【和訳】パンPD「BTS7人との出会いが最大の幸運」【HYBE/BIGHIT】
パンPDの言葉を探してみた
何本かパンPDの記事を読んでみて興味を持ったので、もう少し考え方などがわかるものがないかと思い、ロングインタビューを探してみました。
その中で見つかったのがこれです。
申し訳ないですが、素人仕事なので品質保証はしかねます💦
引用する時は、この記事へのリンクを貼っていただければと思います。
※読みづらさ回避のため、適宜改行を追加しています。
※関連した内容の記事へのリンクを挿入しています。
パン・シヒョク「K-popからKを取り除かなければ生き残れない...このままでは成長の限界が明確」
イ・ソンヒ記者 story567@mk.co.kr
チョン・ジュウォン記者 jnwn@mk.co.kr
掲載:2023年11月7日 19:03:18 更新:2023年11月7日 19:11:34
パン・シヒョク HYBE会長インタビュー
「私はただのプロデューサーです」
防弾少年団(BTS)を生み出したパン・シヒョクに、あなたはプロデューサーですか、それとも企業家ですかと直接的に質問したところ、このような答えが返ってきました。生まれながらのプロデューサーだと。音楽を作ることが天職だと。
彼の才能を見出したパク・ジニョンと共にJYPエンターテインメントを創業し、K-pop市場のビジネスセンスを磨きました。そしてここから独立して会社を創業します。2005年にBig Hit Entertainmentとして始まった現在のHYBEです。
BTSの成功、さらにはパン・シヒョクの成功には、誰も思いつかず、追随さえできない彼独自の人生観があります。
2019年のソウル大学卒業式の祝辞で、彼はまるで20世紀の世界を風靡した実存主義哲学者のような言葉を述べました。
不満は怒りへ、怒りは使命感へ、そしてその使命感はイノベーションへとつながりました。彼にとってイノベーションはそれほど大げさなものではありませんでした。
イノベーションとは結局のところ、日常の小さな不便や不条理を解消することであり、それに対する方法論が積み重なれば、最終的に臨界点を超え、全く新しいパラダイムが生まれる、それだけのことでした。
そのような日常での小さなイノベーションを積み重ねた結果、韓国の小さな芸能事務所はいつの間にか時価総額10兆ウォンを超えるグローバルコンテンツプラットフォーム企業となりました。
EY韓英が主催する「EY最優秀企業家賞」で今年のマスター部門の栄誉に輝いたHYBEのパン・シヒョク会長に、龍山にあるHYBE本社5階で会いました。
周りに装飾品をほとんど置かない彼の性格のせいか、面積はそれほど大きくないが空間は広く見える彼のオフィスで約2時間近く行われたインタビューは、ソウル大学の祝辞の話から始まりました。
怒りに関するソウル大学の祝辞メッセージが今でも話題です。BTSの初期の音楽を見ると、本当に怒りが込められていたようですが。
BTSの初期は個人的には怒りがあったように思います。
当時メンバーたちにも、今の生活について話すべきではないか、君たちが生きている世界について話すべきではないかと言いました。君たちと同じ若い世代、あるいはもっと若い少年少女たちが今経験している苦痛について語るべきではないかと考えました。
BTSメンバーにパン会長の考えが注入されたのではないですか?
私が最も不快に感じるのは、事務所がアーティストに一方的に何かを指示したり、企画を立ててアーティストに合わせろと言うことです。HYBEではそのようなことはありません。彼らの意思と関係なく、私がしたい話を強要するのが注入ではないでしょうか。私はBTSとそのようなコミュニケーションをしませんでした。
実際、新しいトレーニング方法と練習生育成システムを導入しようとした時は、強い反発がありました。その反発の理由は、『練習生の自由を尊重し、彼らの生活を厳しく管理しないようなやり方では、うまくいくはずがない』というものでした。私は非主流でした。
一般的に怒りは非主流の役割ではないですか。今は主流になりましたが、そうすると怒りは消えるのではないですか。
非主流に怒りが大きいという点には共感します。私も若い頃からそのような非主流的な感性があったのも事実です。
しかし、主流になったからといって怒りがなくなるわけではありません。日常の中で小さな不合理や不条理はあると思います。
それらは私が解決できる範囲内にあれば、そのまま放っておくことはできません。我慢できません。音楽産業で変えられる部分は継続的に努力をしています。
HYBEや、BTSは絶え間ないイノベーションの産物です。イノベーションの原動力は何ですか?
