資金調達のリアル
※本記事は一部フィクションを含みます。
こんにちは多田です。クラフトビール独立アカデミー第2回目のテーマは資金調達のリアルです。今回のnoteに関しても、あくまでもクラフトビール開業の方向けになっております。私の体験談なのでご理解ください。それでは早速中身へ。
そもそも資金調達とはなんだろう
大きく分けると2つ資金調達の方法があります。①融資か②投資を受けるかになります。今回は①の融資のお話です。
融資、投資いずれにせよ金利なのか株なのか、お金をいただく方に返さなくてはいけません。そのため資金調達はお金を預かる感覚の方が近いと思います。
「よくわからないけど最初は大きいお金が欲しいな」ということを考えてはいけません。自分の身の丈を考えて必要なお金を計算しましょう。結論、私の場合、以下のように融資いただきました。
①新創業融資制度(日本政策金融公庫):500万円
②創業支援資金(杉並区):500万円
③新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融公庫):500万円
ビアバー、酒屋向け事業計画の作りのポイント
それでは実際に必要なお金を計算するために事業計画を練りましょう。まずは「事業計画」とググれば、freeeあたりのコラムが出てきますので大枠参考にしてください。
私が事業計画で壁に当たったのは貸借対照表と損益計算書です。事業を始める想いとは別で、きちんと事業として成り立つと数字で根拠を示す必要があります。そしてその根拠を元に「〇〇円のお金が必要です」と金融機関などに言い切りましょう。
小難しいテクニックは省いて、事業計画作りのきっかけとして後述のようにしていくと、とっつきやすいのではないでしょうか。仮に本試算に出てくるお店を「多田酒店」とします。まずは多田酒店でいくらの儲け(利益)を得たいのか考えましょう。
・売値:430円
・仕入値:300円
・粗利益:130円
※ビール1本あたり
次に1日あたりいくらの粗利益が出るかを考えましょう。
・購入人数:30人
・1人あたりの購入本数:3本
・粗利益:11,700円
さらに1ヶ月でいくらの粗利益になるかを考えます。
・平日の粗利益:245,700円(21日間とする)
・休日の粗利益:210,600円(9日間とする)
・平日、休日合計の粗利益:456,300円
※休日は平日の2倍の来店人数
上記の粗利益を達成するために必要な費用を引いて、営業利益を出します。
・家賃:100,000円(商店街の路面店)
・人件費:300,000円(従業員は自分だけ)
・広告費:10,000円(チラシ、MEO)
・営業利益:46,300円
※1ヶ月あたり
今回の試算では1ヶ月あたり46,300円の儲けが出ました。それではこのビジネスを始めるのに必要な費用(初期投資)はいくらになるでしょうか。
・敷金、礼金:800,000円(家賃8ヶ月分)
・工事:3,000,000円(内装、外装、水回り、厨房)
・設備:1,000,000円(冷蔵庫やレジなど)
・初回仕入:1,579,500(1.5ヶ月分)
・初期資金合計:6,379,500円
このビジネスを軌道に乗せる(損益分岐点を超える)までにかかる運転資金はいくらになるでしょうか。
・1ヶ月目の営業損失:257,900円(赤字)
・2ヶ月目の営業損失:212,270円(赤字)
・3ヶ月目の営業損失:152,951円(赤字)
・4ヶ月目の営業損失:75,836円(赤字)
・5ヶ月目の営業利益:24,431円(黒字)
・1〜4ヶ月目の営業損失合計(運転資金):698,957円
※初月の来店人数を1日あたり10人と仮定し、毎月1.3倍ずつ増えるとする。
初期資金と運転資金を合計すると、多田酒店が開業に必要な資金は700万円強であることが算出されました。これらの考え方を貸借対照表と損益計算書に落とし込んでプレゼンしましょう。
事業計画を作るのは資金調達にも生かせますが、場合によっては免許取得(第1回:酒販免許のリアル)などにも活用できます。また、「事業としてやる必要があるのか?」と考えるきっかけにもなると思います。やりたいことが事業として難しければ、趣味程度に留めるのがよいでしょう。
「来店人数が最初どのくらいになるかわからない!」という方は第9回:これだけやればOK!広告費ゼロ円の新規集客施策(4/9更新予定)にて触れますのでお楽しみに。
補助金や助成金は積極的に活用しよう
8月。私はボトルショップを開業するために必要なお金を計算しました。すると冷蔵ショーケース(独立型)に100万円程度かかることがわかりました。そこで活用したのが東京都環境局の省エネ型ノンフロン機器等普及促進事業の補助金です。
これにより冷蔵ショーケース購入費用の3分の1は東京都が負担してくれました。約30万円が補助されています。利益額で30万円稼ぐのは容易ではありません。助かりました。補助金や助成金の情報は流動性が高いです。要チェックしておきましょう。
最後に
金融機関での融資は必ず面接があります。面接のイメージはYouTubeなどで模擬面接動画がたくさんあるので見ておくといいです。見るポイントは質問項目です。どんなことを聞かれるかを予測して、事前に問答集を作りましょう。
皆さんの参考になれれば幸いです。個別で相談にも乗っています。良かったと思う方はTwitterとYouTubeやってるのでフォローしてくれると嬉しいです。あとお店の方にも来てね!
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