I have three reasons...
正直,この問題はよく取り上げられるのですが,どうでも良いと思っています.本に書いてある通りです.I have three reasonsという表現はそんなによくないですが,どうでもいいことです.多くの場合,「読むに耐えないもの」になってしまう理由は,実際3つ書いているのに理由が3つないからです.じゃあ,three -> a fewを使って,I have a few reasonsに変えたら良くなるのか,といったら,そういうことでもないです.ほとんどの場合,挙げた複数の理由が同じことを言い換えただけになっていたり,そもそもよくよく考えれば理由でないことを理由として書いているからです.いや,ぶっちゃけ大学入試の採点者はなったことはないからわかりませんが,First, ~ Second, ~. Third, ~.と後にコンパクトにきちんと理由というものが挙げてあり,その理由をきちんと説明されていればほとんど点を失なうことなんかないんじゃないでしょうか.
まず,書き手がクリアするべきことは,
❶きちんと理由と呼べるものがコンパクトに述べられいるか
❷その理由をその後,丁寧に説明されているか
ということです.
もし,I have three/a few reasonsに問題があるとすれば,思い浮かんでいない理由を3つ(複数)あげることに躍起になって,この型を守るために無理やり作り上げるから論理に無理が生じてしまうことです.理由が1つしか思いつかなかったら? これは,『ゼロから覚醒 はじめよう英作文』には書かなかったのでサーヴィスでちょっと書いておくと,
The reason is that ~. でその1つだけの理由を書いて,その後,具体例や説明を長く書いておけばいいだけです.例を複数あげるとか,反論を取り上げて論破するとか(面倒くさいので具体的な表現方法は今回は書きません.過去に書いた本などを参照してください)
でも本質的な問題はそこではないんです.実は,書き手は進んでライティングの能力を上げたいとか学びたいとか思っていないで,与えられたタスクに対して最も単純な問題解決策を探しているのに,出題者や指導者は深く考えさせたいとか.言葉や書くことに対す感性を磨かせたいとか思っていることに問題の根っこはあります.これはどちらが正しいとかいうことではいです.
ただ,TOEIC L&Rの攻略法と同じで,こうすれば点が取れますよ,ということで少しスコアアップするとその成功体験がうれしくて,学習習慣が身につき,その結果(少なくともTOEICに出るような)英語力を伸ばす,ということはあります.『はじめよう英作文』にタスクが多いのは手を動かしてこなしているうちにある程度英語で書くことに対するマインドセットを育まれてくれないかな,という期待からです.学習観・言語観を押し付けるのが好きな人もいますが,そういうのは嫌なので.