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USS BB46 Maryland 1941 アメリカ海軍戦艦 メリーランド (PIT-ROAD 1/700 waterline kit)

 メリーランドは、1921年7月に竣工したコロラド級戦艦の2番艦ですが、同級の中で最初に竣工したので、同級をメリーランド級と呼ぶこともあります。艦名はメリーランド州から採られています。
 コロラド級戦艦は、第一次世界大戦中に4隻が計画され、戦後に建造が始まりました。常備排水量は32,600t、全長は190.2mで、前級のテネシー級とほぼ同じ大きさですが、日本海軍の長門級をはじめとする八八艦隊計画や英海軍の新型戦艦計画に対抗するために、米海軍では初めて16インチ(40.6㎝)砲連装砲塔4基8門を搭載しました。
 メリーランドの竣工後に始まったワシントン海軍軍縮条約で、各国の戦艦の建造は凍結されましたが、日本海軍の陸奥の保有が認められた代償として、米海軍の1番艦コロラドと4番艦ウェストバージニアの建造続行が認められ、3番艦のワシントンは建造中止となりました(標的艦として処分)。また、英海軍は新型艦としてネルソンとロドネイの建造が認められました。
 この結果、16インチ(40.6㎝)砲を備えたコロラド級3隻、長門級2隻、ネルソン級2隻を「世界のビッグ7(世界7大戦艦)」と称していました。また、アメリカでは前級のテネシー級2隻とコロラド級3隻合わせて「ビッグ5」と呼んでいました。
 メリーランドは、一部の武装の変更はあったものの、大きな近代化改装はされず、Naval Holiday時のアメリカ戦艦の特徴である籠型マストを備えていた姿のまま、第二次世界大戦を迎えます。日本海軍の真珠湾攻撃で爆撃を受けたものの、オクラホマ(攻撃で転覆、その後沈没)の内側に停泊していたため、雷撃を受けませんでした。修理と改装を受けて1942年2月には復帰し、その後1944年10月のレイテ沖海戦において日本海軍の山城と砲火を交え、これを撃沈するなどの戦果をあげました。

 キットは真珠湾攻撃時の姿をモデル化しているようです。真珠湾攻撃時には、太平洋アメリカ艦隊の艦艇の多くは、1941年にアメリカ艦船局が制定したMeasure 1 (MS 1) に従って、垂直面をライトグレー (5-L) で、水平面をダークグレー (5-D) に、高いマストや艦橋などの上部は白(5-U) で塗られていました。説明書でもそのような指示がなされていて、多くの写真からも確認できますが、真珠湾攻撃時は白装束みたいで縁起が悪いのと、1941年5月の時点では、まだ白塗装はされていなかったようなので、上部もライトグレーのままにしました。

2022年3月-2022年4月制作

左舷全景

 ピットロード【W150】BB-46 メリーランド 1941 です。ピットロードからは近代化された1945年時のキットも販売されています。艦底のパーツもあるのでフルハルにもできますが、ウォータラインで作成しました。

右舷前方

 考証がしっかりとなされていて、籠状マストをはじめとするエッチングパーツも付属されているので、そのまま組み立ててディテールアップすることができますが、前後マストの見張り所下部の補強材やアンテナを追加しました。

右舷中央部

 一か所だけ注意しなければいけないのは、副砲が上部甲板の内側に取り付ける構造になっていることです。甲板の塗装(本作は自作シート)と組み立ての順番をよく検討する必要があります。

後部上方より

 艦載機のキングフィッシャーは、ライトグブルーで塗装し、1919年8月19日から1942年5月6日の期間に使用された星の真ん中に赤丸のある旧マークのデカールを貼りました。3機搭載しているはずですが、キットには2機分しかパーツがありません。もう1機は…そう、上空から撮影しているのが3機目ということにしましょう。

上方より全景

 艦の幅が広い戦艦(1/700で約4.2㎝)は、どうしても甲板がのっぺりとしがちですが、印刷した木甲板を貼ったので、その印象も消え、戦艦らしい姿を再現することができました。

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