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未来のために出来ること。緩く適当な着物生活
最近外に出るとき着物を着るようになった。と言っても、もともと出不精の私は一か月に一回くらいが限度ではある。
なぜ着物を着るようになったのか、それは単に年相応のおしゃれな洋服を持っていなかったからだ。なにせ夏用の一張羅はセキセイインコの顔に「JUMBO」の文字がでかでかと書かれたグレーのTシャツだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1726662006-ATYfXNqCWOc8glkQhnoxav9P.jpg)
Tシャツは15年は着られるが、これは去年買ったばかりのまだ生地に張りがある一軍だ。
その夏服への衣替えの最中に見つけたのが、若い頃に母からもらったお下がりの浴衣だった。
「これは着物で紬なんだけどね」
との母の言葉がよみがえる。
母が紬と言ったその和服は確かに浴衣のようではあるが、透け感のない浴衣とは違ってざっくりとした生地だった。
白を基調に赤や青の線が入った、年齢や時代を気にせず着られる柄だ。
それから着物のことを何となく調べ始めたのだが、着物を着ている人はそれなり立派に見えることに気が付いた。
よれたTシャツと綿パンから着物にするだけで、顔は一緒でも上品で立派な人間に見えた。着物マジックだ。
でもお高いんでしょうと思ったそこのあなた、考えてもみたまえ。現代社会に着物を着る人なんかほとんどいない。なのでリサイクル着物はきれいで安く、しつけ糸がついたまま売られているものも少なくはない。
どうやらバブル時代に仕立てたはよいものの、一度も袖を通すことなくタンスの肥やしにしたあげく売ってしまう人が少なくないらしい。
着物はボタンが付いてサイズが決まっているわけではないので、太っていようが痩せていようがよほどでない限りどんなものでも着ることができる。
つまり、祖母から母へ母から私へという着物のリレーも可能なのだ。
しかも着物は洋服のように生地を切り捨ててしまうことがないので、糸をほどくとまた反物に戻る。リサイクル着物でもその人のサイズにぴったり合った物を作り直せるというわけだ。
限りある資源を無駄にしない素晴らしい持続可能性。
しかし、やはり着るのは少々面倒くさい。
着物初心者の私は日々家の中で着物の練習をしてはいるものの、いざ気合いを入れて外に出るのは1か月に1回が限度。
でも今はそれで良い。
慣れていったら1か月に2回くらいはできるようになるかもしれない。
焦らずに飽きずに持続可能な着物生活をしてゆこうと、母のお下がりの着物を眺めながら思ったのだった。
![](https://assets.st-note.com/img/1726582444-bzMJvnqygRSfi5T9wIkUNCAO.jpg?width=1200)
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