見出し画像

Buy me a piece of cheese cake! 2

この本をどうにかしなければいけないということをここずっと考えてきて,その結論の上に出したのが『14歳からの英語表現入門 「意味順」でしくみと発想を見える化』です.いまは予約という形になっていますが,後数日で買えるようになるでしょう.オンデマンドの場合,翌日とかにすぐ届けてくれるのかはわかりません.でも,新品の本がごく普通の価格で買えるようにはなりました.申請が降りれば,電子書籍版も買えるようになるはずです.これは明日あたりに申請が降りるのではと期待しています.

では,これで満足しているのかというと,そういうこともないです.実際のところ,ぼくの本が飛ぶように売れ(それこそsell like hot cakes)とかいうことはたぶんないでしょう.100冊売れればいい方で,数十冊売れるかどうかも怪しいでしょう.書き手としては,潜在読者が興味を持つきっかけが全く閉ざされてしまうのはいやなので,この手を打ったというのに過ぎません.

ぼくのことではなくて,一般論として,完全にインフルエンサー化している著者についていくことはしても,あまり売れないけれども実力はある著者の著作を支えることなんかはないしできないのが現状です.

この時にすでに書いておいたように,結局DHCが出版事業を撤退したときだって,本気で読者が著者を支えたことなんかはなく,絶対に売れる日向さんのビジネス英会話本とか嶋津さんのIELTS本とかデイビッド・セインさんの『英語ライティングルールブック』(ぼくが共著で書いた同名の本はそれほど売れていません…)あたり(その他,森秀夫さんらの本が学研からでています.あと,石田秀雄さんの『これならわかる! 英語冠詞トレーニング』がたぶんでるはずです.この本は英語が好きならば買うべき本です)が復刊になったに過ぎません.あとは相当著者が頑張って受け入れ先を見つけないと,この世からなくなってしまうわけです.「争奪戦になる」とか「どこかの出版社が引き受けるべき」とかずれたことを云っていたのがいまでは痛々しくさえ思えてきます.

ぼくは,苦しくても,キモいと云われようが孤高にファンと距離感を置きながらヒット作を出す村上春樹のほうが,ディナーショーをやってグルーピーに金を出させている昔のアイドルやファンを囲いこむインフルエンサーたちよりもカッコイイと思っているので(比較しただけで,それほど村上春樹が好きなわけでもないです),ファンなんかいらないし,(潜在)読者に媚びることもありません.人間ができていないので,ぼくの本を買う気すらないのに,自分の状況をよく説明もしないで意見を求めてくる人のためにネット上の質問BOXを設けることもしません.たいがい,そういう人はぼくを「先生」と呼ぶんですが,ぼくはそう呼ばれるのは英語でFxck you!と悪態をつかれる以上に嫌いなので,相手にしたくもないです.

実際,ネットにコンテンツを挙げるのと何が違うのかは微妙な部分もあるのですが,書き手にとっては電子書籍やオンデマンド出版が自分でわりと手軽にできるようになったのはオプションが増えたことでもあり,良いことでしょう.でも,それが本当に埋もれているすぐれたコンテンツの発掘に貢献できるのか,そういうコンテンツの作り手を金銭的に支えられるのかは微妙なところです.ぼくは自分がそれができるかということより(たぶんできない)も,それができる前提条件はなにかということに興味があるので,成功例があれば見てみたいなと思います.

いいなと思ったら応援しよう!