【ネタバレ有】映画「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」が熱いらしいから冷やかしに行ったら花山薫みたいなムキムキの面白の塊が出てきて急に顔面殴られたけどなにこれ?
こんにちは!!!
突然ですけどみなさん花山薫ってご存知ですか??
あまりにも有名過ぎるキャラクターなんですが世代によっては知らない方もおられるかもしれません
なので軽く説明しますと、花山薫は漫画グラップラー刃牙(以降シリーズ)に登場する超人気キャラクターでして、その性格というか生き様はまさに「漢」
刃牙というバトル漫画には色んな格闘家が登場しますが、彼はなんの格闘技も学ばず我流の喧嘩殺法で戦います
なぜかというと、格闘技とは自分より強いものを倒すための技だからです
ってことは翻って格闘技を使うのは自分より強い相手がいるって認めることですよね?
だから格闘技なんてもんは使わないんです
練習っていまの自分が弱いから強くなるためにするものですよね?
でも本当に強いならそんな練習もいらないはずですよね?
だから練習もしないんです
花山薫ってキャラは万事がそんな感じで、生まれながらにして最強。よって小細工はいらない……みたいな漢なんですよ
ちなみに画像は貼りませんけど、興味ある方は花山薫で検索してみてください
マジで怖いツラしてます
絶対に街で会いたくない
……でもね、出会ってしまったんですよ
クリスマスに暇すぎて映画見に行ったら……
『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』っていう名の花山薫(ナチュラルボーン最強ムキムキ面白映画)に……
何を言っているかはわからないと存じますが、本日は忍たまなんて見たことない俺が聖夜に何をとち狂ったのか急に見てきた忍たま映画について語り散らかしたいと思います
忍たま知識
それで前提として僕の忍たま知識なんですけど、マジで何も知りませんでした
幼少期から逆張りオタクすぎてポケモンもディズニーも見ず頭文字Dとか装甲騎兵ボトムズとか見せられるというキモい育成を親にされてしまったので本当に珍しいくらい忍たま知識ないと思います
乱太郎がコナンの声でしんべえがマサオくん、キリ丸がルフィ、土井先生がラウル・クルーゼってことだけ知ってました
知ってる情報の偏りが声オタすぎる
あとは本当に何も知らない!!
そんなミリ知ら勢の俺がなんでクリスマスにわざわざ映画見に行ったのか?
彼女いないクリスマスはそこまで人を狂わせてしまうものなのか?
答えは簡単で最近フォローさせて頂いている十二国記繋がりの方々で構築された俺のTLが、連日忍たま映画の話題で盛り上がっていたからです
十二国記(著・小野不由美の名作ファンタジー小説)にとんと縁がない方はご存知ないかもしれませんが、十二国記を推す方々の感性はかなり信頼できるという俺独自のデータから「コレは流石に面白いだろ」という結論を導き出したわけです
だからってクリスマスに観に行かなくていい
せめて日付をズラしたってよかった
何の予備知識もない映画をよりにもよってクリスマスに1人で観に行くのはいくらなんでも狂人の所業
よって俺が忍たまを見に行った理由は「彼女いないクリスマスが俺を狂わせたから」ということになります
カスみてーな結論に着地すんのマジで何?
というわけで、忍たまミリしら勢ながら急に映画を見てみたわけですが……
(ちなみにこの映画自体の知識もなく、劇場に入る前に見たポスター以外は予告なんかも含めて情報入れてませんでした)
初めて見る忍たま、知らない世界すぎ!!!
忍たまのテレビシリーズを一話丸々観たことがあるかさえ怪しい俺なんですけど、初手からすみません、忍たまってこんな感じなん!?!?
彼岸花を映す美しくも不穏なカットから始まったかと思いきや、しばらくは主役たちの微笑ましいシーンが続いてミリしら勢の俺も「主役たちかわええやん〜土井先生たしかにかっこいいやん〜」ってなってるところから土井先生の行方不明
そこから徐々にきな臭くなっていって、上級生?の子達が土井先生と戦うシーンで驚きがピークに達しました
「え、忍者くんたち血まみれにされてますよNHKさん!?忍たまって流血表現ありなん!?」と
この辺りから、なんか想定してたのとは違う映画だな……と気づき始めたような気がします
映写技師が途中で別の映画のフィルムとすり替えとんのか?ってなった
というかぶっちゃけ、こんなにちゃんと忍者って題材を真正面から扱ってる作品だとはまったく思っていなかったんですよね
もっとコミカル一辺倒な作品だと思ってました
だから本当に「忍たまってこんな感じ!?」と驚きっぱなし
お話が進んでいけば歴史に全く詳しくない俺でも「あ、これちゃんとした時代考証されてるやつじゃない?」と気づく描写の嵐
切った枝を処理して刃先つけて槍にする(袋槍っていうらしい)、物見台の敵を真っ先に倒して警報用の太鼓は破壊する、運ばれた物資は米と味噌かと思いきや砂と泥が入ってて……みたいなガチっぽい描写が出るたびに自然と「スンッ……」ってなる
「あ、俺が観にきたのって一見ただのお子様ランチだけど、実は高級フレンチの料理人が作ってる超ガチのお子様ランチだから大人も楽しめるんすね……」みたいな
どこの時点からかはわからないけど、「あくまで子供向けコンテンツだから手加減して鑑賞しよう」みたいな姿勢はかなり早い段階で捨てました
というか、ふと映画の街並みや風景を思い出すと、朧げながらそこに住んでいる当時の人の生活が想像できる強固な世界観があったように思えるんですよね
たぶん俺がわからなかっただけで、そういう作品世界を表現する細かな描写はあったんだろうなと
画面を逐一止めて当時の生活を想像しながら見ても楽しそう
DVD出たらそういう見方してみたい
最強の軍師はどこがいいっていうか全部がいい
それで結局お前はこの映画のどこがぶっ刺さったんさ!?って聞かれたら正直困るな、というのが僕の所感です
だって、なんか思い出すと全部良くなかったですかこの映画?
