RM Littorio 1941 イタリア海軍戦艦 リットリオ (PIT-ROAD 1/700 waterline kit)
1940年5月に完成したのヴィットリオ・ヴェネト級の2番艦ですが、着工が早かったため、リットリオ級と表記されていることもあります。
古代ローマで、斧の周りに木の束を結びつけた権威の標章をファスケスといい、これを持ち高位の公職者の周囲に付き従った役職をリクトルと呼びました。ムッソリーニのファシスト党のシンボルは、このファスケスを三つ並べたもので(ここからファシストという言葉が生まれました)、リクトルのイタリア語読みがリットリオです。このため、ムッソリーニが失脚した1943年にはイタリアと改名されています。
ヴィットリオ・ヴェネト同様、何度か出撃しましたが戦果を挙げる機会のないまま1943年にイタリア軍は連合軍に降伏しました。9月には前年6月に竣工した3番艦のローマと共に降伏のための移送中にドイツ空軍の滑空式誘導爆弾であるフリッツXによる攻撃を受け大破してしまいました(ローマは沈没)。
ヴィットリオ・ヴェネト同様、キットは完成直後の姿をモデル化したもので、1941年時にするには手を加える必要はありません。
さて、問題は塗装です。艦首の紅白の航空識別帯が滅茶苦茶目立ちます。そんなに味方の爆撃機が信用できなかったんですかねぇ。(それとも独軍のスツーカが怖かった?)これじゃぁ英航空機に対して「的はココですよ!」と言っているみたいなもんです。
他国艦では識別マークはなるべく表現していないのですが、大戦中の伊海軍では避けて通れません。ここは思い切ってフェラーリカラーの赤でマーキングしてみました。
2020年5月-2020年8月制作
ピットロード【W196】イタリア海軍 戦艦 リットリオ1941です。
上部甲板はブルーグレイ、救命ボートは黄色、多数積まれている艦載艇は茶色。これでフルハムなら艦底色は緑です。何ともさすがイタリアは派手です。しかし、懸念は一変。仕上りは期待以上です。イタリア艦はこれでいいのです。
取扱説明書の塗装図の指示通りだと後部甲板にも識別帯がありますが、大戦初期は木甲板のままだったようなので印刷した木甲板を貼りました。(再版されているものでは塗装図は修正されているようです) 艦載機のRO43は、大戦後期はダークグリーンですが、1941年ではまだ銀色だったようなのでマッキーペイントマーカーで塗りました。
艦橋の一部や煙突横の射撃装置の形状などヴィットリオ・ヴェネトとの違いが、キットではしっかりと再現されています。
紅白の航空識別帯はリットリオでは第二砲塔前まで、ヴィットリオ・ヴェネトでは第一砲塔前まで塗られていたようです。艦首甲板のキャプスタン等の構造物については、Romaの写真で紅白に塗分けたものがありましたが、きっと乗組員も面倒だったことと思い、艦体色のままにしました。
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