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「十二国記 風の海 迷宮の岸/東の海神 西の滄海」とかいう俺の土日の破壊者

うわああああああ!!!俺の土日がああああああ!!!

お、おい、そこのあんたっ!!!!十二国記は俺に任せて逃げろっ!!!!
じゃなきゃ、あんたまで土日を破壊されるぞっ!!!!!!

というわけで、十二国記に休日をバキバキに破壊されボキボキ噛み砕かた男こと遅筆マンです、こんにちは!
てか俺の土日が急になくなったんですけど、どこかで見ませんでした??

いやはや……
やられたよ、風の海〜と東の海神〜を読むのに夢中で土日が完全に消し飛んじまったよ……

………じゃあ最高の休日じゃね?

まぁ仕事の関係上別に土日とかあんま関係ないからいいんですけど、あらゆる社会性を捨てて十二国記読んで飯食って寝るだけの生物として土日を過ごしました

小野不由美先生はペンネームを「人類の土日破壊ザウルス(学名)」とかに変えた方がいいと思いますがいかがですか?

次巻、十二国記のあの紺色の背表紙の著者名のとこに「人類の土日破壊ザウルス(学名)」って書いてあった暁には俺の口座には巨万の命名料が振り込まれているということになる……

不由美、頼むぞ……

いや、名前のことじゃなく体調お悪いようで大変かとは存じますがなんとか次巻出してやってください的な意味で頼むぞ……
でも18年のお勤めを終えた兄貴姐貴分達(十二国記ファンの皆様)から色んな感想を頂いてめちゃくちゃ面白かったから超刊行遅れても面白そうという邪な願望もないではないぞ……

ともあれ、今回はそんな俺の土日の簒奪者、十二国記の続きについて語りたいわけですけどもその前に

十二国記ファン、いくらなんでも温かすぎだろ!!!!!


今回読んだ2作の各巻の感想の前に触れるか迷ったんですけど言わせてください

十二国記ファン、俺みたいなわけわからん妄言製造機にも温かすぎだろ!!!!!
温かすぎて日本から冬消えたんかと思ったわ!!!!!!

いえ、基本的にSNSでの読了感想投稿は自分用のメモ書きというか、初読時の雑感を思い出すとき用の備忘録としてやってるだけで人に見られるとかは考えずにやってるんですが人に見られると思ってないはずの俺のアホ感想文がなぜか温かく拡散されつる〜〜〜〜っ!!!!
嬉しいけど俺のアホさが人に知れる〜〜〜〜っ!!!!

と、ここ数日ワタクシびっくりしております

十二国記にまつわる四方山話とか教えて頂いたり、読んでて情緒が壊れゆく俺の姿を愉悦されたりと実は反応を結構観測しております恐縮です嬉しいです(叩頭


皆さんが暖かすぎて「さては……日本から冬消えたな?」つって冬服全部捨てて外出たら普通に冬で終わった

というわけで、ここからは俺のオタク語りにお付き合いください

泰麒の保護者目線で「風の海 迷宮の岸」を読んでたらすべてを景麒に持ってかれた話

幼(いとけな)き麒麟に迫り来る決断の時──神獣である麒麟が王を選び玉座に据える十二国。その一つ戴国(たいこく)麒麟の泰麒(たいき)は、天地を揺るがす〈蝕(しょく)〉で蓬莱(ほうらい)に流され、人の子として育った。十年の時を経て故国(くに)へと戻されるも、役割を理解できぬ麒麟の葛藤が始まる。我こそはと名乗りを挙げる者たちを前に、この国の命運を担うべき「王」を選ぶことはできるのだろうか。

公式あらすじより

それで肝心の感想なんですけど、まず景麒。
あいつなに? 流石に面白麒麟がすぎません?

いえね、俺は泰麒の兄貴目線で愛され可愛い泰麒を見守っていたら、まぁ〜〜〜〜不躾な態度取るんですよ景麒!!!!

おいおいおいおい、景麒てめぇ一巻じゃ最初と最後以外出番のなかったズッコケ全裸待機麒麟がやってくれたなおい!!!
泰麒が泣いちまっただろうが!!!!

