見出し画像

【日本】イルアミフィルターで見るバンタン【韓国】


バンタン国のバンタン人

改めて言うまでもないのですが、私たちの推しは韓国人です。
見た目がかなりコスモポリタン風味ですし、こっちもバンタン国民として教育が進んでるので忘れがちですが。僕たち地球人。

韓国人ゲストに対し
「わあ、BTSと同じ言葉喋ってる💜」
などという感想が出てくる自分が怖い。
BTSでK-POP界隈に初遭遇して、以降それしか見てないから、「韓国語=バンタン語」みたいな感覚になってます。

「【Run Jin】感想まとめ:#04~#06【fromX】」より

私はバンタンの歌やパフォーマンスも、愛さずにいられない個性や関係性も、全部ひっくるめてお気に入りですが、彼らの中にある「異文化」も大好きです。ほんと興味深いです。

そして、バンタンの中にある「異国」に気づくということは、同時に、自分の中にある「日本」に気づくということでもあります。
今回は、バンタンを見ていて発見した、自分の中の「日本」について語ってみたいと思います。

私が「ヒョン」と呼ぶ理由

皆大好きな韓国語の単語に、「ヒョン(형=兄さん)」がありますね。BTSファンでこれ知らない人はいないと思います。
「テヒョンイヒョン」とか、最初聞いた時は長すぎるやろってびっくりしましたけど、今はすっかりお気に入りです。一日50回くらい言いたい。

これは男性から年上男性への呼びかけであり、女性が年上男性を呼ぶ時は「オッパ」です。
……という知識は一応頭に入ってるんですが、そして私は彼らより年上なのですが、それでも普通に「ヒョン」を使ってしまうんですよね。

これは、言語や文化を肌感覚で理解していないとか、「ヒョンライン」って言葉で一般名詞化されてるからとか、ごめん言いたいだけとか、言い訳はいろいろできると思いますw
しかしそれ以外にも、自分の中の「日本人」が影響している部分があるんじゃないかと思います。それはどこなのか。

マンネ目線で呼びかける法則

日本語には「家族の場合、一番小さい子の目線で話す」という法則があります。親が上の子を「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」と呼ぶやつです。

私はこれに馴染んでいるので、バンタンの場合だとマンネ目線でものを見ることに抵抗がなく、年上女性である自分が彼らをヒョンと呼ぶことにも違和感がないのではないかと思っています。
オッパと呼ぶのに抵抗がないイルアミは、かなりK-POP界の洗礼を受けてるんじゃないでしょうかw

この論法でいくと、日本人はグクをオッパと呼ぶより、グク以外のメンバーをヒョンと呼ぶ方が受け入れやすいのではないか、という仮説が成り立ちますね。一回ビッグデータ解析とかしてみたいです( *´艸`)

「ユンギさん」と「SUGA」の違い

日本語には人称が大変多く、どれを使うかで場によってペルソナを使い分けるという特徴があります。バンタンの翻訳でも「俺」と「僕」じゃ明確にキャラが違うと感じますよね。
この傾向が、呼びかけにおいても見られます。

Xなどでイルアミの書き込みを見ていると、呼びかけがめちゃめちゃ多いと感じます。私もやりますが、かわいいあだ名としてだけでなく、その時の文脈とか自分との距離感に応じたものを使うじゃないですか。

「ユンギさん」「ユンギ」「ミンユンギーー!」「SUGA」「シュガヒョン」「ミンシュガ」「🐱」など、レパートリーは多彩。同じ記事の中でも自由自在です。
これ、イルアミの書き込みの特徴だと思ってます。

余談ですが、「ユンギさん」って書いてる人を発見すると、「おっ」と正座してから読みます。なんつーか、深海の底から呼びかけるような決意を感じ取るから。勝手にすみません。

この表記揺れは検索にはものすごく向いてないのですが、ありがたいことに今は検索AIが進化しております。現代に生まれてきて良かった。
後はトレンド回収のアルゴリズムがもうちょっと賢ければいいのにな……!

8人目のBTSメンバー、キムソク・ジン出現の瞬間である

名前も同じく、別名(例:Agust D)・愛称(例:ミンシュガ)・本名(例:ユンギ/ミンユンギ)の各国表記に加え、ケミ名(ユニット名)も加わります。BTSは7人組だから、それが7倍。やばい。

「【AI】BTS名前多すぎ問題:検索と表記揺れ」より

お察ししない文化

最近改めて思ったのが、日本人はものすごい「お察し文化」だなということです。

言葉が内包する情報

私達が日々使っている言葉は、文化と分かちがたく結びついています。
韓国は儒教の影響を受けているため、「ヒョン」や敬語もそうですが、年齢による上下関係を表す言葉が多いですよね。なので、話している言葉を聞くと、社会的関係性(主に上下)が明確にわかります。

日本語の場合はお察し文化なので、察するための情報が多く含まれています。
例えば「〇〇さんがああ言ってた」と「〇〇さんにああ言われた」は同じ内容に見えますが、発言者の感情が違います。
前者は事実ですが、後者の場合は発言者への不満が感じられるわけです。

それが日本語の持っている「関係性の情報」であり、これを送受信することで、私たちはわざわざ「私は○○さんのことあまり好きじゃないんだけどさ」などという無粋な情報を口に出すことなく、共有できているわけです。

AIや日本語が母語でない人の文章を読むと、時々言葉自体は正しいのに状況が理解できないことがあるのですが、あれは「関係性の情報」がないので場の情景がわからず、情報不足と感じるからだと思います。

いつもの文脈で解釈してしまう罠

オタクは推しの情報を集めてストーリー化するのが大好きなのですが、そこで「推しは本当はこう思ってるはずなのに言えないんだ(もしくは、仲間のために黙ってる)」解釈が出ることがありますね。

あれ、わりと日本人がたどり着きやすい結論だと思います。私たちの文化は「察する」「空気を読む」ことが重要であり、「言いたいのにはっきり言えないもどかしさ」を誰もが共有しているから、納得しやすいんです。

しかしここで忘れてはならないのは、これは海外から「日本人て変わってるよね」って言われやすい私たちの文化的特性であり、韓国人はそうじゃない人が多いということです。
個人的に、侵略するされるを繰り返す大陸人は、「はっきり言わなきゃわからない」というスタンスが多いように感じます。

今のバンタンはかなり洗練されてますが、昔の動画とか見るとクオズは喧嘩しまくるしホビはガチギレするしナムさんは毒吐くし、皆わりと荒ぶっててかわいいです。←話の着地点を誤りがちなオタク

日本的な文脈でバンタンを解釈すると、彼らの本音を読み間違える可能性があるんじゃないでしょうか。誤読しないよう、自分の中のイルアミフィルターの取り扱いには留意したいですね!

以上!

人生に色んな楽しみを提供してくれるバンタン。
音楽や人柄で魅了してくるだけでなく、文化や言葉も含めて多面的に好奇心を刺激してくれる推し、最高です( *´艸`)
今回、普通に日本で生きている分には当然すぎて気づかない自分を発見できたのも、嬉しい驚きでした。いやー、ARMYライフ、楽しいですね!

よし、じゃあ次の動画見てきます。アミヨロブン、お疲れ様!

毎月「달마중(ダルマジュン=月見)」来ないかな


いいなと思ったら応援しよう!

音色
コーヒー一杯奢ってください( *´艸`)