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バラバラな時代:広告代理店経営に必要な視点
バラバラな時代:広告代理店経営に必要な視点
2025年を迎えるにあたり、広告業界は「フラグメント(断片化)」と呼ぶべき状態へと突入しています。政治・経済・社会情勢は、かつてのような整合性のある構造を失い、メディア環境も多様な接点が並立する状況です。ポッドキャストやSNS、インフルエンサー、ライブイベント、個性的なお笑い番組まで、特性の異なるチャネルが次々と登場し、一つのメッセージを統一的に届ける従来の方法論が通じにくくなっています。
一見すると、この「バラバラ」な状況は不安定さや混乱を生むように思えます。しかし、実際には新たな発想や可能性を育む「始まり」の環境ともいえます。広告代理店は、フラグメント化を嘆くのではなく、その断片的な構造を巧みに活用する方向へと発想を転換する必要があります。
まず、メディア実行計画の組み立て方を見直さなければなりません。かつてはテレビや新聞、雑誌など従来型メディアを軸に「大から小」へと流し込むアプローチが基本でした。これからは、文化的背景やコミュニティの特性を深く理解し、それぞれのメディアが持つ独自のコンテキストに合わせて「個別に積み上げる」発想が求められています。多様なピースを有機的につなぎ合わせる、いわば「編集的」なアプローチこそが、メディア戦略の新たな基盤となります。
人材環境も同様にフラグメント化しています。巨大エージェンシー同士の合併による余剰人材の流出、独立系エージェンシーや異業種プレーヤー(コンサル、デザインファーム、イノベーション系スタジオ)の台頭、さらにクライアント企業自身がクリエイティブチームを内製化する流れが加速し、競合関係は「大手vs大手」という単純図式から大きく逸脱しました。今や「リンゴとリンゴ」ではなく、「リンゴと手縫いのイタリア製革靴」を比べるくらいに、質的にもカテゴリー的にも異なる存在が同じ土俵に上がるのが当たり前の時代です。
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