていると感じてもらうことはできる。
コミュニティーの立ち位置と場の目的を明らかにし、参加者を受け止めつつ、全員に対する場のメリットを伝えていく。地道なコミュニケーションが重要になっていく。