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【ネタバレ】夫にねだられたからジークアクスの感想を書いた


まずは状況説明から

私は普段BTS(バンタン)というグローバルスターを推している一介のオタクなのですが、先日ガンダムオタクの夫に、
「どうしても感想が聞きたいから一緒に行こう」
とガンダムの映画に連れて行かれました。

私はガンダムについてはオタクとしての基礎教養くらいしか知らなかったのですが、結婚した後「初代から行こうね」って大量にあるDVDを見せられ、養殖ガノタに育ちました。
富野適正がなかったので、一番好きなのはGガンダムです。

「BTSと日本文化④:ガンダム」より

というわけで、映画見て浮かれた夫におねだりされたので、感想を書きたいと思います。BTS一筋のnote人生だったのに……!
というわけでいつも読んでくださってるアミヨロブン、今回はバンタン出ませんのでよろしくお願いいたします。これも家族サービスの一環です。

ネタバレしかなく、かつオタクじゃない読者を考慮していない感想なので、大丈夫な人だけ読んでください。オケ?


映画「機動戦士Gundam GQuuuuuuX Beginning(以下、ジークアクス)」感想

制作:スタジオカラー・サンライズ
原作:矢立 肇・富野由悠季(ガンダムの生みの親・ザ☆トミノ)
監督:鶴巻和哉(庵野監督と「トップをねらえ」作った人)
シリーズ構成:榎戸洋司(少女革命ウテナの人)
脚本:榎戸洋司・庵野秀明(ウテナの人とエヴァンゲリオンの生みの親)
キャラクターデザイン:竹(ポケモンの人)
メカニカルデザイン:山下いくと(エヴァンゲリオンの人)

メインスタッフ

映画の構成

映画の構成としては、前半は「映画来てくれてありがとう! もう一回見てくれよな!」と言いつつやりたいことをやったお楽しみ編で、後半(5年後)は「TVシリーズ待っててね!」な次へのつなぎ、という印象です。
要するに「初代アニメのパラレル総集編+TV新シリーズ予告編」。

【今回の話を雑に要約】
前半:
シャアがガンダムを起動させ、木馬まで持ち帰ってしまった世界。
「ジオンの赤いガンダム」のおかげで一年戦争の結末は変わりましたが、謎のキラキラによりシャアはガンダムごとどこかへ消えてしまったのでした。バディのシャリア・ブルは彼を忘れられません。
後半:
二人の女の子が出会ってバディになります。そこへ赤いガンダムに乗った謎の男の子が現れました。終わり。

多分大体合ってる

前半は「あの時アムロがガンダムに乗らなかったら」から始まるパラレルワールドになっており、シャア無双状態で面白かったです。
とりあえず、出だしで馴染んだナレーションとSEが響いた瞬間、「シン・ガンダム」でしたか?と反射的に腰を上げたオタクは多いはず。さすが庵野、やりおる。

後半は、TV編がまだ形になってないためどうにでも転がれるような作りになっており、いい感じに情報がないですね。おかげで、私の感想もあまりないです。

おまえらTVシリーズは余計なこと考えず待っとけ、この美味しい餌をやるから死ぬほど噛んでおけ!
というメッセージを感じました。下手に突っ込まれると始まる前にネタに辿り着かれるから、撒き餌で引き寄せておく作戦?

前半めっちゃ噛み応えあるのに、いくら噛んでも後半には影響しない構成が素晴らしいですね。TVシリーズへ続ける劇場版としては、ベストな作りじゃないでしょうか。
うちの夫みたいな生粋ガノタは、「前半だけ倍にしてくれたらそれでいい」って言いだしそうですけど。

メカデザイン

人型MSが皆EVA体形になっており、ウェストができてるのには笑いました。元の四角いガンダム知ってると、計量前のボクサーか!って突っ込みたくなりますね。
ザクもガンキャノンもくびれができてるから、「ボトムがセクシー」「骨盤大き目」とか今まで思いもしなかった感想が出ます。

体形が変わったおかげで、関節が自由に動く感じがあるのはいいですね。旧作は「この金属、柔軟すぎる!」って印象が否めなかったけど、今回のMSは格闘しててもカッコいいです。
冒頭でガンダムが初めて起き上がるシーンでは、胸のあたりが肋骨に見えるから、排気が「どこから何出した」感ありました。そこはお約束だから、しかたないよね!

「赤いガンダム(ビットつき)」は笑いました。ビットの燃料足りなくなってましたが、あれ使い捨てなんですよね?
赤いガンダムだと小さすぎて推進剤補給もできないし、でっかい鉄砲玉状態なんだと思ってます。通った後にあれがゴロゴロ転がってるのか……。

ガンダムの色は塗り替えるわ技術革新は進むわ階級は爆上がりだわで、ニュータイプ高級将校・シャアは軍にすごく大事にされてる感があります。さすが民間人上がりとは扱いが違う。
いいとこ全部シャアに詰め込みます!今回シャアオマージュなんで!っていうスタッフ(多分庵野監督)の声が聞こえます。

ジオン軍にお持ち帰りされた木馬が、「これは強襲揚陸艦だから!」とか言いつつソロモンに突撃し、前足で外壁ぶち破ってたのは笑いました。そうか、あれはスフィンクスじゃなくて破城鎚だったんですね!

