【BTS/TIME】パンPD@会社について【インタビュー和訳】
出会いはTIME
これは、「TIME」誌に載っていたパンPDのインタビュー記事です。
会社のビジョンに関する記事で、あまり見かけない内容だったので興味を持ち、メモっていました(ちなみに2019年と同じインタビュアーさんです)。
ただ記事が非常に長く、自動翻訳ではかなり読みづらかった上(特にスマホからだと……)、Papagoのウェブサイト翻訳も上手くいかなかったので、AI検索「Perplexity」にご相談しつつポチポチ訳しました。
(ソン・ソンドゥク先生&PdoggPDインタビューと同じパターン)
というわけで、申し訳ないですが品質保証はしかねます💦
引用する時は、この記事へのリンクを貼っていただければと思います。
補足
※読みづらさ回避のため、適宜改行を追加しています。
※HYBEが韓国取引所に上場したのは2020/10/15です。
以下和訳。間違ってたらすみません。
HYBEのパン・シヒョクがBTSを支える会社のビジョンを語る
BY Raisa Bruner、2022/3/30 PM08:08 EDT(米国東部標準時(夏時間))
バン・シヒョクは、アーティスト、つまり作曲家として音楽業界でキャリアをスタートさせました。
しかし最近では、世界的スーパーグループBTSを生み出した韓国拠点のタレント事務所兼テクノロジー企業HYBEの創設者であり現会長として、世界で最も影響力のある文化企業の一つの舵取り役としての鋭い戦略とビジョンで知られるようになりました。
2020年に韓国の証券取引所に上場したばかりのHYBEは、現在95億ドル以上の価値があります。
TIME誌とのZoomを使った長時間のインタビューで、バンは自社の最近の進化、個人的な遺産—あるいはその欠如—に対する感覚、そしてHYBEの成功を支えてきた人々、つまりアーティストを支持し、彼らの作品に投資しているファンたちに対する責任について、自身の考えを語りました。
このインタビューは、明確さのために翻訳、要約、編集されています。
TIME: ここ2年間だけでも、HYBEには多くの変化がありました。Big Hit EntertainmentからHYBEへの社名変更、米国を拠点とするIthaca Holdingsなどの買収、そして韓国取引所への上場などです。ビジネスにとって最も変革的な変化は何でしたか?
ビジョンは変わっていませんが、そのビジョンを実現する過程で過去2年間に多くの変化がありました。
まず第一に、BTSという1つのチームを管理するレーベルから、様々なソリューションビジネスとアーティスト――我々が360度ビジネスと呼ぶもの――を管理する企業へと進化しました。
さらに、複数のIP(知的財産)企業を合併し、プラットフォームを買収しました。もちろん韓国をはじめ、日本やアメリカにも我々が「拠点」と呼ぶ場所を作ることができました。3カ国に本社を置くことで、地理的な拡大を達成しました。
上場はあなたのアプローチにどのような影響を与えましたか?
