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DKM Scharnhorst Class 1941 シャルンホルスト級制作記 #3 (Tamiya 1/700 waterline kit)


4.艦上構造物

4-2.艦載機格納庫

Pic. 4-2 Gneisenau 艦載機格納庫1

 グナイゼナウ:新造時には小型の格納庫(A)を備えていましたが、1939年初頭の改装の際に船首方向に拡大(B)しました。その後すぐに小型に戻されているようで、1941年2月のベルリン作戦時(大西洋通商破壊作戦)には、(C)の形状となり、煙突との間にはトラスト構造の機関銃台座(D)が設置されています。 チャネルダッシュ(1942年2月:ツェルベルス作戦)以降は、煙突後部ぎりぎりまで延長された大型の格納庫(E)になっていて、この改装はブレスト港での修理中に実施していると考えられますが、ライン演習時には、小型のままであると判断しました。

Pic. 4-2 Gneisenau 艦載機格納庫2

 キットは拡大した状態(パーツC13,C26,C31,C32等)なので、1939年頃のごく短い期間をモデル化したものと考えられます。1941年とするためには、小型化する必要があります。 
 カタパルト(A)を載せている構造物(パーツC13)はそのまま使えますが、格納庫自体は探照灯の設置部分と幅を合わせた箱状の構造物(B)に作り変えます。この探照灯の台座(パーツC33)の位置が、写真やイラストで高さが異なるので戸惑いましたが、どうやら上下にスライドする仕組みになっていたようです。
 格納庫が縮小した後に設置された、キットにはないトラス構造の機関銃台座(C)はフライホークのエッチングパーツを用いました。また、 (D)をはじめとしたラジエーター構造をした複数の排熱装置をプラ板とプラペーパーを重ねて再現しました(E) 。

Pic. 4-2 Scharnhorst 艦載機格納庫

 シャルンホルスト:新造時には、グナイゼナウと似たカタパルトを載せている構造物と隣接した(合体した?)煙突後部まで達する格納庫(A)を備えていました。1939年の改装時にキットのような形状(パーツC8,C19等)の大型の構造物(B)に作り変えられたのでそのまま使用します。
 悩ましい点は、煙突後部が乗っている台座(パーツC30)に格納庫(パーツC19)の前部が覆いかぶさっている構造(C)です。グナイゼナウの場合、格納庫は煙突後部まで達していませんので、この延長部分はなく(パーツC4)、ここに複数の排熱装置があるのですが、シャルンホルストの場合このCGにあるような排熱装置(D)はなくても大丈夫なのでしょうか?
 艦の中央部部分が鮮明に写っているカラー化された写真(煙突にメインマストがある1939年以前の状態ですが)によると、煙突基部に覆いかぶさっている格納庫の下(船員の頭の横)に排熱装置が一部確認でき(E) 、この上から小型のボートを置くアームが舷側に張り出しています。キットでは延長部分にはボートを置くよう取説で指示がありますから、どうやらこの延長部分(F)が排熱装置を簡易的に再現したものらしいのです。そこで、この(F)部分は取り除いて、グナイゼナウ同様の排熱装置(G)を設置しました。

4-3.カタパルト

Pic. 4-3 カタパルト

 両艦ともに最初は、艦載機格納庫(A)とC砲塔(第三砲塔)(B)の2か所にカタパルトを設置していましたが、1939年末には、砲塔上のカタパルトは撤去されました。
 このため、シャルンホルストはキットのままで良いのですが、グナイゼナウについてはC砲塔上のカタパルトは不要です。

4-4.煙突キャップ

Pic. 4-4 煙突キャップ

 両艦とも艦首改装時に、斜めになったキャップ(A)を煙突に備え付けたので、キットのままで構いませんが、排煙部の仕切りが、クロス構造となっています(両艦ともにパーツB11)。 1/350のキットやCGを参考に、クロス構造となっている部分を削り落として排煙部の仕切り(B)をプラ板で作る必要があります。なお、エッチングパーツも確認できたものはすべてクロス構造となっているので使えません。

4-5.クレーン

Pic. 4-5 クレーン

 どこにも言及されていないので自信はないのですが、両艦のクレーンの本体湾曲形状が異なっているのではないかと思います。シャルンホルストは、弧を描いて曲がっていますが(A) 、グナイゼナウは、角度がついて折れ曲がっている(B)ように見えます。キットのクレーンはシャルンホルストの形状で問題ありませんが、グナイゼナウは、 ”Kagero”のCGをもとに基部から作り直しました。

4-6.転落防止網

Pic. 4-6 転落防止網

 艦中央部の高角砲の間の単装の副砲上に転落防止用と思われる網(A)を設置している写真や図があり、エッチングパーツにもこのパーツがありますが、副砲を撃つにはどうにも邪魔だと思います。港に停泊時のみ設置されていたと考えて、取り付けないことにしました。

4-7.艦載艇棚

Pic. 4-7 艦載艇棚

 煙突の前部には、艦載艇類を搭載する棚を設置しなければならないので、煙突のパーツB9、10(両艦共通)の突起部を削り取ります。フライホークのエッチングパーツ(B)をもとに、プラ板や金属線を使って棚を組立てました(C) 。

制作 2019年2月- 2020年5月
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