#短歌 ロケットのボタン壊れて科学館ミイラな未来収納める柩
大人になってから大人複数人で地元の科学館に遊びにいったことがある。
同行者に理系の人がいたので「この体験型装置は来館者になんの原理や技術を体験させようとしているのか」を
解説してもらいながら周っていたのだけれど、いくつかの装置は壊れていて、ギミックがまともに作動しなかった。
そもそもどちらかといえば子供のための施設で、未来を予感させる技術の解説装置が壊れている、
壊れっぱなしでほったらかされている、というのが、
未来そのものを暗示しているかのようで不吉に感じた。
単純に子供のための施設の管理に予算が回らないというのは、未来にかけるお金をケチっているわけだから、
占いのような暗示や予兆ではなく、予定といっていいほどの確かさがある。
もう10年以上も前の話。
あのとき壊れたままほったらかされた未来は今だ。
ロケットのボタン壊れて科学館ミイラな未来収納める柩
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