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組織の信頼残高

別に大した話ではないけど、職位が変わって肩書きに仮にもマネージャーと付き、人との対話に時間を割いていかねばという状況になったため、人やら組織やらアジャイルやらなんやらについて考える時間を意図的に増やそうとしている。

1on1とかで、「最近何か課題に思ってることかありますか?手助けできますか?」みたいなことを話さなきゃいけないのだろうが、人はそんな簡単に所属する組織や個人に対するフィードバックを本音でしてくれるものだろうか?と考えたりする。ましてや肩書き変わったからって別に中身が突如変化したわけじゃないやつに「最近調子どう?」みたいなことをいきなり言われても、うるせえよとしか思わないのではないか。

仕事上の横のつながり、人と人とのやり取りの中では「信頼残高」という言葉でもって、その人がそれまで積み上げた実績に応じて信頼度が上がり、より重要な仕事や報酬を与えようとする現象を説明する。だけどこの言葉で表されるのは、何も個人の実績に基づく期待値や「なつき度」みたいなものだけではないと思う。つまり、組織へのフィードバック時にも信頼残高の概念は通用するよね、と言いたい。

「チームとか会社に対して何か課題に思うことはありますか?」みたいな問いかけを(抽象的すぎるかもしれないが)されたとして、最初は思ってることをある程度ストレートに言ったりする。でもいつの日かそれをストレートに言うことなく「特にないです」みたいな感じでやり過ごす人も多いのではないか。

そういう場合は、自分がフィードバックしたところで組織は変わらんだろと諦めてる状態、別の言い方をすれば、その人からして組織という総体の信頼残高がめっちゃ低いと言える。

じゃあこの組織の信頼残高を積み上げるのは誰なのかといえば、マネージャーであったり経営層だったりするのだろう。そして積み上げる方法は、ボトムアップのフィードバックに対してアクションプランを立て、その計画の進捗・結果の共有、および代替案の策定っていう当たり前の流れなのだと思う。そして経験則によれば、組織の信頼残高は個人の信頼残高よりもボラティリティが大きく、かつ残高切れの状態が表出しにくいため、扱いには慎重を要する。

情報の透明性の重要さは説かれることが多いが、ボトムアップで意見を吸い上げた場合、その後進捗があるのかというところの透明性および計画・実行力を担保できている組織は強い。そしてあまり見ない。残念なことに。

だからこそ、ある程度人との対話をする立場になったなら、「自分の発言は組織の信頼残高を左右しているよなぁ」と自負しながら対話し、実行計画を捻出しなくてはならない。そんなことを、同僚がお土産に置いて行ったボンボンショコラを食して酩酊状態になった脳で考えていた。軽いテロだと思う。以上の文章は所要執筆時間10分程度でした。おわり。

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