とブチギレモンペごっこしてたんですけど、そこからの景麒がマジで面白い

会う女仙会う女仙に「泰麒泣かすな」「そもそも景麒は言い方が冷たい」とチクチクされて、もう麒麟の風格もクソもない

いや一巻で囚われ全裸待機してた時点で風格を怪しむべきだったのかもしれんけど、とにかく女仙が景麒を舐めすぎてるし泰麒を好きすぎる

僕はね、クールぶってるイケメンが女たちにチクチクされるけど言い返せないからむすっとするしかない、っていうシチュに弱くてね……(ニチャニチャ

そこから泰麒とグッドコミュニケーションを繰り返して麒麟状態で背に乗せたり折伏オリエンテーションしたりしてすっかり泰麒に懐かれた景麒ですけども俺は見逃さなかったぞ

本当に懐柔されたのは景麒、お前の方だってな!!!!

別れ際に泰麒に悲しそうにされて嬉しそうさ隠せてないぞ景麒!!!!
それで王を選んだらすぐに会いにいくとか約束して、いざ速攻会いに行ったらなんか泰麒にあんま喜んでもらえなくて「残念です……」って本気で凹み出したときにおれはもう一生景麒をイジろうと心に決めました

景麒……陽子がお前のそんな姿見たらどう思うよ……??(イジりそう)

泰麒に折伏された1番デカい獲物はどう考えてもお前だよ
お前は一生泰麒のお兄さん枠でいろ
そしてその様を陽子と女仙たちにいじられろ

そういう二次創作を僕にください

と、景麒のことについてはついつい触れすぎてしまう俺ですが、この風の海も月影に引き続きどちゃどちゃに面白かった

個人的にめちゃくちゃ気になったのは李斎です
てかごめん、普通に好き
いま俺が付き合いたい十二国記キャラ第一位

元々女武人みたいなキャラが好きだしなにげに泰麒に対するパーフェクトコミュニケーション率トップタイっぽい女という時点で7兆点なんですけど、あそこまでページを割かれたってことはおそらく重要キャラなはずでは……と睨んでいます

と、ここまで書いて『十二国記 李斎』で検索したら表紙を飾ってるっぽいのでやっぱ結構メインキャラなんじゃ……くっ!!気になるけどネタバレがこわくて調べられねえ!!

泰麒と驍宗がどういう国を作っていくのかも早く見たいし、個人的に1番先行きが気になるのが戴の国かもしれません
はやくこいつらの活躍が見てぇ〜!!!

『東の海神 西の滄海』を読んだら蓬莱から戴に引っ越したくなる国民が急増するだろ

国が欲しいか。ならば一国をやる。延王(えんおう)尚隆(しょうりゅう)と延麒(えんき)六太(ろくた)が誓約を交わし、雁国に新王が即位して二十年。先王の圧政で荒廃した国は平穏を取り戻しつつある。そんな折、尚隆の政策に異を唱える者が、六太を拉致し謀反を起こす。望みは国家の平和か玉座の簒奪(さんだつ)か──二人の男の理想は、はたしてどちらが民を安寧(やすらぎ)に導くのか。そして、血の穢(けが)れを忌み嫌う麒麟を巻き込んだ争乱の行方は。

公式あらすじより

一番付き合いたいキャラはさておき、十二国記で1番好きなキャラ誰?って聞かれたら、『延王』って答えます

なぜならかっこいいから
男の子がカッコいいと思う要素すべてを鍋に入れて2時間煮込み丁寧にアクをとったら延王が完成するから

飄々としててバカっぽく装ってるけど実は目ざとく色んなことを見通してるし超強い

……なにそれ?おれの中学時代の妄想?
あるいは初期の頃のルフィ??

そんな延王改め尚隆メインの巻と聞いて、実は月影読了後に1番楽しみにしていた巻でした

前巻において泰麒の目を通して詳らかになったのは、麒麟という生物の生態についてです
この人が王ではない、と感じながらもすべてを裏切って驍宗を王に選定しまう(結果、これが正しい選定だったわけですが)など、麒麟とは天の意思の器、天の意思を通すだけの存在だと言います

かと思えば、「この人ではダメだ」と思いながらも景麒は予王を選び後悔し、泰麒がとんでもない十字架を背負うとわかりつつも驍宗を王に選んだように、麒麟は天の意思によって王を選定しているだけのはずが、その選定の責任は自身で引き受けようとしてしまうあたり、かなり損な役所を与えられているようです

そして、東の海神の語り手・延麒もまた己が選定した王をいまいち信じられてはいませんでした
王の選定から20年
暗君だった先王と玉座不在の間に荒れ尽くした国土を、すこしずつ回復させていった時代から物語が始まります