あ、そうそう。ビグザムが量産されてました。これでかいはずなんだけど、宇宙だからサイズ感わからないんで、大量にいるとビックリドッキリメカみたいだよね。ビグザム♪ ビグザム♪ みたいな。連邦側はキャノン♪ キャノン♪の大群で対抗かな。弱そう。

ストーリー感想

とりあえず気になるのは、if世界のキャラクターたち。
出遅れたアムロはガンダムにも乗らず軍にも入らず、ヒキオタとしてハロの拡張機能でも開発しながら、一般人として生きたんでしょうか。テム・レイ元気だから、コネで就職できたかもしれませんね。

シャアがホワイトベースの艦橋壊した時、微妙に尺が長くて溜めを感じましたが、あれはやっぱり「今ブライトさん逝きました」っていうメッセージでしょうか。
富野監督が作ったら、落ちていく人影くらいは入れただろう、という妄想で夫と盛り上がってすみません。

アムロがいないので、ニュータイプ適正で順当にエース格になってしまったと思われるセイラさん、ガンダムハンマーであんなとこまで行くの無謀じゃないでしょうか。
軽キャノンに乗ったセイラさんにボコられるドズルを想像したら涙が出ますが、まあ量産型だから一騎打ちじゃなくてワラワラたかられたのかもしれない。戦いは数ですからね。

グラナダが無事だったし、ザビ家もドズル以外生きてるので復興できちゃいますね。アクシズ行きもなくなって、ミネバもハマーンも曲がらず育ちそう。

今回の主人公はマスクの人?

そういえば私は富野世界の男女関係と気が合わないんですが(エキセントリックな女子とマザコン男子が多すぎて)、今回はシャアの周りに女がいません!( ゚Д゚)

女どころか、ガルマも退場済みでこじらせる相手がいないため、なんか今回のシャアはすくすく生きています。
「チャンス! 行こう!」「新型MS! もらおう!」「木馬もいっちゃう?」みたいな元気の良さ。声も素直なんで、いい意味で坊やっぽいですね。そりゃ、「もう脱出しなきゃいけないのにシャアがいない?置いていけ!」判断されるなって感じです。

ジーンの機体が整備不足で代わりにシャアが出たって話してましたが、そんなネジ取れたくらいのことでシャアがひん曲がらず生きれるとか、すごい世界線です……!

妹に会った瞬間、うっかり時が見えて異世界転移しちゃったのには、笑いました。
あのキラキラはやっぱり、別次元のララァに呼ばれたんでしょうか。今回いないと思ったら時空を超えて干渉してくるとか、これだから富野製地雷女は怖い(あっ)

真のキーパーソン

むしろこじらせてるのは、昔はモブだったシャリア・ブル。
「私につけ」ってメフィストフェレスみたいに囁くシャアの手を握った後は、ずっと息をするようにシャアの話しかしないシャア担に堕ちてます。
こいつはヤバい。ニュータイプの絆は電磁磁石のごとし。シャアはシャリア・ブルにとってのララァなの!?(混乱中)

シャアとシャリア・ブルが二人でウキウキとソロモンへ突っ込んでいくシーンは、「トップをねらえ」のノリコとお姉さまを思い出しました。
あの飛び方といい演出といい、何ならセリフ運びまで……あれは意図的でしょ、と夫と合意しています。「トップをねらえ」シリーズ監督やった庵野&鶴巻コンビに作らせたら、そりゃやるよね。

シャリア・ブルは水色の髪に下まつ毛まで増毛されてて、昭和顔を限界まで残した他のキャラに比べると違和感のあるかわいこちゃんぶりを発揮しており、ビックリしました。えっあなた、ゲスト出演の老人Aやったやん。

どうした!?と思ってたら、後半にも登場してて、落差のあるキャラデザ(新キャラのデザインがポケモンの竹さんなので令和顔)を繋ぐ役割になってました。
それによって話も繋ぎ止められてるから、真のキーパーソンはこの人と言えましょう。

ビフォー(Google検索結果スクショより)
アフター(『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)-Beginning-』本予告より)

最後、車の中で「ケジメをつけた」らしいんですが、身分証返して辞めたってことなのかな。これでのびのびシャアを探しに行ける!展開なら、TVシリーズは出ないかもしれないですね。
最終話にちらっと姿見せるか見せないかくらいでも、いいんじゃないでしょうか。生涯魂をシャアに縛られるシャリア・ブル、ありだと思います。今回のヒロインは君に決めた!

