『もの忘れ顛末記 #32』荷物届いてますか
おじい77歳 時をかける少女・・・のように
【32話 荷物届いてますか 】
本日のおじい
おじい「すみません 扉開けてください」「外出ますよ おーい 誰かいませんか」今日も朝から元気に大きな声で叫んでいます。
相方(妻)さんは裏でお洗濯
玄関扉を開けられずに途方に暮れています。そこに相方さんがたまたま横を通ります。 おじい「あっお姉さん 扉開けてください 外に行きます」
相方「散歩ですか」 おじい「荷物を取りに行ってきます」 相方「どこに?」 おじい「会社」 相方「だれの?」 おじい「頼んでいた商品が今日入ってくるから」 相方「・・・・・」 おじい出かけていく。
ちなみにおじい10年以上前に定年退職済み
隣の家の前
同じく定年後のご近所の男衆3人が 朝の井戸端会議を開いている。ほかの地域は知らないけれど この町内は70代80代の男たちが あちこちで集まって世間話に華を咲かせている。女性陣はというと おのおのがボランティア活動 ダンスサークル 習い事と同じ70代80代の時を男たちとは別に過ごしている。
男衆「おはようさん」 おじい「荷物届いてますか?」 男衆「????」おじい「荷物届いているでしょう」 男衆「どうした何の話?」
おじい「荷物です」 男衆「さあ帰ろう じゃあまた」
おじい「・・・・・」 解散
次の日
おじい「荷物届いてますか?」 男衆「・・・・・・」
次の日
おじい「荷物届いてますか?」 男衆「・・・・・・」
男衆の一人「あんたとこの旦那どうなってるの?」 相方「ハハハハ」
ご近所の男衆や女性陣のみなさんよろしくね それほど親しくはないけれど手の空いている元気な時は
おじい 今日も相方さんの顔を不思議そうにながめている
おじい「あんただれ?」 相方「ふふふふ」
家のものにこそっと おじい「この女の人だれ?」 家人「あなたの妻です」おじい「わしの妻?」「そんなはずはない」 家人「じゃあ あなたの妻はどこにいるの?」 おじい「家の中」 家人「目の前の女の人はだれ?」
おじい「・・・・・・」
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