いや、20年一緒にいてイマイチ信用できないならもう一生信用できないだろ
でも延王こと尚隆のめちゃめちゃぶりを見ればそれも致し方なし……

この巻では、王の資質について、そして個人と国の繋がり方について大いに
考えさせられました

この巻に登場するもっとも悲劇的な人物は、妖魔のなかで生き、人の社会から疎外され、やっと受け入れられたと思ったら道具としての価値しか認められなかった更夜でしょう

彼は自分が人とは違う生い立ちを持っているがゆえに、国という大きな社会の一員であるという意識がない悲しい少年です

「国が傾くのが怖いか? 荒廃が怖いか、死が怖いか。楽になる方法を教えてやろうか?」
 更夜ははんなり笑う。
「──全部滅びてしまえばいいんだ」

東の海神 西の滄海(著・小野不由美 出版・新潮文庫) P292 更夜の台詞より

国から排斥され、国というシステムの恩恵を受けられなかった更夜の台詞はあまりに酷な彼の人生を思えば当然のものでした
そんな更夜に対して、序盤から部下に怒られまくってるくせに終盤じゃ口ひらけば名言しか言わない我らが延王はといえば

「ここはお前の国だ!」
(中略)
「──斡由だけがお前のものなのではない。この国はお前のものなのだぞ」
(中略)
「俺はお前に豊かな国を渡すためだけにいるのだ、……更夜」

同上、P293、P294 尚隆の台詞より

「更夜、言ったろう。俺はお前に豊かな国を渡すためにあるのだ。受け取る相手がいなければ、一切が意義を失う」
「おれ以外の奴に与えてやればいい。欲しがってる奴がいくらでもいるだろう」
「俺は欲張りだからな。百万の民と百万と一の民なら、後者を選ぶ」

同上、P321 尚隆と更夜の台詞より

おい名言のバーゲンセールか
こんな王様の治める雁の国に住みたすぎる
いま蓬莱に最も求められるリーダーこと尚隆

「どんな場所が欲しい」
「……緑の山野」
 六太は一歩を離れて尚隆に向き合う。
「誰もが飢えないですむ豊かな国。凍えることも夜露に濡れることもない家、民の誰もが安穏として、飢える心配も戦火に追われる心配もない、安らかな土地がほしい。──おれはずっとそれがほしかった。親が子供を捨てたりしないでも生きていける豊かな国……」
 ふと尚隆は笑む。
「お前は約束を違えず、俺に一国をくれた。だから俺はお前に必ず一国を返そう」

同上、P334 尚隆と六太の会話より

すんません、自分、涙いいっすか……?(落涙

こんな王様だからこそ、雁の国は獣人である楽俊でも大学に迎え入れ、この世界に来たばかりの海客である陽子をも受け入れたのでしょう
そして、いつかは更夜もこの国へ迎え入れられる日が来るのでしょうか
それとも、あれから500年近くが経過した現在では、更夜も彼らの輪の中に加わることができたでしょうか
続刊で更夜の活躍があるなら早く見たい

尚隆、あまりにも最高の男すぎる

そもそも月影で陽子を助けたのも、風の海で泰麒に麒麟とはなんぞや?ということを教えるために一肌脱いだのも我らが延王
十二国記の美味しいところを持っていく男ついでに驍宗に剣の戦いで勝ち越してるとかいう大剣豪

なんだこいつは!!!ずるいだろ!!!パワーバランスを考えろ不由美!!!!
俺も尚隆になりたい!!!!好きだ!!!!!

ここまで十二国記を読んだ雑感

一巻の月影を読んだ当初から感じていたことですが、大人になってここまでハマった小説はなかったように思います

次巻が手元にないと落ち着かない、という感覚を久々に味わいましたし、「明日はちょっと次巻を買いに行く次巻なさそうだから、ゆっくりペースで読もう」というペース配分が頭から飛んでついついページをめくってしまう感覚も久々でした

大人になっても童心にかえって楽しめる小説が読めるのは大変幸運なことですね

不由美、人類の土日破壊ザウルス(学名)とか言ってごめん……
小野先生は、人類の土日最高にしちゃうザウルス(学名)です……

俺ネーミングセンス終わってね?

というわけで、ここまで読んできましたがとうとう次巻は『風の万里 黎明の空』でございます
SNSで皆さんから頂いたお声から見て、どうやら相当な人気巻のようで楽しみやら恐ろしいやら……

てな感じで、今回はこのへんで!
ではでは

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