見出し画像

全粒粉という魔物

多肉植物の生命力に驚かされる日々です。こんにちは、Threebread店主です。

みなさんは小麦粉や粉の種類をどれくらいご存知でしょうか。強力粉、薄力粉、全粒粉、ライ麦粉、、これらはメジャーな粉たちで、最近は米粉もかなり勢いをつけています。

実は今挙げた粉たちを始め、粉関係はかなり細分化されています。
例えば、
・外国産
・国産
・石臼挽き
・全粒粉
などがある上に、それぞれに銘柄があります。

その中で、特に店頭でのお問い合わせが多い全粒粉についてお話ししたいと思います。なかなか複雑なので、ご興味あればスクロールを続けてくださればと思います。

全粒粉とは

そもそも全粒粉って何ということですが、皮ごと製粉して粉にしたものをいいます。だから皮の茶色っぽい色をしています。
よくお米で例えるなら玄米ですよいわれるのは、皮が付いているからです。

皮の栄養もそのまま食べることができるので、カロリーはそこまで変わりませんが、栄養価が高いです。


全粒粉にも種類がある

小麦を製粉するときの粒の大きさに種類があって、目的に応じて使い分けることができます。便利。

種類としては粗挽、中挽、細目などがあって、見た目でも分かるほどの違いがあります。
この3種類は、同じ分量でも全然違うものが出来上がるので、作り手の趣向がかなり出る粉かなと思います。

ちなみに当店は、外国産細目と外国産石臼挽きの2種類を使っています。細目は小麦粉と変わらないサラサラした感触、石臼挽きはザラザラした存在感のある感触です。

左:全粒粉 細目
右:全粒粉 石臼挽き


ついでにご紹介すると、グラハム粉というものもあります。グラハムクッキーおいしいですよね。
こちらも皮ごと製粉した粉ですが、検索したところ日本では定義がないようです。

見た目の粒子としては大きく固く、食べるとプチプチした食感があります。私の印象では、パンに使うには食感重視の材料かなぁと思っています。

変わり種、ライ麦全粒粉

ここで私もかなり驚いた粉、「ライ麦全粒粉」なるものもご紹介します。

ライ麦なの?全粒粉なの?って頭が混乱しますし、私もしました。

全粒粉の定義を思い出すと、「皮ごと製粉したもの」でした。ということは、ライ麦を皮を剥かずに製粉したものがライ麦全粒粉。
冷静に考えると分かりますが、目から鱗というか、思いがけない種類の粉です。

私たちが普段見ているライ麦粉は、いわゆる小麦粉と同じ、ライ麦の粒の中身だったということです。ライ麦粉はわりと濃い色なので、皮が付いていないと認識しづらいです。

全粒粉100%のパン

ライ麦愛好者には、ライ麦の割合が多いほどおいしい!と思う人も沢山います。
では、全粒粉ではどうか。

全粒粉100%でパンを作るには、専用の粉が必要です。全粒粉は皮がある分グルテンができにくく、こねあげるのが難しいからです。
専用の粉は、細かく製粉されているのでパンとして十分なグルテンが出ます。以前試食したことがありますが、ちょっと苦味があって風味がいいのですよね。

でも残念ながら当店では作る予定はありません。もし万が一気が向いたときは、ちゃんとお知らせして作りますね。

通常、全粒粉のパンといったときは粉の割合で数%から数十%程度使っているのが一般的かなと思います。これでも十分、その風味があるパンができます。全粒粉に限らず、おいしさに重要なのは割合ではなく、その使い方だと私は考えています。

『全粒粉とブラン』
全粒粉、ブラン(小麦の皮)を使っています


全粒粉という言葉は認知が進んでいますし、好きな方も多いです。でもその実態はあまり知られていなく、その世界には沢山の種類があります。まさに森の奥から次々と登場してくる魔物。

ですがここまで説明してきて申し訳ないのですが、当店ではライ麦を使ったパンが多く、全粒粉は出番が少なめです。
毎回は作れないのですが、渾身の全粒粉とブランを沢山食べていただけると嬉しいなと思います。

様々な種類のある全粒粉、スーパーやパン屋さんで見かけたら、その様子を観察して食べてみてください。きっととても美味しいはずです。

いいなと思ったら応援しよう!