見出し画像

営業という道



剣の道があるように、営業にも道があると思い、歩んできました。



バガボンドでこんな一説があります。宮本武蔵を見た本阿弥光悦のセリフです。

剣を己の人生の真ん中に置いていると、 剣こそすべて、と口にされる方はたくさんおられますが。
本当の意味で、剣こそ己と生きている人は稀。そういう人は余計な色がつくのを拒む。ただ己の色を深く濃くしていく。その色は美しい。その人の色 。
そして私は、やはりそんな美の為にのみ研ぎたいのです。美しいならば。人を切って良いと思っているのも事実 。
一線を退いた後、刀を研いだのは。これで二人目です。

出典:バガボンド(23)(モーニングKC) 井上雄彦


素直にかっこいいなぁと思いました。

宮本武蔵が剣を人生の真ん中に置いたように、自分も「言葉」を剣に見立て。
お客様と対峙する一期一会に真剣に臨み、言葉による「気づき」という一撃を刻みたい。
そんな心持ちで日々を重ねてきました。​



ここまで言っておきながら。

剣道は嗜んでいないんですけどね。



「剣道に『後の先(ごのせん)』という考えがあります。
竹刀を構えて、竹刀の先に全神経を集中し、全身全霊を注ぎ込みます。
そして、剣先(竹刀の先)で相手をつついたり、『打ち込むぞ』とフェイントをかけたり、気勢をあげたりと『仕掛け』をして、打突の好機を狙い、『ここぞ』という瞬間を自ら作り出すのです。そうすると、相手の気勢が緩み相手が自分より先に動き技を仕掛けてくる。その竹刀を避け、相手に斬り返す技が『後の先』です。


私の営業の基本プロセスも、「後の先」だなと思います。

基本は相手の出方を伺い、求めるニードを探りだし、それに対する解決策を提示する。ヒアリングをベースにした課題解決を提案する営業スタイルはこうした側面を持つと思うのです。



ただこうしたスタイルを身につけた人が不得手になるのが、「序盤」です。

特にテレアポだったり、飛び込みにおける本当に「最初」の部分です。相手が興味を持っていなければそもそも話をしてくれない。


対峙する相手(顧客)のレベルも高くなると、相手もまた我々の出方を伺うという傾向もあったりします。



さて、ここをどうしたらよいでしょう?


相手のやる気スイッチを押す方法(聴くモード発動)として秀逸だと思うのは。



ゴールデンサークル理論でした。

まず「WHY,WHAT,HOW」という順で中心から3重に成る、「ゴールデンサークル」を提唱している中で、すべてはWHYが出発点であるべきだ、と説く点に共感した。


※大脳辺縁系は「感情」を司り、大脳新皮質は言語を司るという脳科学的な視点からの論理補強は、現時点ではちょっと判断留保しています。最近ではちょっと違うのではないかという学説も出ているので。


ただ、「Whyから始める」という手法を試してみると効果てきめんでした。


たとえば、テレアポのとき。

会社名と名前を名乗り、テレアポの趣旨を説明した直後に。

興味を持っていない相手に対し。


「実は本日、○○さんに、なぜこのタイミングでお電話差し上げたか、ご説明差し上げてもよろしいですか?」

仮に理由がそんなに無かったとしても。

Whyから始めた結果、相手が興味を持ってくれる確率は高まりました。



私と同じように「序盤」で相手との間合いの取り方に試行錯誤している方いましたら、参考にしてみてください!







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?