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H.M.S. Nelson Class 1941 英国海軍戦艦ネルソン級制作記 #3 (Tamiya 1/700 waterline kit)


4.上部構造物

4-1.竣工時の艦橋

Pic.4-1 竣工時の艦橋

 竣工後しばらくの間は両艦ともに艦橋の下部に2個突起のある窓のような構造が、左右の前(A)と後ろ(B)にありました。ネルソンの逆光の写真でわかるように光が透過しているのでやはり窓のようです。また、左下の写真では船員がいるのやサーチライトのような構造がわかります。
 この時期の両艦の違いは、ロドネイでは(C)の窓が上下2列となっていること、ネルソンでは、(D)のように上部階までツライチとなっているが、ロドネイは(E)のように上部階が一段後ろに下がっていることです。このため、左下の写真はネルソンであると注釈が手書きされています(F)が、(C)の窓の形状からロドネイのようです。
 左下はロドネイのキットでパーツB26、27と30を仮組したものです。(A)(B)(E)がいずれも表現されていて、初期の艦橋であることがわかります。
 両艦では1938年頃からそれぞれ違った改装が艦橋に加えられたので、修正していかなければなりません。

4-2.艦橋の修正:ネルソン

Pic.4-2 艦橋の修正:ネルソン

 UPランチャーを主砲塔上に搭載した時期の写真では、(A):サーチライトのあった前部の窓は塞がれた、(B):サーチライトのあった後部の窓は、機銃座とその出入り口となった、(C):左舷前部に突起、(D):窓下の両舷に突起、が認められます。
 キットのパーツB31、32、35を仮組した状態では、(A)の窓はありませんが、パーツB20 を付ける穴があります。B20は不要ですので、この穴は塞ぎます。(B)の窓もありませんが、艦橋後部の構造物であるパーツB23を付けるためのスリットとなっています(E)。後述しますがB23も使用しないので、これは塞ぎます。(C)と(D)はモールドされているのでそのまま使用します。
 キットではネルソン級の特徴である塔型の艦橋を再現するためにパーツB31と32の内側にパーツA33と34を入れ込むようになっていますが、このまま組むと艦橋後部の窓が透過しません。そこで、A33と34の代わりに横板(F)と内部の壁(G)をプラ板で作成しました。
 塞いだ(E)部分は出入り口用に縦に穴を開け、機銃座を設けました(H)。パーツB35の窓部分は削り窓枠用のエッチングに置き換え(I)、その下のスリットにもエッチング枠を付けました(J)。この2箇所の窓には塗装後に透明のUVレジンを塗りこんで太陽光で硬化させてガラス表現としました。
 艦橋後部のスリット部分は、支柱があるので幅の広いエッチング枠を付けましたが、ガラスでなく吹き抜けのようでしたのでレジン加工は施しませんでした(K)(L)。この部分のスリットの下には短い張り出しも追加しています(M)。
 パーツB21と22をB35に接着し、その後ろには角状のパーツB19を付けることになっていますが、写真では円筒状に見えるので丸棒と置き換えました(N)。
 艦橋の後ろ側は、後ほど階段構造を作成しますが、すでに艦橋の天板部分へ移動できる左右の階段を追加した状態(O)となっています。

4-3.艦橋の修正:ロドネイ

Pic.4-3 艦橋の修正:ロドネイ

 艦載機を搭載し、対空武装が増えた状態の写真(上段)では、(A):サーチライトのあった前部の窓は塞がれた、(B):サーチライトのあった後部の窓は、機銃座とその出入り口となった、(C):上下2列だった窓が1列になった、(D):右舷の下部にへこみ、(E):円筒状の2個の突起(両舷)、などの改装点が見て取れるます。ネルソンと同様にパーツB26と27を接着し、A33と34の代わりに横板と内部の壁をプラ板で作成したのち、(A)~(E)の修正を加えました。
 また、パーツB33の代わりにエッチングの窓枠にプラ板の天板を張り(F)、パーツB34は使用しませんでした。上段のスリット部分は一部エッチングの窓枠に付け換え(G)、下側に短い張り出しを追加しました(H)。ネルソン同様(C)、(F)、(G)にはレジン加工を施しガラス表現としました。
 さらに最上部には、マストを取り付けるための後部の張り出し(I)と測距儀用(?)の左右の張り出し(J)を追加しました
 なお、機銃座の周りの囲い(薬莢落下防止?)は、開くことができるのですね(K)。

4-4.艦橋甲板の修正

Pic.4-4-1 艦橋甲板の修正1

 両艦ともパーツB1が艦橋甲板、ロドネイのB25、15とネルソンのB30、15が艦橋を取り付ける基部のパーツです。1941年時とするためには基本的にはロドネイの状態に合わせます。
 ネルソンの艦橋甲板を囲むモールド(A)は手すりと置き換えるので削り落としました。(B)と(C)モールドもロドネイにないので削り落としました。(D)は1941年以降に追加されたポンポン砲座のパーツB11を付けるためのモールドですが、これも不要です。逆にロドネイの(E)や(F)といった窓などを表現しているモールドは、ネルソンにないのでプラ板で追加しました。
 後述しますが、ネルソンの艦橋の艦尾側は、大戦後期にあたるキットと大戦初期では形状が異なりますので、修正が必要です。ネルソンのパーツB30の艦尾側の突き出した斜線部分(G)は切断し、空いた穴をプラ板でふさぎました。また、中央の(H)部分にあったモールドは切除しました。
 ロドネイの(I)は昇降口の位置なので、手すり付きの階段を付けるつもりで穴を開けましたが、艦載艇の邪魔になるので後で塞いでいます。
 ネルソンでは(J)にパーツB12とB38を付けるようになっていますが、B38が不要ですのでロドネイと同様の形になるようB12の円筒部分のみ残してA17+A3を付けました。

4-5.艦橋の追加修正

Pic.4-5 艦橋の追加修正

 ロドネイはパーツB25に、ネルソンではB30に艦橋を接着しました(A、B)。ロドネイはそのままで良いのですが、ネルソンの艦橋には追加で修正が必要です。
 (C)が開戦前、(D)が大戦初期、(E)が大戦後期のネルソンの艦橋後部の構造を示す写真です。キットでは大戦後期の状態をパーツB23で表現している張り出し部や階段状に積まれた部屋などが、大戦初期とは異なることがわかります(F、G)。パーツB23は1段目の四角柱のみ残してあとは切断しました(H)。切断した2段目は一回り大きな四角柱(I)と取替え、張り出し部分(J)を追加し、ドア、手すりと階段のエッチングパーツを接着しました。
 このようにネルソンは艦橋上部への昇降が外部の階段で可能ですが、ロドネイではどうしていたのでしょう?実は、両艦ともに艦橋内部にも階段が設置されていました。ネルソンでは省略しましたが、ロドネイでは艦橋内部の階層を分けて階段のエッチングパーツを設置しました。残念ながらよくよくのぞき込まないと見えませんので敢えてUPの画像は撮っていません。労多くして功少なし!まぁ、いつもこんなもんです。
 パーツB30の艦首側にはB8を接着後、機関銃座のB26を付けることになっていますが、この時期にこの機関銃は未装備なので、ロドネイのパーツB8にあたる装備品が必要です。プラ材の削り出しでは難しい形状なので、「お湯まる+UVレジン」でB8の複製品(J)を作りました。
 また、B15にはポンポン砲座前までブルワーク(G)を追加しました。

2024年1月制作開始
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