映画:フードインク
制作年:
2008年
制作国:
アメリカ
キャスト:
エリック・シュローサー
あらすじ:
アメリカにおける食生活は、過去50年で大きく変貌を遂げた。かつて気候や家畜のコンディションによって変動を余儀なくされた農業は、今や完全なる人間のコントロール下にあり、安定供給が可能となった。
世界中どこに行ってもありつける、有名なファーストフードチェーンや、スーパーマーケット。これらに並んでいる食材の原料の多くは、ほとんどがコーンと言っても過言ではない。
家畜が食べるのもコーン。カラフルに彩られたスナックも、健康を謳う食品までコーンが原料である。さらに、より人気の高い食肉製造のために、家畜の身体まで自然に逆らうように「開発」されている。
手軽に入手できる食品、一口食べて美味しいと瞬時に感じる食品、これらはとても使い勝手が良い。しかし、これらを選び続けることで、自然の倫理にも反し、人間の身体までも危険にさらすことが免れない。
わたしたち人間が、日々食事をする上で見逃すことのできない事実がこの映画の中にある。
レコメンド(MAX5つ星):★★★★
感想:
以前からオーガニックや、不自然に操作されていないプロダクト選びには興味がありました。なぜ?と言われても、なんとなく良いからというイメージ的なことしか浮かばず、金欠の時には安価で生産地も原料も見ずに、字ずらやパッケージだけで購入することももちろんありました。
でも、実際にこの映画を見て、私が普段食べている肉はどんな顔をした、どんな特徴の動物たちの体なのかまざまざと知りました。この映画は、オーガニックをゴリ推しする内容でも、ベジタリアンになろうというものでもありません。それよりもっと俯瞰的位置にあって、私たち人間が生きるために、どんな選択肢の中から何を選ぶのかを問うています。
産まれてから、そしてこれからも幾度となく繰り返す食事。たった1回のイベントではないからこそ、一生ものの選択をしたいと思った映画でした。いろんな考えがあると思いますが、この内容を見て、いろんな考えも聞きたいとも思いました。
アメリカ人と日本人の感覚や、そもそも味の趣向、人種のバラエティさも違うので、この映画の内容が日本人全ての心を打つかというと、そうではないかもしれません。でも、日本も共通して言えることたくさんありますし、産地を知ったり、食べている食品がどこから来て、どんな加工をされてということは、映像も含めて知るべきなんじゃないかなと思います。
個人的には、今ちょうど離乳食を始めている子を養う親として、口から入って身体を作っていく燃料である食事について考えるきっかけになりました。また、消費することだけでなくて、選択するという考えは正しいと思います。行動はたしかに小さいかもしれませんが、一人でも増えれば陳列内容も変わり、製造方法や加工や流通を変えることにつながる力になると信じています。
自分に役立ちそうなこと:
・何をどこで買うかが、今後の自分の姿を作る
・自分が口にしている食べ物の原型や、届くまでのフローを毎度想像したい
・食品に限らず、あらゆるものがどこから来ているのか、なぜ私の元にあるのか消費行動にいちいち想いを馳せたい
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