パレスチナの音楽フェス ー開場そして出会いー

監視塔を横目に会場の前に車を停める。

じゃあね、楽しんで!僕は帰って家でテクノ聞くわ。

ありがとう!

これはパレスチナあるあるなのか、アラブなのか、宗教なのかよくわからないけど極めて私にはパレスチナでよくある出来事で日本では一度も経験したことがないヒッチハイクで会場まで到着した。まだ陽は明るい、思ったより早く着き会場はオープンしているものの、人はまばらだった。

 受付でiPhoneに収めているe-ticketを見せるとパスポートがもらえる。これが入場券となるのだ。そして入り口へ行くと、イミグレーションでパスポートにスタンプをもらうのを模していて手の甲と受付でもらったPAM fesのパスポートにスタンプを押してもらう。

オープンしているにもかかわらず会場内はまだセッティングの途中だった。ドリンクもフードもまだまだ準備中。さて、どうする。

少しずつすると、ケバブ屋やビールサーバーなど準備も着々と進み、ステージにもDJが登場する。
狭い場内に炭火で焼かれたラム肉の煙がもくもくと広がり食欲を刺激する。

会場はステージ側と休憩というかキャンプ場の小さいのみたいになっているところがあり、段々に長イスが設置してある。音楽始まるまでそこに座って眺めていようと思い空いているイスに腰をかけた。

やあ、一人で来たの?
こんにちは。そう。一人で。日本から来てて旅行中なのよ。

声をかけていたのは少し空いた同じ列に座ってた一見強面の体格のいいスキンヘッドの男性だった。手にはコーラを持っていた。

ワッラー、日本から?ようこそ。なんでこのイベントに?初めてパレスチナに来たの?
8回目のパレスチナよ。フェスは初めてだけど。

彼はサイード。このフェスの警備員を仕切っていた。トランシーバーで何から話しているがアラビア語なのでほとんど意味はわからない。

そうか、パレスチナが好きなんだね。よろしく。何かあったら僕に言いなさい。

警備服を来た男性が両手にドリンクやケバブサンドを抱えてやってきた。

はい、これ君の。お腹空いてたらケバブも食べていいよ。

サイードはトランシーバーでわたしの分のドリンクも持ってくるように部下に指示を出していた。そしてドリンクはわたしの苦手な甘い炭酸のものだった。

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