普段から私は我が社の役職員に『イノベーションというと大げさなことを考えるが、そうしないようにしよう』と言っています。
イノベーションとは結局のところ、日常の小さな不便を解消することであり、それらの方法論が積み重なれば、最終的にそれが臨界点を超え、全く新しいパラダイムに移行するのです。
どこかで、狭く深い角度で世界の裏側を掘り下げると言ったそうですが。
例えば、なぜ音楽産業にこれほど多くのお金と時間を投資しているのに、消費者が放送局に行って夜通し並ばなければならないのか?
このような不満から始まります。我々のような音楽産業従事者や放送局も、過去にはファンの方々をいわゆる『オタク』のように扱っていました。ファンの方々が8時間並んだのに、突然担当者でもなくADの下で働くアルバイトの方が出てきて列を作り直せと言います。もう8時間も並んでいるのに。家に帰らなければならないのに。
このようなことがあまりにも頻繁に起こっていました。それが私が怒ると言っていることであり、憤慨したことです。(このような不満から生まれたイノベーションが現在のWeverseです)
今はK-popが絶頂期ですが、危機はいつでも訪れる可能性があり、また一部ではすでに危機が始まったという話もあります。
実は、最近私はK-popから『K』を取り除くべきだという話をよくしています。このままの状態がK-pop産業の成長に役立つかと言えば、私はそうではないと考えています。
K-popは今や、より広い市場でより幅広い層の消費者と出会う必要があります。私たちは、グローバルに通用する普遍的な価値観に近づくための方法を多く作り出す必要があると考えています。K-popが現在の構造のまま続けていけば、間違いなく成長に限界が生じると考えています。
そのような危機をいつ感じましたか?
昨年の時点で、K-pop業界に危機が訪れるだろうと予想していましたが、最近の東南アジア市場での具体的な指標の低下を見て、この状況は非常に危険だと本能的に悟りました。
ユニバーサルミュージックグループと進めているガールズグループオーディションプロジェクトはそのような観点からですか?
「クァンフンクラブ(韓国のジャーナリスト団体で、メディア関係者との会見や講演会などを行う場)」でも言いましたが、様々な戦術の一つです。様々な国から来た方々を対象に国別ターゲットを広げていき、次に韓国やアジアチームではない他のアーティストを通じてK-popを紹介するなどの拡張が必要です。
良いアーティストを選ぶのが鍵になると思いますが、スーパースターの資質とはどのようなものですか?
スター性が最も重要です。ただしスター性というものは定義することが難しいです。それには音楽的に自分自身を上手く表現できる能力や才能、スキルなどがあります。
またK-popの場合、ファンたちのお気に入りリストにも入っている必要があります。それこそ魅力なのです。
そして会社側から特定のスキルなどを教える際、その技術を迅速に習得できる能力も重要です。
BTSを見ると、本当に骨が折れそうなくらい激しく踊っていますね。それは訓練によるものなのでしょうか?
訓練によってできる範囲はデビュー後1年くらいまでです。その後は結局本人たち次第ですが、それにはファンとの関係も関係しています。
K-popファンには特定のお気に入りがありますし、自分自身選択したアーティストによって失敗したくないという思いがあります。そのため基本的にはアーティスト自身も野心家である必要があります。成功したいと思わないアーティストでは成功することは難しいでしょう。そのような意欲や姿勢こそ舞台上で最もよく表れます。
BTSメンバーたちは気さくで非常に庶民的ですが、音楽的に成功したいという野望だけは非常に大きかった友人です。それらを最もよく示す場面こそ、舞台でした。
練習生時代から1年ほどは、本当に自分自身も嫌になるほど厳しく訓練しました。しかし今や会社側も昔ほど『何時間練習しろ』とは言わなくなりました。それではどうするのでしょう? 誰もBTSメンバーに『あなたたちは週何時間練習すべきだ』なんて言えません。
しかし、『面倒だ』『できない』と言っていても結局練習場には現れるんです。練習せずには舞台には立ちたくないからです。練習こそ自信につながります。
ある企業家が、一位と二位との差は独気(強い意志と情熱)だとおっしゃっていますね。
K-popシーンでも独気は重要な要素です。それこそ野心の証明なのです。そしてファンもそれを見抜いています。
ただし、それだけが一流アーティストの条件というわけではありません。例えば『真面目に努力しなければトップにはなれない』という意見もありますが、実際には練習熱心でない人も成功している例がたくさんあります。だからこそ、スター性を一言で定義するのは難しいのです。
もちろん、BTSが素晴らしいアーティストである理由は他にもたくさんありますが、それはまた別の話です。
それならばパン会長自身、そのスター性を見る目というものは生まれ持ったものなのでしょうか?
