歌島DIY日記#23「なぜ、わたしたちはDIYをするんだろうか。」
今日はのっけから告白しますが、撮れ高がほぼゼロだったので写真がありません。なぜなら、二人とも作業没頭モードだったからです。悪しからず。
毎日DIYをしていると、「わたしたち、なんでこんなことしてるんだろう?」と時々思います。
二人でどんな職種でもいいからアルバイトでもすれば、月20万は稼げます。そしたら、家賃が5万でも15万ありますから、生活することだけを考えれば、楽なのです。
だけど、わたしたちはお互いかならず収入になるとわからない「藝術」という領域で仕事をし、いまは地方のボロ家を改修して、出費ばかりを重ねています。
これは、一体どうしてなんでしょうか。
なにも考えず、したいこともせず、生活することだけを考えれば、それはそれは「楽」でしょう。だけど、「楽」なことが「しあわせ」だと、わたしたちは考えません。
ただただ、毎日家賃が払えて、ご飯が食べられて、お風呂に入れて、お布団で寝れて、時々ショッピングでもできれば、「世界平和」のことや「藝術」のことや「これからの社会」のことなんて考えなくて済むでしょう。そういう考えならば、二人で共働きでただ生活だけをしていればいいのです。
しかし、わたしたちが行っているプロジェクトネームは曲がりなりにも「藝術と生活 itonami」です。わたしたちがやっていることは、自分たちの身の周りに手を加えて既存の世界を少しだけ変容させること。
「藝術」とはそういった変容を生み出すことに他ならないし、いまの世界でわたしたちができることは、微々たることかもしれないけれど、それだけなのです。
人生はDIY(Do It Yourself)そのものだと、よく思います。常に失敗と困難がつきもので、想定していた通りにはいかず、いつだって投げ出しそうになります。だけど、だからこそ自分でやる意味があるし、その中にちょっとした喜びやささやかな楽しさがあるんだろうとも思うのです。
なんだか、今日はちょっぴり熱っぽい語り口になりましたが、DIYをやった者にだけわかる感慨をお伝えしました。この後は、いつもの作業日記をどうぞ。
今日はすぐさま押し入れの下段を改修したかったので、ユーホーに材を買いに行きました。お目当ては、薄さ5mmの板。
調べてみたところ、薄さ5mmの板というのが実はそうそうないとのこと。(どうやら足場板を転用したらしいのです)そこで、薄さ5mmのDパネ(無塗装)という工作用の板を買いました。強度的に不安な部分がありますが、きれいでかわいいのでこれにしちゃいました。うふ。
次はルームBの扉の蝶番が壊れていたので、それをつけ直す為に穴を塞ぐ材料を買います。うーん、2個ぐらい要るかなぁ。
あと、蝶番ですね。まったく同じ大きさの蝶番がありました!(なんと、不思議なことにこの後、蝶番を買い忘れました!こんなこと、ある?)
今回買う予定だったDパネですが、試算では16枚必要だったようで、全然足りないので取り寄せしてもらうことになりました。この時点で、今月中に住むのはどうやら無理ゲーだと確定したので、なぜだか肩の荷が下りました。30年ぐらい逃亡してた殺人犯が捕まったときの気分です。
現場に着いてからは早速、床下の横木を上げる作業。なんだかうさぎのお尻みたいです。
横木にビスを打ち込むみく。おっ、躍動感。
たちまち買ってきたDパネを置いてみる。奥に行くにつれ広がっているので、切る手間要らず。ちなみに支えの木が頼りないので、35mmの角材を買って来て、明日間に3本入れようと思います。
その間にも、咲さんはドアの蝶番のビス穴を補修。これで埋めないとビスが持っていかれて上手く噛まない。
二人で協力して、お風呂のスライドドアが入る鴨居を水平にしました。片側に打ち込んであった釘をぶち抜いて、咲さんに上げてもらって、わたしが斜めにビスを打ち込むという共同作業。気持ちがひとつになる瞬間。
ビスを斜めに打ち込むのは、パワープレイ工業の常套手段。
で、咲さんがきれいに塗り直してくれたトイレ。いやー、ビューティフォー。
という訳で、今日の写真はこれだけしかありません。
今日はわたし、押し入れの床補修が滞ったので、代わりに実は漆喰を3壁も塗りました。その他にも、咲さんはお風呂のスライドドアの塗装が完了しました。でも、その写真もないのは、お互いが音楽をかけながらそれぞれの作業に集中してたからです。
本当に楽しかったり、熱中したりしてると、記録の為の写真なんて撮り忘れるものです。毎回毎回、漆喰塗る写真ばっかり見せられてもしょうがないよねって思われても仕方ないので、たまにはこういう回があってもいいでしょう。
わたしたちがやっていることは、本当にちまちましたことだけれど、だけど「藝術」とはこの世界の枠組みを変えることだと思って、毎日改修作業に勤しんでます。ちょっとした変化かもしれないけれど、この世界は確実に自分たちの手で変えられるんだってことを、みんなに伝えたいし共有したいと思っています。
この空き家の改修作業は序章に過ぎません。資本主義なんてほんともうすぐ終わってしまうんだから、来るべき時代に向かって一筋の光の中を咲さんと、親しい仲間たちと歩んでいこうと思っています。
さあ、楽しもうゼ!