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絨毯とベビーパウダーで航跡を表現する
昨年末に開催されたTOYラジ「スケールモデル祭り2023」に『浮べる山ぞ頼みなる』(作品No.29)のタイトルで金剛型4隻で参加させていただいたところ、1月27日にYouTubeで行われた「スケールモデル祭り2023おひろめ放送」において、MCの長徳さんのピックアップ作品に選ばれました。長徳さん大越さんをはじめ関係者の皆様、コメントをくださいました方々に厚く御礼を申し上げます。
この時に話題として取り上げていただいた「絨毯ベビーパウダー表現」について、蛇足ながら説明させていただきます。
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金剛型4隻をを作ると決めた時、どうしてもやってみたかったのが、昭和17年4月1日にスマトラ島南方洋上で撮影された第三戦隊金剛型4隻が、横陣からの一斉面舵から単縦陣への移行している有名な写真の再現でした。1/1250以下のスケールであればできそうですが、これを1/700でやってみたかったのです。ちなみに手前から金剛、榛名、霧島、比叡です。
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32.4cmまでの完成した作品は、ダイソーの展示ケースに2隻ずつ収納しています。艦底と展示台の間には100均のタイルカーペット(セリアかキャン★ドゥ)をカットしたものを挟んで、振動防止とビス留めする際のワッシャーの役割を持たせています。
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撮影のために、海面と波や航跡のジオラマを作って作品を固定してしまうと、あとで収納しにくくなるので、撮影時は簡易的な仮のジオラマとしなくてはなりません。一昨年のスケモ祭りに榛名で参加した際には、黒いスチレンボードの上に包装用の透明袋(いわゆるビニル袋)を展開したもので覆い、ビニル袋にしわを作ってその上に艦を置いて航跡の表現を行いました。
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横からの撮影だと、少々波が穏やかすぎますが、艦影が映って中々良い感じになりました。しかし、4隻を並べて俯角で撮影するとなるとかなりの面積が必要です。それだけの大きさのスチレンボードはありません。
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実は榛名の際にもう一つの撮影候補がありました。展示台に使用しているタイルカーペットを使う方法です。ピントを合わせてしまうと繊維の毛羽立ちが目立ちますが、少し甘くすればさざ波のように見えないことはありません。
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そこで思いついたのが寝室のカーペットです。家人が主に使用している部分の椅子などを移動させればスペースがとれそうです。
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ベビーパウダーの位置は先ほどの写真のまま、画角を下げてみました。なんとか家具類が映りこまない状態で4隻分の航跡の広さが確保できそうです。しかし、これだけの広さのビニル袋もないし、寝室の絨毯に航跡用の塗料をブチ撒く訳にはいきません。そこで登場したのがベビーパウダーということになります。
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艦はすでに11月初旬に完成していましたが、自然光で撮影したかったので(MC大越さん寄せです)寝室に日が差し込む晴れた午後でなくてはいけません。平日は仕事です。また、寝室にパウダーを撒くのですから、家人のいない時を狙わなくてはいけません。
チャンスは11月19日の日曜日にようやく巡ってきました。家人が買い物に出かけて留守です。椅子を移動させ、安全のため完成品でなくダミーの艦底部を並べます。艦尾直後にはたくさんパウダーを撒き、その後ろに少し離して撒いたら、指でなぞって伸ばしていきます。転舵しているので軽くカーブを付けて艦の全長の5~6倍程度の航跡を描きました。
ダミーと完成品を入れ替えて、撮影です。実際の写真のようにもう少し低い角度で写したかったのですが、そうすると家具が入ってしまいます。しょうがありません、
開戦前の或る日、南方洋上で行われた演習を、他艦から発進した偵察機が上空から撮影したということで、この画角で我慢しました。
慎重に完成品を展示台に戻し、ベビーパウダーを掃除機で吸い取って証拠隠滅して、完全犯罪の成立です、ヤレヤレ。
以上、「絨毯とベビーパウダーで航跡を表現する」の顛末記でした。
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