No.5 胸部レントゲン写真①
こんばんは。Ryeです。
みなさん、健康診断は受けられますよね?
受けてない方は受けてくださいね。
本日は、健康診断で必須項目である胸部レントゲン写真についてお話します。
長くなりそうなので二日か三日に分けてお話します。
本日は、胸部レントゲン写真の目的と流れ(方法)についてです。
1. 胸部レントゲン写真を撮影する目的
胸部レントゲン写真とは
・肺や心臓、縦隔などをX線によって画像化し、濃淡をみる検査である。
・胸部臓器の形状をチェックし、病巣の広がりなどを確認する。
・主目的は、肺結核・肺炎などの肺の炎症、肺がん等の発見である。
こういった目的で健康診断でも必須で行われています。
2. 胸部レントゲン写真の流れ
レントゲン画像(=X線画像=Xp)を撮影する立場として胸部X線撮影の撮影の流れと注意点についてお話します。
・まず、レントゲンを撮影する場合、撮影領域内に金属やプラスチックなどX線の陰影になりえるものがあると撮影はできません。
胸部の場合、上半身(顎~腰)の間に陰影になりえるものは除外しなければなりません。
よくあるのは上半身の服のボタン・ファスナー・分厚い刺繍やプリント・ブラジャー・キャミソールのアジャスター・ネックレス・カイロ・白い湿布などなどです。また、髪の毛もレントゲンに写ることがあります。髪の長い方は高い位置で結べるようにしていただけると助かります。
予めレントゲンを撮ることが分かっている時は、こういったもの以外のものを身に着けておくとよいでしょう。
例えば、無地で薄手の服で、下着もワイヤレスかつホックレスのもの(スポブラもOK)だとこちらとしてもありがたいです。着替えも不必要ですので、このように患者側も服装一つでも協力していただけると技師としても時間効率が上がりますし、非常に助かります。
・次に、ポジショニング(位置合わせ)です。下図のように、板の前に胸をつけるように立ってもらって軽く顎を当てるようにします。両手は腰に当て肘をグッと前に出すようにします。この姿勢ができない方は板を抱え込むようにしても構いません。
・ポジションができたら撮影をします。胸部レントゲンの場合、X線を照射する範囲は板の大きさくらいだと思っていいと思います。小柄な方は照射範囲を絞ることがあります。つまり、直接被ばくしている範囲というのは胸部のみです。撮影時には基本的に最大吸気停止(息を大きく吸って止める)で撮影します。これは、息を大きく吸うことで肺野が広く見えるからです。吸気不足だと、病変の見落としにもつながるのでしっかり息を吸って止めてもらえると助かります。撮影自体は、ほんの一瞬です。
・X線を照射した後は、FPDと呼ばれるX線を吸収し画像化させる機械によって瞬時にその場で画像を確認することができます。その画像を見て、撮影範囲や外せる陰影はないか、息は吸えているかなどサッと確認をして患者に終了を伝えます。
・検査終了後は、患者に着替えをしてもらい退室してもらいます。その間に、技師は画像を医療用画像管理システムなどに転送し電子カルテ上で見れるようにします。(医療用画像管理システムが無い時代にはフィルムに画像を現像して見ていました。)
ここまでが検査の流れです。
明日は、画像の見方やどういった疾患がわかるのかについてお話します。
この記事より、少しでも診療放射線技師・医療に興味を持っていただけると幸いです。
診療放射線技師を目指している学生さん、診療放射線技師になったばかりの新人さん、医療に興味のある方、多くの方に役立つ情報を共有できたらと思います。
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