キャラデザ可愛いし登場人物も面白かったり気持ちのいいやつ、かっこいいやつばかりだし
作画も「そっか絵が動くとワクワクするってこういうことだよな!」って思わせてくれる素晴らしさ
戦闘シーンももちろんかっこよくて林での土井先生の戦闘シーンとかマジで渋いんですけど、キリ丸とかしんべえが騒いでるコミカルな作画とかもすごいワクワクした
脚本はシンプルながらも台詞回しが気持ちいいし笑えるところは笑える
敵に回った土井先生の立てた作戦は子供にも理解できるくらい明快だけど、大人が見てもちゃんとした知略だな、と感じられる絶妙なラインだし
特に感動したのがキリ丸の描写
最低限のシーンでキリ丸がどれだけ土井先生のことが好きかわかる回想シーン
その土井先生が消えてショックを受けるシーン
特に、悲しみに打ちひしがれながらも土井先生を探しに行こうと決意して草鞋の紐をきゅっと結び直すっていう、セリフのないシーン
このたった数秒のシーンでキリ丸の悲しさ、子供らしい純粋さ、一途さが一気に流れ込んできて心打たれてしまった
俺はこのシーンが一番いいと思うし大好き
こんなに心が伝わるシーンなかなかない
(途中本当に可哀想になってしまったけど)
というかミリしら勢の俺でさえすごい食らったこのシーンを元々のファンが見たらどうなっちゃうんだろう……って心配になりました
予習せずに行ってむしろ正解だったのかもしれません
とにかく、このシーンで俺は忍たまめちゃくちゃ好きになりました
最強の軍師=最強の喧嘩屋・花村薫説
そもそもこのコンテンツ飽和時代で出る杭になりたかったら、ちょっと変化球なことするというか、気を衒って作品作りするのが賢いやり方だと思うんですよね
やたら心抉る展開にしてみたり、なんかシュールにしてみたり、展開に一捻りどころか八捻りくらい入れて工夫するみたいな
なんかそういうコンテンツやけに流行ってんな〜みたいな時期ありましたよね?
やたら変な漫画ばっか売れてんな〜みたいな
じゃあ忍たまの映画が観てる人の想像を超えるような変化球だったかといえば多分この映画ってやってることは王道でプロットもシンプルだったと思うんです
(子供向けでこれやる!?という意外性はめちゃめちゃあったんですけど)
でも、本当に良いもの、作り込まれた本当の魅力があればそういう小細工いらないんだな、ってのが観終わっての俺の感想でした
もちろん変化球だからこその面白さもあるんですけどね
考証に裏打ちされた強固な作品世界、魅力的な作画、好感の持てるキャラ、コミカルな可愛らしさ、カッコいいバトル、胸を打つ真っ直ぐなストーリー、っていう一つ一つを腕のある人たちが丁寧に作り込んでいけば、変化球なんか投げなくてもとんでもない豪速球になって、このコンテンツに溢れて目が肥えた観客からもストライクとれちゃうっていう完璧な実例だったと思います
「最強の俺が変な小細工する必要あんの?」って面白の塊みたいなムキムキ映画にぶん殴られて俺としては「いえ、ありません…」って頭を垂れるほかなかった
俺はこの映画は子供や女性ファン層だけじゃなく老若男女問わずウケると思うし、10年後とかに観ても面白い普遍的な魅力があると思いましたが、それもひとえにこの「作り手にパワーがあったら小細工なんていらねぇんだよ!!!」っていう花山薫ばりのストロングスタイル故だと思いました
だって、きり丸が最後に土井先生に呼びかけて記憶を呼び起こすシーン、たぶん古びたりしなくないですか?
俺は数十年後観てもやっぱ良いもんは良いと思うんですよね
クレヨンしんちゃんの大人帝国とか戦国とかって子供時代に見た人が大人になった今でも「あれよかったよね〜!」って語ることあると思うんですけど、この作品を見た今のお子さんが大人になったとき「最強の軍師よかったよね〜!」って語ってくれるんじゃないの?と心から思いました
正直、一過性のブーム映画なんだろうな〜って舐めてかかってみたらどえらいもん見せられた
一過性なんてとんでもない
数年単位どころではない、長〜〜〜〜〜く愛される映画にこれからなっていくんじゃないかな、この映画は……というのが率直な感想でございます
良い映画です。面白い映画、って思う以上に良い映画!!!って感じ
ちなみにキャラの名前もほとんどわからなかったんですけど、これだけストレートに良い作品投げられるとそんなの関係なく面白いですね
心の根本的な部分に訴えてくる面白さがある
なので、前提知識なく冷やかしで観に行っても良いんじゃないかな〜と無責任ですけど思いました
実際、俺はそれでこの作品大好きになりましたし
と、ぐだぐだ語ってしまいましたが、俺のような忍たまミリしら勢がこれ以上偉そうに語ったら怒られそうなので今回はこの辺で
ではでは!