後半はあまり言うことなし

前述したように、どうにでもなりそうな感じなので、感想は保留中です。
戦争難民ネタも、昔「戦災孤児がロボットに乗って」系のアニメが山のようにあったので、そんなものかな感。
警察車両が黒ザクで、白黒だったらパトレイバーなんだけどなあと思いました。

漢字入っててカッコいい(『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)-Beginning-』本予告より)

後半で頻出する用語「マブ」の説明はされてた気がしますが、悪いけど「マブダチ」じゃなくて「イロ」に近い方の「間夫」にしか聞こえません。
前半はシャアとシャリア・ブルがマブということもあり、わざとか!?と疑っています。

唯一にして最大の謎は、「あの男子(シュウジ)は何なん?」ってとこですね。
水星の魔女的ポリコレ百合展開に転がり込むのかなと思ってたのに、できれば少女革命ウテナ展開に行ってくれたらいいのにと願ってたのに、そこでまさか男子来るとか母さん聞いてないわよ!?

しかもこの子、ガンダムから声が聞こえるらしいんです。
ポケモン顔の女子*2で「トップをねらえ!」コンビ結成かと思ったら、カヲル君がシャアの溶けた赤いガンダムに乗って登場ってことですか!?( ゚Д゚)
私たちはいつまで庵野監督の自分探しを追いかけるのか。1周終わっても次の周回始まるだろうから、生涯学習コンテンツだなと思ってます。

庵野監督の優秀さ

途中、気になるところは全部「ガルマは退場しました」「ドズルは死にました」って教えてくれる脚本のそつのなさはすごいですね。
さりげなさすぎて一般人にはまったく伝わらないでしょうが、こちらとしては「オタクとしてわかってる人が作ってる」という謎の安心感を覚えます。

ところどころにいい感じの厨二台詞挟んでくるのも、宇宙世紀っぽさがあり、このシナリオには気合いを感じます。
庵野監督が光速で前半部分を書き上げて持ってきたらしいよと、パンフ熟読済みの夫から聞きました。「僕が考えた最強のガンダムif」ですね、わかります。

「シン・〇〇シリーズ」を見る度思いますが、自分を構成するオタク要素の全てを丹念に再解釈し、リミックスして放出していく庵野監督のスキルはすごいと思いました。
毒をろ過する高性能フィルターというか、「いいトミノ」を降霊しつつエンタメとEVAを加味する超優秀なイタコというか、「いいオタク」として稀有な才能をお持ちですね!

ちなみに、映画館で遠慮して安い方のパンフ買おうとした夫を「こういう時は限定版を買いなさい」とたしなめました。いい嫁です(自画自賛)
まあ、うん、ガンダムの限定版パンフ(インタピューと設定画集つき)とBTSリーダーの映画パンフ(ポスターになる帯つき)同じ値段だしさ。買いなよ、私も買うから。

子供の感想

夫が日曜の夕方にいきなり「今から映画行こう」って言いだしたから、子供も連れて行ったんですよね。ガンプラ作ったことはあるけどアニメは知らない、程度の子です。

案の定、読み取りが難しいシーンではポップコーン食べてましたが、キラキラからの穴あきコンペイトウに至ってはスルーしきれなかったらしく、「どうなったの?」って叫んでました。
「格闘シーンがカッコよかった」「好きなのは水色の人(シャリア・ブル)」らしいです。

「えっシャアじゃないんだ」って一瞬驚きましたが、彼よく考えたらそもそも顔も出してない謎言動の人で、実質主役ポジションということを差し引いても子供ウケしなかった様子。
ごめんごめん、お母さん池田秀一の声聞こえてたわ。そうね、一回くらい素顔見せてくれても良かったかもしれません。ド素人向けに(ひどい)

仕方ないから、次の日夕食時に旧作第一話を見せ、「これがモノアイって言うのよ。映画にもあったでしょ?」って順を追って説明しました。
私の説明をどう理解したのか、「主人公(アムロ)、ガンダムもセリフも取られちゃったんだね。かわいそうだね……」って神妙につぶやいてる姿がピュアで、悪いけどめっちゃ面白かったですw

後進の育成は夫がしたらいいのにと思いますが、オタクは好きな話だけするから教育に向かないのはわかってます。ここは母親スキルを上げた私が、広く浅く基礎教養を与えておきますね。

以上!

とりあえずそんな感じで、ウケながら家族で楽しみました。親が盛り上がりすぎて子供が多少引いてましたが、まあいいでしょう!
好きな人はもう行ったと思いますが、見たことない人は見るのもありだと思います。クレジットが流れる中、我慢できない!とばかりスマホ取り出してたオタクは落ち着いてくださいw

じゃあ、私はBTSの動画見なきゃいけないので、これで戻りますね。読んでくださった方、ありがとうございました!


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