DKM Scharnhorst Class 1941 シャルンホルスト級制作記 #4 (Tamiya 1/700 waterline kit)
5.その他
5-1.前部甲板上構造物
グナイゼナウのみ、前部甲板上両舷に収納庫を配置しています(6×2=12基)
5-2.A砲塔測距儀
シャルンホルストの艦首からの波の飛沫は、錨鎖孔閉塞後も改善されず、しばしばA砲塔の測距儀が使用できなくなった程でした。このため遂に測距儀(A)を撤去してしまいました(B)。時期が不明なのですが、チャネルダッシュ以降のようです。このためライン演習時には残していたと判断しました。
5-3.レーダー
両艦ともに1939年11月にFuMO22型を設置し、1941年夏からはFuMO27型となっているようです。ライン演習時では、FuMO22型と考えました。
5-4.艦橋前部
艦橋下部構造の屋根には入り組んだ妙な構造物がありキットでは何なのか判別できなかったのですが、CG等から双眼鏡などの光学・測定機器とその仕切り(パーテーション)だと分かったので、それらしいパーツをエッチングや自作で置いて、プラ板で仕切りを設置しました(A)。
しかし、黒い突起物(B)は測定機器なのでしょうか。正体が分からないままにネイル用の丸いパーツでそれらしくしてみました。
艦橋の両舷に張り出した構造物は、ドイツ艦のかっこよさだと思っていたのですが、何のことは無い、手すりにシートをかぶせた錨見台でした。航行中は折りたたんでいることを知り、少々がっかりして、折りたたんだ状態にしています。
5-5.武装類
主砲はキットのままで、砲口のみ開口しました。副砲と高角砲の砲身は、適当な径のパイプがなかったので金属線に交換しています。
魚雷発射管については、ベルリン作戦時から両艦ともに三連装2基(片舷一基ずつ)との解説が見受けられますが、シャルンホルストが試験的にブレストを出航した際(1941年6月)に受けた損傷を7月~12月に修理し、その時に巡洋艦ニュールンベルグとライプチヒから魚雷発射管を移設したと指摘している記述があったので、チャネルダッシュ時から両艦ともに三連装2基が正しいようです。このためライン演習時には両艦とも未装備としました。
チャネルダッシュ時には、B砲塔や副砲上など多数の機銃を増設していましたが、これらはライン演習時には未装備と考え、銃身を金属線に交換し以下のように配置しました。
B砲塔後部両舷 20mm単装2基 A
艦橋横甲板上両舷 37mm連装2基 B
艦橋下部両舷 37mm連装2基 C
煙突外周上 20mm単装4基 D
後部艦橋下部と上甲板両舷 37mm連装4基 E
後部甲板上 20mm単装4基 F
煙突後方トラス上 37mm 4連装1基 G グナイゼナウのみ
6.あとがき
広い戦艦の甲板を筆塗していた際に感じた違和感を払拭するために、クラフト紙に板目を印刷して、甲板にするという手法を取り入れてみました。実艦よりは板の間隔が少し広くなっていますが、のっぺりとした印象はなくなり、木の質感が得られたと思います。
フライホークのエッチングパーツは、非常に多くのパーツが含まれていますが、すべての艦に用いるには、少々お値段が張りすぎます。また、砲塔を覆うパーツのように広い面積で立体物とする場合は、合わせ目を消すのに苦労するので用いませんでした。両艦のグレードを合わせるために、他にも多くのパーツが余ってしまいました。
さらに、ビスマルクとプリンツオイゲンの武器等のパーツとして購入した2隻分のシャルンホルストの艦体があります。また、スカイーウェーブのドイツ艦船装備セットも、艦艇類以外はこの2艦では使用していません。
そこで、このあとご紹介する予定のグナイゼナウの38㎝砲搭載型への改造も同時に行っていました。
このため、3艦完成までに時間が掛かりましたが、コロナ禍に入って一気にスピードが上がり、何とか1年3か月を要して完成することが出来ました。
シャルンホルストとグナイゼナウの主な違いを主として、長々と紹介してきましたが、最後までお読みくださり、ありがとうございます。
且聴下巻分解!
7.参考文献
1. Phoebus Publishing Company, "BATTLE OF THE ATLANTIC", Andrew Kershaw ed., 1975
2. 潮書房, 丸 季刊 Graphic Quarterly 第27号 写真集 ドイツの戦艦 1977
3. モデルアート社, モデルアート 7月号臨時増刊 No.318 艦船模型テクニック講座Vol.4 ドイツ大海艦隊 昭和62年 1987
4. 海人社, 世界の艦船 1989年3月号増刊 第405集(増刊第26集)ドイツ戦艦史 1989
5. モデルアート社, 艦船模型スペシャルNo.31 2009 SPRING 戦艦ビスマルク
6. KAGERO Publishing, Super Drawings in 3D "The Battleship Gneisenau", Mariusz Motyka & Mirostaw Skwiot, 2012
制作 2019年2月- 2020年5月
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