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鉄猪
鉄猪 譬喩経
昔、とても豊かな王がいた。国は平和で心配することもなく、なんの不安もない日々を送っていた。
王はその状況を当たり前のように感じてしまい、『禍』というものはなんだろうと考えるほどだった。
その慢心を天帝が気づき「禍」と名付けた鉄の猪を贈った。この猪は針を食物とする猪だった。やがて国中の針は食べつくされた。
困った王は殺してしまおうとしたが、体が鉄のように硬くなっており刀で斬ることも突くことも出来ず、薪をくべ焼きくそうとした。
しかし、猪は燃えたまま飛び出し、国土を燃やし尽くした。
王は禍を知ったのだ。