ゲームを変えよう

トランプで、大貧民というゲームがあった。

勝者は大富豪となり、2番手が富豪。
大富豪は、ビリの大貧民から強いカードを2枚もらえ、代わりにいらないカードを2枚渡す。
富豪はビリから2番目の人から、一番強いカードを1枚もらい、代わりにいらないカードを一枚あげる。

そんなルールのゲームだった。

それだから、一度大富豪になると、たいていの場合、勝ち続けることになる。同様に、一度大貧民になると、強いカードを2枚も持っていかれるため、なかなか勝ち上がっていくことが難しくなる。

ただし、このゲームには、仕掛けがあって、同じ数字4枚出すと「革命」が起こり、それまで一番強かったカードが最弱となり、逆に一番弱かったカードが最強になる。そうなると、大貧民が勝つチャンスが大きくなる。

ルールに多少の違いはあれ、だいたいそんなゲームだった。

高校生の時、修学旅行に行った時とかによくやったゲーム。
今考えてみても、よくできたゲームだ。

その後社会に出て、世界を旅してみて、世界の有様はこのゲームの世界と似ている。

先進国という強者が途上国の資源や人を安く買いたたき、それによってますます経済的に豊かになる。

そして、先進国でも途上国でも、その国の中の強者達が、弱者を安く働かせ、それで利益を得て、ますます豊かになる。

稀に軍事革命が起こり、それまで苦渋を飲んでいた人たちが強者になり、それまで権力を振るっていたもの達が、刑務所に入ったり迫害されたりする。

勝ち組と負け組が稀に変わることはあれど、結局は同じゲームが続いてきたのが、今までの世界だ。

このゲームでは、勝者がいる一方で、誰かしらが苦渋を飲むことになる。

その昔、僕は勝ち組にいた。

まあ、上を見渡せばキリはないが、大学を卒業し、一流企業と世間では言われる広告代理店で働き、お金に困ることはなかった。

それでも、ストレスから体を壊し、そこではない世界を夢見て、30歳の時に会社を辞めて、世界一周しようと旅に出た。

それから13年。
43歳となった今、僕は所持金がゼロになり、バイトでどうにかこうにか携帯代やら家賃を支払うという状況だ。

それでも、体は健康だし、好きなことをやる時間もあるし、幸せを感じることができて、これまでの決断に後悔はしていない。

少し話がずれたので、元に戻す。

僕は、もう勝とうとは思っていない。

勝ったところで、誰かしらが不幸になるというそのゲーム自体に魅力を感じなくなってしまったのだ。

自分だけ美味しいものを食べても、隣にお腹を空かせている人がいたら、とてもじゃないけど幸せではいられない。たとえその時勝ち組であったとしても、常に負け組に転落する可能性が頭をよぎり、他人を蹴落とすような生活にも、魅力を感じない。

そんなゲームはやめにして、みんな幸せになれるゲームの方が、よっぽどいい。

武力を使った革命なんて、必要ない。
ただ、そのゲームから降りればいいだけだ。

そのゲームを降りて、分かち合い、助け合いの循環の中で、幸せでいること。その方が、よっぽど革命的だ。

僕はただ、幸せでありたいし、他人の幸せを素直に喜べる自分でありたい。

だから、僕はゲームをチェンジした。

自分の利益のために他人を利用したり、誰かの利益のために利用されるのではなく、誰かの幸せのために動き、同じような気持ちを持った、ハートで繋がった人たちと、我を忘れて、幸せな世界を作って行きたい。

不安や恐れを持たず、平和に幸せを味わいながら、この命を燃やしていきたい。ただそれだけの、小さな小さな革命。

それがいつか世界を変える。

だから、今勝っている人も、負けている人も、そのゲームをやめて、一緒に遊びませんか?

無理強いすることなく、自分の意思で今のゲームを降り、一緒に遊んでくれる人が増えたらいいなと思う、今日この頃です。


お金のために何かをするのではなく、好きなことをしたことでお金を頂戴できると幸せです。僕という人間の存在に対して、サポートをしていただけたら、それほど嬉しいことはありません。よろしくどうぞ!