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H.M.S. Nelson Class 1941 英国海軍戦艦ネルソン級制作記 #4 (Tamiya 1/700 waterline kit)


4.上部構造物(承前)

4-6.艦橋甲板の修正2

艦橋甲板の後部

 両艦ともに、上部構造物にもサフを噴いてから507cで塗装しました。さらに艦橋甲板など鉄甲板と思われる部分は507bで塗装しました(A)が、この部分はもしかしたらリノリウムかもしれません。というのも"linoleum deck"で検索すると日本海軍の茶色がヒットしますが"linoleum, battleship"で検索すると"Battleship Gray Linoleum"がヒットするのです。もしかしたら…ですが。
 TOP画像は、塗装後艦橋甲板の艦尾側にもクラフト紙木甲板を貼り、上甲板に接着している状態です。少し反りがあるため、しっかりと固定しました。
 ネルソンでは、マストの後ろPic.4-4-1の(K)の位置にB38を付けるようになっていますが、この時期にはなかったようです。一方ロドネイでは、フィンの付いた測定所あるいは指揮所らしきB31+39(右舷)とB32+39(左舷)を付けるようになっていますので、ネルソンでもこれらのパーツを自作して(B)取り付けました(図では、右舷はマストの影になっているので左舷のみ示しています)。
 武装類については次回に触れますが、煙突の前にはポンポン砲座が両艦ともにありました。ネルソンにはパーツB13があるので、そのまま使用できましたが、ロドネイにはこのパーツはありません。そこで、パーツB38の代わりに、不要となったネルソンの2個のパーツB11(C)の間にプラ材(D)を挟んだポンポン砲座を作りました。
 ロドネイではマスト横に換気口らしきパーツB16(E)があります。写真では確認できませんでしたがネルソンでもあったと考え、ロドネイのパーツを参考に自作して(F)のように追加しました。

4-7.煙突

Pic.4-7 煙突

 煙突は両艦ともにパーツA31、32を接着後、4本のパイプであるA1を艦首側に接着することになっていますが。写真で確認すると、艦首側に3本、艦尾側にも2本のパイプがありました(写真はいずれもロドネイ)。そこで、パーツA1は使用せず、金属製のパイプを貼り付けました。
 探照燈座(パーツA37、38)は艦尾側で通路が結ばれているようなので、この部分を再現(F)し艦首部の通路(パーツA40)とともに手すりのエッチングパーツを付けました。
パーツA36のファンネルキャップはふちを残して切り抜き、格子のエッチングパーツが1つしかなかったのでこれをネルソンに使用し、ロドネイは銅線で作りました。
 またエッチングの梯子を追加しました(H)。なお、写真では長い梯子が艦橋やマストでも見出せますが、どうやら縄梯子のようです。これらはエッチングパーツでも大袈裟に思えたので省略しました。

4-8.艦橋TOP部:ロドネイ

Pic.4-8 ロドネイの艦橋TOP部

 初期のロドネイは、艦橋のトップに見張り所のような設備があるだけで、マストのない構造で(A)、キットのパーツ(B6+10+11)がそのまま使えます(B)。しかし、開戦後は白いドーム状のカバーの付いた装置が認められ(C)、レーダー設置の時期に前部マストも追加されたと思われます(D)。また、(C)と(E)では、TOP部の構造が(A)と異なり、円形になっていたようです。
 そこで、(B)のパーツB10を、(F)のような円形のTOP部に作り替え、ランナーの端を切り落として作ったドーム状のパーツ(G)を載せました。パーツB11は使用しません。
 パーツB6の三角形のヤードは切り落として後ろにプラ材を追加し、金属製のマストの下部と(H)の位置で接着しました。マストの上により細い金属線のレーダー取付用マスト(I)を載せ、エッチングパーツの279型レーダーを(J)のように取り付けました。
 さらに、4本のヤードを付け(K)、元のキットパーツの艦首側へのヤード状の張り出し部分は、エッチングパーツを適当に切断したものに置き換えました(L)。
 なお、後部マストにも同279型レーダーを前部マストと高さを揃えて取り付けました。

4-9.艦橋TOP部:ネルソン

Pic.4-9 ネルソンの艦橋TOP部

 開戦前のネルソン艦橋のTOP部は(A)(B)のようにロドネイとよく似た形状をしていましたが、前部及び後部マストにレーダーを備えた(C)時期には、高角度指揮装置(high angle directorの直訳:対空砲の射撃統制の役割を持っていたようです)を二基備えた(D)(E)のような形状となっていました。キットではパーツB27にパーツB36を二つ付けた形状ですので、そのまま使用できます。ただ前部に張り出した部分が認められますので、プラ板を貼って表現してみました(G)。
 また、TOP部などにレジンパーツの日本海軍用の双眼鏡等を追加し(H)、ループアンテナ状のエッチングパーツ(medium frequency direction findingの直訳:中波周波数の方向探知装置で、日本海軍のループアンテナと同様の役割をしていたようです)も追加しました(I)。
 前部マスト(パーツB16)は金属線(J)に置き換え(パーツA17は使用しません)、エッチングパーツの281型レーダー(K)を取り付けました。さらに、後部マストにも281型レーダー(L)を取り付けました。

4-10.ネルソン級のレーダー装備

Pic.4-10 279型及び281型レーダー

 先にレーダーを装備したのはロドネイで、1938年に79Y型レーダーを装備し、1940年8月に79Y型の普及型である279型(A)を装備しました。
 一方、ネルソンはレーダーなしで参戦しましたが、1940年2月から5月の間に279型を装備しました。1940年6月に282型が試験用に取り付けられましたが、すぐに撤去されました。(このレーダーは、後に284型としてKGV級に装備されました。)このあと、1940年8月に281型(B)が装備されました。
 このため、ビスマルク追撃戦時には、ロドネイは279型を、ネルソンは281型を装備していたと判断し、上記のように前部及び後部マストへのエッチングパーツの追加を行いました。
 マストは、日本海軍と同様、煙突の上部と同じ高さの位置からヤードが張り出している部分までは黒色ですが、それより上のレーダーを含む部分は白色だったようです(Pic.4-9の(C)参照)。
 ちなみに、ネルソンは、1941年10月に282型、284型、285型を、12月に283型を、1942年1月に273型を、1944年7月に286型を、それぞれ新たに装備または増設しました。
 ロドネイも同様に1941年8月に279型、271型、281型、284型を、1942年4月に273型を装備または増設しました。

2024年1月制作開始
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