知能爆発について;シンギュラリティサロンへのコメント
松田語録:知能爆発の今起こりつつある状況〜Carl Shulman氏の7時間にわたるインタビューより - YouTube
カンブリア爆発は分子担体情報ベースで多様性を爆発させました。 過去の知能爆発は、人間脳における電子担体情報ベースで展開していると思います。今回の松田先生のお話で、この制限が産道通過で生じている脳サイズにあるというのが出てきましたが、これについては「情報進化過程」の流れは多脳化・多意識化と、それをつなぐコミュニケーション(情報伝達)の進化が、補完を超えた発展を示したと思います。
ニューロンのネットワークが個体脳で発生してきた様に、個体脳間のネットワークが脳内情報の変換外化・発信、そして受信情報の変換という様式で、社会共同体脳を形成してきたと思います。この変換外化が、ミームとされる言語や諸物質文化です。そして、社会共同体脳のイメージが、多くの思想家が表現した「グローバル・ブレイン」であり、古来からの思想でいう「ブラフマン‐アートマン・モデル」に表象されたものだと思います。
こうした論議を、例の「ビッグ・ヒストリー、ストーリー」として眺めた時、何が問題になっているか考えてみると、結局、この宇宙・世界において進化発展しているとされる「主体」が何であるのか、ということだと思います。松田先生を中心にこのサロンでは、人間中心主義の狭い観方を採択されていませんが、実際、宇宙の歴史において「現行人間」が主体であるとは、到底言えないと思います。そこから探っていった時、上で見た「情報進化過程」という流れが、宇宙の誕生から終末までを通して見通せるのではないかというのが、これまでの観方です。
神学では、三位一体論として思考実験されてきたもので、純粋現実態=完全絶対なるもの(=神)にとっての唯一の働きは自己認識であり、そこに認識される自己概念は自己そのものとして自己の内に懐胎conceptされます。この純粋現実態の唯一の働きである自己認識の産出(自己外化)が宇宙の自己認識のプロセスであり、「情報進化過程」であるというのが、神学的世界観になります。ここに世界がシミュレーションの一部だと言う観点も組み込まれます。さらに加えれば、ここでの自己概念の産出を考えなければ、シミュレーションが外化されないため、「汎神論」(凡てに神が内在するとは、懐胎する内にあると同義)になります。
話が広がってしまったので戻して、今、起こりつつあるとされる知能爆発について見ます。それは、人間知能とAIとの協働という状況が、しばらく展開するということになるとされるでいいでしょうか?上で見たネットワーク内のエージェントにAIも位置し、知的活動、即ち「世界認識・宇宙認識」を拡張していく。現行人間の「集合・集積知」では及ばない認識にも、Aiとの協働で達していくということだろうと思いますが、その観方でいいでしょうか?
こうした認識、理解の枠を拡張する捉え方の一つに、YouTubeの「OCW Tsukuba」のサイトに、「人工生命概論 第5回 :対談 池上高志①」が、2年前に上がっています。この21:20から30:00に人間の縮約的理解とMassive data flowを捉えるAIの「理解」との関係が出てきますが、ここでの池上先生の見解は、8月27日ライブサロンでの松田先生の見解と一致していると思ってよいでしょうか?