どの企業にとっても、上場はビジョンを追求するためのリソースを獲得する良い機会であり、会社の実績が社会的に認められる機会にもなります。
しかし一方で、市場が求める結果を出す義務があり、常に市場に監視されているという認識もあります。特に韓国では、市場が将来の潜在的価値よりも現在の数字や株価に左右されがちなので、これは難しい面があります。
時として、韓国では上場企業の義務がやや厳しいと感じることがあります。
また、市場の要求に合わせようとすると、ビジョンを追求するのではなく、短期的な瞬間瞬間の判断をしがちになり、長期的には必ずしも良い結果を生まない可能性があると思います。
上場当日、私はCEOのジウォン[パーク]にこう言いました。
「今日から、私は株価を見ないことにします。株価を追跡し、年間の業績を上げ、市場を満足させるのはあなたの仕事のようです。一方、当社の長期的なビジョンを提示し、時には市場の望むことに反して動くのが私の仕事のようです。」
市場が私たちをどう見ているかという点では――上場前のBig Hit Entertainmentは非常にベールに包まれた会社でした。何かクールなことをしているように見えましたが、多くの人は私たちが何をしているのかよくわかっていませんでした。
BTSという巨大なIPを運営する管理会社のように見えましたが、当時の韓国ではタブーだった大きなIPを買収し始め、同時に元々下請け構造だったソリューションビジネスを運営し、さらにはIT企業だと主張して独自のプラットフォームを作り、その分野で競争していました。
しかし、具体的に何をしているのかが見えにくかったため、人々は私たちがどんなビジネスをしているのか非常に興味を持っていました。上場して多くのことが文字通り公開されたことで、人々の理解は大幅に深まりました。
HYBEはまだ急速に動いているので、最近スタッフに強調しているのは、市場が今日理解しているHYBEは1年前のHYBEだということです。
「私たちはグローバルな舞台で全く異なることをしていますが、その理解がないようなので、その努力を優先してください」と彼らに伝えています。
率直に言って、SNSを通じて注目を集めることが物事を説明する早道になるかもしれないと思い、Instagramを始めました。また、私が誰と会っているか、何をしているかを視覚的に示せば、おそらく当社への理解を素早く深められるのではないかと考えました。
正直なところ、私個人的にはソーシャルメディアはあまり好きではありませんが、このInstagramアカウントを作りました。
HYBEが現在取り組んでいる革新的なプロジェクトにはどのようなものがありますか?
NFT取引所への参入を表明した際、市場は熱狂的な歓迎を示しましたが、ファンは懸念を示し、時には攻撃的な反応を見せました。
ファンの皆さんに言いたいのは、現時点では何も発表していないということです。懸念は十分理解していますが、どのような製品やサービスを提供するかについてはまだ議論していません。
実際、NFT取引所へ参入することにした理由の一つは、自社の利益に従って動くプラットフォーム企業ではなく、ファンの懸念に直接対応できるアーティスト管理会社である私たちが、これらの懸念に自ら対処できるようにするためでした。これらの懸念を反映できる方針や技術的対策についても多く考えています。
市場の迅速な要求を満たそうとしながら、ファンにより多くの価値と体験を提供するために最善を尽くしていますが、それは難しい場合もあります。
とはいえ、かなりの時間が経過しました。いくつか興味深いプロジェクトを進めており、近いうちにお見せできると思います。
そしてそれが実現した時、慎重に言いたいのですが、おそらく皆さんは「この人たちは私たちがなぜこれを嫌うのか理解していない」とは思わないかもしれません。
過去10年間で、世界の音楽産業は大きな変化を遂げてきました。現在、この業界が直面している最大の課題は何だと思いますか?
これは私にとって答えるのが難しい質問です。なぜなら、私たちの会社の構造がとてもユニークで、世界の音楽産業が直面している問題とはかなり異なる問題に取り組んでいるからです。
ビジネスパーソンとして、私は通常、自分が対処しなければならない問題に焦点を当てているので、世界の音楽産業がどのような課題に直面しているかについて深く考えたことはありません。
個人的には、音楽業界は価値提供プロセス(バリューチェーン)の中でかなり多くのものを失っていると思います。音楽業界はもっと多くのお金を稼ぐべきで、サービスとしての価値がもっと認められるべきだと感じています。
しかし、私の知る限り、世界の音楽業界はストリーミング市場の拡大を喜んでおり、音楽制作事業は追加収入を生み出すことができました。
多くのアーティストが、従来のレーベルやストリーミングプラットフォームの支払い構造に不満を感じています。HYBEはどのようにしてアーティストを満足させているのでしょうか?
