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15年かけて行き着いた!統合マーケティングが成功するための実践方法

●この記事のサマリー:

  • 「統合マーケティング」、IMC(integrate marketing communication)と言ったりしますが、その重要性は長く言われています。

  • しかし、様々なメディアやマーケティングソリューションが次々と登場し、かかわる部門や要素も複雑化し、「統合」が難しくなっていることも事実です。

  • そうした中、私が15年のマーケティング部門経験の中から試行錯誤の末に至った、たった一つの統合マーケティング、成功への鍵をご紹介します。

●統合マーケティングとは:

・統合マーケティングとは、企業が実施するさまざまなマーケティング活動を、一つの全体として統合的に計画し、実行することを指します。
・具体的には、CM/デジタル/SNS、販促、PR、イベントなど、各種マーケティング手法を総合的にプラン、実行することです。
・統合マーケティングを実施することで、各種マーケティング活動が、バラバラになってしまうことを防ぎ、一つのメッセージを一貫して伝えることができます。

・ただし、統合マーケティングは、マーケティング活動の中でも最も難易度が高い分野の一つです。組織内での情報共有やコミュニケーション、外部パートナーとの調整など、多くの課題があるため、十分な準備と計画が必要です。

・ここでは、組織をまたぎつつスピードを落とすことなく統合マーケティングを実施するために必要な「徹底した役割分担」と「統合」、
そしてそこから行き着いたキーポイントを紹介します。

●自己紹介
・私はデジタルマーケティングを中心に企業のマーケティング部門に15年在籍し、広告プロモーションの全体企画・ディレクションを行なってきました。
・転職も何回かしておりまして、在籍した企業の規模は10名程度のベンチャーから100名規模、1000名規模、今は社員数2万人以上いる、いわゆるナショナルクライアントの宣伝部門で部門長を務めています。
・その意味でいろんなサイズでのプロモーションを経験しておりますので多くの方に共感いただける記事を共有できると思います。


●統合マーケティング 基本STEP

① 分担 : チーム、組織、代理店、AI それぞれの専門性が発揮されるにはまずは分担から。
② 結合 : GOAL(KGI達成)に導くために専門集団を結合していく。


① 分担
分担とは、それぞれの個、集団が専門性を発揮できるようにすることであり、組織間の納得感を重視して職掌を明文化することが重要です。
こんなイメージです。

ここで大事なのは2つです。

  1. 組織間の納得感(対話を重ね一緒に作っていきます) / 誰かがキッチキチの案を作って提案をするとうまくいないので、ゼロからホワイトボードで書き出してみるのをお勧めします。

  2. (分担が大事と言いながら、矛盾しますが) 「XX部職掌:デジタル広告のメディア予算の決定」と決めた際も、他部署が関与する余地を明文化しておくことです。(グレーな部分を残していることに聞こえるかもしれせん)

    例えば、「メディア予算は部署Aが決定」とした時、後続のメディアプランを決める部署Bが全くその決定に関与しない場合、「予算の置き方が良くない、もっと予算があればXXができるのに」、など部署Bの納得感がないままメディアプランが組まれることになります。

    部署Bのモチベーション低下はもとより、部署Bが持っているノウハウが上流の予算策定に反映されないがために効果も落ちることもあるかも知れません。

    ポイントは、決定は部署A、インプット(示唆、意見を言う)は部署B、と決定とインプットを分けて書くことです。

    このことにより、決める人と助言する人が明確になり意思決定スピードと、プランの精度が高まる、二面の利点が生まれます。


② 結合
結合のやり方はいくつもあります。

  1. 北極星とも言える全部門が目標としているKGI(経営目標)を明確にする(ただこれは自部門の活動が直接数字を動かす実感のない数字になっているケースが多くこれだけだと不十分です。

  2. 各部署のKPIを管理する。各部署の活動をKGIにつながる形でKPI化します。
    ここもKGIに紐づかせる点が難問です。
    例えば、CM制作部門が「売上XX億円に貢献するため=KGI」のKPIをどう持つか?など。
    ここも①で記載した通り、最後は納得感です。
    ★科学的な根拠に基づいてKPIを作ることに策を出し続けた先(100点は無理)は、部門同士での対話で納得感を作ること、これに尽きるような気がします。

  3. 一つのプロジェクトを一枚絵にして協働するワークを行う。これは例えば全部門でカスタマージャーニーを一緒に作ってみるのも機能します。
    ここでこのステージにいる顧客はどんなインサイトがあって、どんなメッセージ、どんなメディアが適切か、など部門を超えた議論が生まれ、プロジェクト全体の中での自部署の役割が明確になっていきます。
    副産物としてプロジェクトメンバーの団結も生まれていきます。

●と、これら統合マーケティング実現への基本STEPを書きましたが、リアリティとしては、そううまくはいかない・・、と思います。
こんな理由で・・。


●そこで私が行き着いた統合マーケティング実現へ行き着いた一つの大事なこと


★それは「人同士が繋がっていくこと」です。

人同士が繋がると何が起こるか?ですが、こんなメリットがあります。

  1. 高速で情報が行き交う
    人同士が繋がると部門を超えて「あ、この情報あの人に教えてあげよう」などプロジェクト全体が成功するために、その部門に有益な情報が勝手に伝わっていきます。

  2. 高速で集合知が生まれる
    人同士が繋がると部門を超えて「この課題に対して、ちょっと喋りませんか?」と議論が至る所で発生し、部門を超えた集合知が生まれていきます。

  3. 高速で役割分担を行う
    人同士が繋がると、「これ私がやるから、こっちやっといてもらえます」と勝手に役割分担がどんどん生まれていきます。職掌を部門間で整理する前提ですが、グレーな部分はどうしても生まれます。その際にプロジェクトメンバー同士が役割分担を高速で行なっていきます。

● 高速統合マーケティング実現へのキーまとめ

  1. 統合マーケティング実現への
    基本STEPは、
    ①分担(部門毎の職掌を決める)
    ②結合(部門を繋げる)

  2. 分担は部門毎の職掌を決めることだが、決定部署とインプットする部署を決めて、協働が生まれるようにしておくことがポイント(決定部署だけ定義すると他部署の関与がなくなり納得感とそもそもプランの精度が落ちる)

  3. 結合には、KGIに紐づいて各部署のKPIを策定すると言う点と、ソフト面では、部署全体が協働を行う場を作るのも効果的(カスタマージャーニーを部署を跨いで作成するetc)

  4. 最後に最も大事なのは部署を跨いで「人同士が繋がること」。このことにより高速に情報が行き交い、集合知が生まれ、役割分担が高速に、また、ボトムアップで自走的に実行される。

次回の記事ではその「人同士が繋がるため」に私が行なった施策を紹介します。

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