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サワードゥのカンパーニュ…?

最近、握力がさらに強くなった気がしています。こんにちは、Threebread店主です。
今回は疑問に思っている、そして解決する方法も分からないカンパーニュについて。お付き合いくださいませ。


カンパーニュってどこのパン?

カンパーニュと聞いて、実物を見て、みなさんどこの国のパンだと思いますか?
正解は…フランスのパンです。

よくドイツのパンだと誤解されるのですが、「ニュ」という発音、ドイツ語よりフランス語っぽくないですか?というと納得されることが多いです。

発酵させる時の発酵かごも、バヌトンと呼ばれる、フランス式の布が張られたものを使います。
ちなみに当店は、布を張らずにかごの模様をそのまま出したカンパーニュを作っています。布を張らないのはドイツ式の使い方です。ちょっとややこしいです。

かごの模様そのままの
当店のカンパーニュたち


SNSで

SNSによって、世界で作られているパンが簡単に見られるようになりました。もちろん日本のものも。
そこで見かけたパンの疑問があります。本日の議題『サワードゥのカンパーニュ』の存在です。

サワードゥというのはドイツで使われる酸味のある発酵種、サワー種のことです。少なくとも日本では。
日本でも、外国でも、サワードゥのカンパーニュとして紹介されているパンが散見されます。

私は、サワードゥを使ったらドイツのパンではないかと思うのです。
ドイツでは、カンパーニュと似たパンに、ラントブロートというものがあります。日本語訳は両者とも同じく「田舎パン」となっています。だから、私はそこはカンパーニュではなく、ランとブロートではないかと思うのです。

くるみのカンパーニュ


パンの名前

カンパーニュかラントブロートか。なぜ呼び名にこだわるのかって思いますよね。

パンの名前は、私は材料で決まると思っています。形や製法というのは、作り手によっていくらでも変えられるからです。いや、選択できると言った方がいいですね。対して、絶対に変えられないものが材料です。

だから、ドイツの材料であるサワードゥを使っているのらば、製法がどうあれラントブロートというのが正しいのではないかと。

とここまで書いて、サワードゥのカントリーブレッド、と言われたら私も違和感がないのかもしれないと思いました。
言葉のマジックというか、「カンパーニュ」という言葉に惑わされているのかもしれません。

焼き上がったばかりのシュトーレン
ドイツのパンです


フランスにサワードゥのカンパーニュがあるのか確かめに行きたいのですが、易々とできないのが問題点です。フランスの人も酸っぱいパンを食べているのだろうか、と思う度に私の中のフランス人像がやめてー!と言っています。

もしフランスにそれがあるなら、そしてそれがカンパーニュと認められているのなら、この疑問は愚問に変わります。
もしかしたら、フランスもドイツに近い地域なら、酸味のあるパンを食べているのかもしれません。

私の疑問が解決する日は来るのでしょうか。もしご存知の方がおられましたらご一報ください。
今日も世界で作られているパンたちを見ながら、さまざまな国に思いを馳せる店主です。

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