ストリーミングサービスは、従来のアルバム販売方式と比べて、著作権者にかなり少ない金額しか支払っていないことは明らかです。そしてその金額は、アーティストに渡る段階でさらに少なくなります。
しかし、「これを短期間で改善できるか?」と問われれば、過去数十年のデジタル化の歴史を振り返ると、そう簡単ではないように思います。音楽を基盤に成長したプラットフォームが、その成功に音楽が果たした役割を考えると、音楽権利者に支払われる金額は比較的わずかです。実際の金額を知ったら気絶しそうなほど少ないのです。
では、これらの問題を一晩で交渉して解決できるでしょうか? それについては非常に懐疑的です。
解決策を見出すためには、業界自体に力がなければなりません。業界を成功させることを優先しなければならないので、私たちが今やっているのは、コントロールできる領域を拡大し、著作権者とアーティストの権限を確保し、マネジメント会社やレーベルの助けなしで自立できる人々のためのプラットフォームを構築することです。
NFT取引所やWeverseを通じて、人々は特定の形で音楽やeコマースを追求できます。このような方法で、音楽業界全体を再編成できると考えています。それによって、業界全体の評価を上げるべきです。市場用語で言えば、EBIT(利払い前・税引き前利益)やPER(株価収益率)を上げるべきです。
そうしてはじめて、ストリーミングや音楽制作事業に関する交渉力も上がると思います。
こう言うと、まるで私が全てを変えられる救世主のように聞こえてしまうかもしれません。実際のところ、こんな大それたことを言うのは少し気恥ずかしいのですが、正直にお答えしています。
それでも、私の主張はかなり理にかなっていると思います。韓国市場のエンターテインメント業界に対する態度は、私たちが上場してから1年で完全に変わりました。同様のことは世界的にも可能です。
また、他の音楽会社が私たちが提示している業界モデルを参考にしたり、競争したりすれば、業界全体の価値が上がると思います。それが私の見方です。
最後に、アーティストについて具体的に言及されたことについてですが、アーティストが権利を奪われていると感じたり、レーベルやマネジメントからもっと得るべきだと感じたりする場合、それは非常にケースバイケースだと思います。
状況によっては、そういった思いはもっともだと言えます。ただ、これはアーティスト自身が関係者と直接話し合って解決すべき問題です。
リーダーとして、どのような価値観があなたのビジネス判断の指針となっていますか?
私が決断を下す際に最も重要視しているのは「何故」という点です。
予想以上に多くの場合、人々はただ「これまでそうやってきたから」という理由で物事を行っています。業界がずっとこうだったから。アルバムはいつもこうやって作られてきたから。
私にはそれを受け入れるのが難しいのです。そのため、会社を運営する上で、私はいつも次のことに焦点を当てるよう心がけています。
何故これをやるのか? 何故我々の仕事はこのような構造になっているのか? この仕事の本質は何か?
そしてそれをスタッフに伝えるのです。個人的には、何をすべきかを決めるためには「何故」を知る必要があると思います。「どのように」については後で考えても構わないのです。
私は一般的に企業は良いものだと信じています。企業は社会に富をもたらし、社会の課題に価値を提供し、雇用を創出します。
しかし、このように言えるためには、その企業が社会が許容する範囲を超えて悪いことをしていないという前提が必要だと思います。
もちろん企業にとって生き残ることは不可欠です。私たちは営利企業であって、慈善団体やNGOではありません。ですが、企業である以上、社会のルールを守って運営すべきだと考えています。私たちの会社も例外ではなく、そのルールの範囲内で事業を展開したいと思っています。このことは、私が社員にもよく話しているポイントの一つです。
特に、私たちの製品やサービス、アーティストを愛してくれる人々がしばしば若い世代であることを考えると、感謝の気持ちを示し、企業として正しい価値観を提示することも私たちの責務の一部だと考えています。
HYBEでどのような遺産を残したいですか?
これは私にとっていつも最も答えにくい質問です。正直なところ、私は何かを残したいと思う人間ではないからです。
私がHYBEを去った後は、HYBEが独自の道を歩み、発展していくべきだと考えています。私がいなくなったからといってHYBEが傾くようなことがあってはいけませんし、かといって私の遺産を意識しすぎて進むべき道に迷うこともあってはいけません。
実際、私は自分の遺産について考えたことがありません。もっと格好の良いことを言えるかもしれませんが、「遺産」という言葉自体が私がすでにいなくなった後のことを指すのであれば、それはもう私ではなく、HYBEに残る人たちの責任だと感じています。