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【詩】おかしな釣り人
初めから 意味なんて、なかった。
それでもぐるぐる回る恒常的な自転は地球ではなく実は、
自分の頭だった!
つぎはぎだらけの履歴、支柱のない理想、そんなものに
希望は、あるのだろうか?
あえて言うならば 今日は天気が良かった、それだけのことだ。
日本人はこの釣り餌のように悲劇的で、でも
おかしな位に「幸せ者」だ。
僕はせいぜい
行きは地下鉄の雑踏に潰れたのだから、帰りに古本屋へでも寄ろう。
あとは夕日が沈む海をこうして、ただ眺めるだけでいい。
眺めるだけでいい。
眺めるだけ。
眺める。もう、怒りなどいらない、もう悲しみなどいらない。
そうやって夜は少しずつ、僕を怪しげな世界へと いざなう。