Somebody does something.
「夕食はステーキを食べた」を
*Dinner ate steak.
のような英語にしてしまう学習者は想像以上に多い.で,もちろん,
I had/ate steak for dinner.
とする.初級者のうちはSomebody does something.(人がもの・ことをする/おこなう)の形を叩き込むのに集中したほうが個人的にはよいと思っているのだが,残念ながら,英語では(いや日本語でも)もの・ことが動詞の動作の主体(つまりはセンテンスの主語)になることができる.
もっともやっかいなのは,比較的簡単な単語で作られているセンテンスがもの・ことが動作の主体になるとき.といっても,
Dinner is waiting for you.
のような場合は,「夕食ができた」というのは擬人法(personification)と考えてわりとすっきりできそうだが,「この仕事はいまやらなくてもいい」「ホットケーキはあとで食べれば良い」というのを
This job can wait.
The pancakes can wait.
というのは正直初級者はわからなくても良いと思う.まあ,「後で片付けられる」"to be done and be dealt with at a later time" (Merriam-Webster's Advanced Learner's English Dictionary)というような用法なのだが,この正しいセンテンスは一見,いちばん最初にあげた誤用にすごく似て見えるので難しいところ.まあ,こういうのを面白いと考えられるようになるのは英語が上達したといえるのかもしれないが,大体の人はここまで到達しない.