もちろん、生まれ持った才能というものも存在します。しかし、それ以上に訓練による影響も大きいと思います。良い師匠から良いスターたちを見ることで育つことこそ重要なのです。
私自身振り返ってみても驚くほど若いうちからスーパースターたちと仕事してきました。パク・ジニョン氏によって選ばれ、その後キム・ヒョンソク事務所で音楽制作しながらg.o.dやパク・ジユン、Rainなどとも仕事しました。その皆さんはいずれも一世代を風靡したスターたちでした。
そのため一般的なアーティストたちだけ見て育ったプロデューサーとは、目線自体異なるでしょう。
企業家として成功されましたね。ご自身としてどちら寄りなのでしょう?
良い企業家、それとも良いプロデューサー?
私は完全にプロデューサーだと思っています。プロデューサーとして大切なのは、人々の感情を理解し、それを音楽や企画として表現する能力です。これは私の強みだと感じています。
一方で、経営者としては正直自信がありません。優秀なスタッフに支えられなければ、会社はすぐに行き詰まってしまうでしょう。
以前、一緒に働いていた人たちからよく言われたことがあります。『あなたは素晴らしいビジョンと才能を持っているけど、目の前のことと遠い将来のことの区別ができていない』と。つまり、私には現実的な判断力が足りないんです。
だからこそ、私のアイデアを現実的なビジネスに落とし込める人材が必要不可欠です。幸い、そういった優秀な人材に恵まれていると思います。
そして何より、BTSのメンバー7人との出会いが最大の幸運でした。彼らがいなければ、今の成功はなかったでしょう。
企業運営に関わってみて、何が重要だと思いましたか?
企業家とはこういうものなのだと気づいたのは2011年でした。約6年間ひどい目に遭って思ったのは、『なぜうちの会社は1年良くて次の年はダメになるのか』ということでした。倒産の危機が続いていました。
そこから、私は経営の意思決定から徐々に手を引くようになりました。プロデューサーというのは大抵気まぐれな人間です。会社の根幹に関わり始めると、経営が不安定になってしまいます。そういった部分を経営の専門家に任せ始めたところ、実質的な効果が現れ始めました。
企業家として本格的に悩み始めたのは、2014年頃からです。企業は持続的に成長しなければならず、そのためには資金調達をどのように行うべきか、会社として基本的に備えるべき機能は何か、人材をどのように確保するか、企業文化をどのように形成すべきかなどについて考えるようになりました。
その悩みから得た結論とは何でしょう?
その悩みこそ今のHYBEにつながっています。
そして結論として、人材管理こそ最重要事項であり、その中でも採用と文化こそ大切だということになりました。そして持続可能性について結局我々本質としてファンとコンテンツとの関係性だと整理しました。
この大前提によって、持続可能な成長構造づくりへ進んできました。またマニュアル作成及び文化原則確立等、今我々DNAと呼ぶものの作成及び人材像確立にも取り組んできました。
企業を運営していて、恐怖心などは感じませんか?
毎日恐怖心があります。一日たりとも恐ろしさを感じない日などありません。不眠症気味になっています。本当に毎日明日破綻すると思っています。
彼の長年の習慣である大量飲酒が、この不眠と関係しているのではないかという想像が浮かびました。そのため、実はインタビューの最初の質問を「お酒」にしました。アイスブレイクを兼ねて。「昨日、お酒を飲みましたか?」と。
頭を殴られたような衝撃的な答えが返ってきました。
パン・シヒョクにとって、企業家であることは毎瞬が危機です。そしてその危機を乗り越える責任が彼の肩に重くのしかかっています。
毎日挑戦し、革新し、そして時間を管理しなければならない理由がそこにあります。