認知症介護日記54 「いつも自分のわがままが通ると思うなよ?」

7月31日の晩、僕たち3人は数ヶ月ぶりに回転寿司に行った。

数時間前に僕は病院で薬を数種類処方され、そのうちの1つである喘息の症状を抑える薬(1日1回)を吸引機を通して吸って咳が少しは楽になったものの、体調と介護双方の理由で帰り道にスーパーに寄る気力がなかった。なので、予定通り仕事が早く終わった父と買い物に行き、2人分の惣菜を買って薬を飲んで、早く楽になりたかった。

しかし、祖母には僕の体調など関係ない。

父が帰った途端、祖母による「〇〇が食べたい」攻撃が始まった。
この攻撃は父が休みの日や父の仕事が早く終わった時によくあるのだが、昨日は特に酷かった。

いつも食べている弁当のことを急に「まずい」と言い出したと思えば、間髪入れず今度は「いつも同じ食べ物で飽きる。こんなもんなんか食べれるか!」と言う始末である。当然ながら宅配弁当の内容は毎日同じなわけではない。

弁当のことを散々貶した後、弁当以外のことを貶し、そしてまた弁当の話に戻る。
父も最初は頑張って対応していたが会話が成り立たないので諦め、結果的に営業時間の関係で祖母が列挙した行きたい場所の中で選ばれたのが回転寿司だった。

ブログで書いているように僕たち家族の金銭事情は現在厳しい。
正直なことを言うと、弁当を早く食べ、薬を飲んで早く寝てほしいところだが、今回は祖母のわがままに付き合うことになった。

回転寿司店に到着した後、僕には許せないことがあった。
それは寿司を何巻か食べた後に急に箸を止めたので、父が何があったのか聞くと、小さい声で「まずい。もう食べん!」と言い出したのだ。

祖母が寿司を食べて笑顔になると期待して、父は祖母のわがままを受け入れた。
僕も体調が優れない中一緒に行ったのに、最終的には恩を仇で返されたのだ。
帰宅後、祖母は寿司のクレームを言いながら弁当を食べたらしい。

今回の出来事の最中、僕は以前ケアマネと交わした会話を思い出した。

僕がケアマネに対し、こだわりが強い祖母が毎日同じズボンを洗わないで履き続けている。なので時々祖母がパジャマに着替えた後に父がズボンをランドリーで洗い、次の日に綺麗なズボンを履けるようにしている。と伝えた際、いつも肯定的な反応をしてくれるケアマネがその時は否定的な反応をしたのだ。

「そのこだわりはすぐにやめさせて!うちのホームに入ったら毎日同じズボンは履き続けられないからね。このままの〇〇さんだと職員が困っちゃう。」

ズボンの件も今回の回転寿司の件もそうだが、これまで僕と父は祖母のわがままをたくさん受け入れてきた。しかし、わがままはホームに入ったらいつも通るとは限らない。祖母には悪いが、祖母がホームに入った後にずっとお世話になる職員さんのためには、祖母のこだわりによるわがままが必ず通る訳ではないということを知らしめないと行けない。


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