癖になる味:まずくて高価格なロングセラー商品から「固有の体験」の重要性を学んでいます。第一三共ヘルスケア クリーンデンタルのお話。味覚と視覚が効いている統合マーケティングでブランド化しています。
「心地の良い体験」がブランドづくり(企業と顧客の価値の共創)にとって大事ということをまとめてきました。
これもある種の言葉のチカラによるものだと思いますが、「心地良い」ということでついつい「甘い記憶」的なものに支配されていたことに気付かされた記事です。
心地良い体験はValueですので「固有」ものである必要があります。
実はクリーンデンタルについては僕が愛用している商品です。
ヘッダーの写真は自分で撮りました。
最初に種明かしをするのは商品に思い入れ(バイアス)があるので、適切にまとめられているかどうか、気になったためです。
それを前提にお読みください。
9月20日のYahooニュースです
第一三共へスケアのクリーンデンタルについて取り上げています。
ロングセラー商品ですが、2022年度は前年比112%で好調です。
こちらが商品サイトです
特別なキャンペーンは行っていません。
役所広司さんを起用したクリーンデンタルプレミアムの告知を中心したTVC Mを中心とした広告展開が行われています。
*以下のリンクはちゃんと役所さんのTVCMページにつながります。お試しください。
豊富なライアンアップですが、赤いパッケージの「トータルケア」が名実ともにライアンナップの中心です。
まずい味(歯磨き粉として期待しているものと異なる味)
「塩」味が強く、独特です。
僕は妻に勧められてトータルケアを使うようになりました。
確かに初めて使った時「???」となったのですが、まずいというよりも期待していると異なる味でした。
何とも言えない清涼感があります。
商品と体験の結びつきの観点ではこの違いの答えを探したくなるという動機が働くのかも知れません。
歯を磨きを進めると、歯の表面がツルツルした印象が出てきたり、歯茎に効いている感じがありました。効果効能を実感できるのが早かったです。
口をすすいだ後のスッキリした感じですが、これも一般的な歯磨き粉と異なります。
この一連の味覚を中心とした「クリーンデンタル体験」が新鮮で結果的にクセになって、継続使用しています。
リピーターが多い
味に意味がある(Reason To Believe/Buy)
詳しい開発ストーリーはこちら
*ちゃんと開発ストーリーにリンクしています!
「潔い選択」
記事にあるライターさんの言葉です。
鋭い分析です。
プロダクトの価値は「汚れをしっかり落とす」ということ、それを際立たせるために「落とすこと・落ちたこと」を実感できる味(それを裏付ける成分を知覚できる味)を設定したのは非常に合理的です。
あえてand選択(しっかり落とす+美味しい)ではなく、「しっかり落とすための味」を優先的に選択したことでよりValueが明快になりす。
そして味覚を決定したことでターゲット顧客(価値の共創者)がはっきりしてきます。
歯周周りや口内環境で特別なモノやコトを求めている人がターゲットです。
白さ、口臭など美容的な要素よりもより先進的な予防ケアに課題を設定している人たちです。
万人のためのものではないということです。
後述しますが、万人のための商品ではないことは価格にも反映されています。
まさにクリーンデンタルの使用感同様Value周りは「スッキリ」です
味の意味づけはターゲット(Valueの共創者)の選択でした。
もしかしたらクリーンデンタル愛用者の「味覚のクラスター」で別の商品・サービスとのブランドエコシステムが作れるかも知れないと想いは膨らみますが、これは広告代理店の浅知恵なので今回はお話しません。
情報のタッチポイント、その入り口は?
商品とお客さんとの最初の接点を「歯周病」を出発点にしています。
僕は歯医者さんで定期的な歯周病検診をするようになってから歯磨き粉を気にするようになりました。
歯磨き粉自体はドラッグストアの店頭で買うものだと思いますので、広告には反応しませんでした。
妻からの推奨(その妻も友達に勧められました)がきっかけです。
推奨を引き出すことにも「味」と「使用感」が機能しています。
まさにストーリーがあるプロダクトということになります。
社会的な背景を味方に
マーケティングを展開する上で非常に重要な要素です。
社会と向き合うことはマーケティングやプロモーションには欠かせません。
本件に限らず「コロナによるパンデミック」前後での社会と行動の変化をしっかり捉えておきたいですね。
コロナでの意識変化と行動制限
記事では意識の変化について言及していますが、コロナ環境で歯医者さんに行けないこともありました。
歯周病を気にする人ははの定期点検を欠かさない人が多いように思います。
*ちゃんと調べてみたいですね。
歯医者に通えないという行動制限が「予防意識」を後押ししたかも知れません(サンプルが自分だけですが…)。
家族構成の変化
これもかなり大事なポイントです。
は今後いろいろな商品・サービスで目立ってくるでしょう。
我が家においては「子供用(幼児向け)歯磨き粉」を用意する必要があったことから、逆説的な言い方になりますが、大人たちの選択肢が増えました。
個・個人をマーケティングとしておかける動きは行動・購買データの充実などで加速します。
テレビでさえも世帯から個人視聴率重視に動きます。
健康意識と社会制度的な背景を梃子にさらに前進を
歯周病対策をビジネスの課題に設定しています。
歯周病対策を課題に抽出
HPでも歯周病情報については書かれていますが、割と一般的な印象でもあります。
第一三共ヘルスケアのValueは?
ValueをさがすためにHPを拝見しました。
Core Valueについての記載がありますが、僕が考えるマーケティングとしてのValue(顧客と共創する固有の価値)は「私たちの宣言」にありました。
私たちの宣言
独創的な発想でセルフケア推進の先駆者になります
科学的に根拠のある品質を大切にし続けます
製品と情報の届け方を生活者の視点で追求します
将来世代の環境を守り 生命にやさしい社会の実現に貢献します
多様な働き方を尊重し 活力ある会社を築き上げます
「独創的な発想でセルフケア推進の先駆者になります」「科学的に根拠のある品質を大切にし続けます」と「製品と情報の届け方を生活者の視点で追求します」はValueそのものです。
上述した「課題設定(歯周病対策)」が掛け算となって社内外の共創者とのインタラクション・チームワークが続きます。
プロモーションはどうあるべきか?
上述のように現在はプレミアムカテゴリーについて役所さんを使った広告展開をしているのみのようです。
マーケティングミックシス上はプロモーションがあまり必要がないということかも知れませんが、流通(Place)については慎重に対応しているのではないかと推察しています。
買う側(顧客)としてはドラッグストアを中心とした店頭で手に入れるだけですが、店頭に並べるまでの競技の意味でのプロモーション(流通対策)として広告投下をしているはずです。
流通を刺激することは顧客とのリーセンシーにつながります。
流通対策は現在、有名タレントと投下GRPによって棚を維持する作戦を持ってプロモーションにしています。
タレント選びは大事なポイントです。
ターゲット顧客との兼ね合いもありますので、Relevancey(自分との関連性)を切らないタレント選定を行っていますね。
ミドルファネル重視です。
さすがのアプローチです。
パッケージの重要性
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