蘇
学校休んで要請からの給食大量キャンセルで、牛乳が余って大変なことになっている昨今の日本。
ここで一発、ご家庭で牛乳をいつもより多めに消費して、酪農家さんを助けようということで、巷では『蘇』作りがブーム。
う~む。蘇か。ツイッターを眺めて思わず唸り声をあげる。
蘇は憧れたなぁ。
小学校のときの社会の教科書に載っていて、いつか食べてみたいものだなぁと思っていたことを、まさかコロナが思い出させてくれるとは。
ミジンコほどの興味のない歴史の授業で、突如古代のグルメ情報として現れた蘇。
きっと多くの小学生が『蘇』の文字に蛍光ペンで線を引いたことと思う。ちなみに私は、蘇を説明したコラムの枠全体を蛍光ペンで囲った記憶がある。
作るっきゃない。
電気料金が安い深夜の時間帯に、ひたすら牛乳を煮詰める。
だんだん黄色っぽくなってきた。
調子にのって強火で煮ていたら、案の定鍋底が焦げた。
急遽ゴムべらから木べらに換えて、黒こげになる前に焦げをそぎおとす。
焦げは焦げとして諦める。まだ香ばしいくらいの段階の色をしているので大丈夫。たぶん。
だんだん固まってきた。
焦げチップ入りの蘇が完成。
冷やすと思いの外固くなった。
味は想像よりも甘くて、ほのかにしょっぱいような。香ばしい程度で焦げ臭さはないけれど、焦げチップが口に残る。
まぁ、古代の人もだいたい焦がしちゃったりしていただろうし、これはこれで成功だと思う。
おわり。
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