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思考を構造化するために。:フレームワークを考える
僕は「問題を構造化して捉えよう」という話を、あちこちでしているんですよ。
でも、その話をしていて、何か、イマイチ伝わってないなーと思っていたんですよね。で、はたと気づきました。そうか、問題の構造化を行う前に「問題の切り分け」が必要だってことが、伝わってんないんだな、と。
問題を切り分けようとすると、粒度を揃えるとか、ダブったらまずいかな、とかも一旦無視して、徹底的に「漏れ」が無いように問題を洗い出すところから始めないといけないんですよ。論理的思考を齧ったことがあると、MECEとかロジックツリー/イシューツリーとかいう言葉に惑わされて、このステップを疎かにしてしまうんですよね。
論理的であることは大事だが、それも手段に過ぎない
もちろん、誰かに話したり、説明したりする時には「論理的であること」はとても重要です。そのため、粒度も揃えますし、ダブりが発生しないように綺麗に整理します。そして、長い事コンサルやってると、ほぼ無意識且つリードタイムゼロで、ロジカルな説明にまとめまてしまいます。そうしないと、無用なツッコミどころを相手に与えてしまい、本質的な議論の時間が減るからです。(だから、僕らは成果物にこだわるんですよね)
ただ、脳内では、あれこれ試しています。こういうのあるな。でも、それは粒度が違うな。こういうのとかこういうのあるな。あ、ダブってるな。じゃぁ、こういう風に整理するか。というようなことを高速に行っているので、「最初からMECEに考えている」かのように見えるかもしれません。が、脳内は割と愚直なことをやってます。(まぁ、自分でもプロセスを自覚してはいないんですけど、間違いなくやってますね)
洗い出しのコツ
ちなみに、問題の洗い出しは、現状把握と呼んでも良いのだけど、仮説ベースで進める方が効率が良いので、問題の洗い出しと表現するのが僕好み。
多くの場合、問題解決は「問題の切り分け」ができればうまくいく。うまく切り分けられないときには、そもそも洗い出しきれてないのでは?を疑ってみると良い。
ちなみに、「問題を切り分けた上で、”構造化”しなければ最適な解決策が出てこない」というほどに複雑な事象は、日常的な世界ではあまり存在しないので、とにかく「ちゃんと洗い出す=モレを無くす」と「ちゃんと切り分ける=ダブりは無くす」を心掛けとくと、物事は結構スムーズに動いていく。
尚、「うまくダブりを無くせない」というときは、その物事は、比較的複雑な状況になっているので、構造化を試みてみる、という手順が効率的で宜しい。
洗いだすときは、地図を広げることをおすすめします。フレームワークという言い方でも良いです。
フレームワークは万能ではありません。フレームワークがあれば業績が上向くなんてこともありませんし、フレームワークの力で世界が平和になることもないです。ただ、フレームワークの良いところは「全体を良い感じに区分けしてくれている」というところにあります。
フレームワークは地図なんです。日本を47の都道府県に区分けしているもの。あるいは、東京の中心部を23区に区分けしてくれているもの。そういう「全体を、良い感じに分割してくれているもの」がフレームワークです。
3Cは、自社、競合、顧客ということで、自社の製品・サービスを取り巻くプレイヤーを区分けしました。
4Pは、製品、価格、流通チャネル、プロモーションということで、商品・サービスおよびその便益を、顧客に届けるための表現方法を区分けしています。
5 forces は、競争環境を5つに区分けしました。
SWOT、BCG Matrix、6バブル、7S、など、いろんなフレームワークがありますが、それらは全て「特定の領域を、良い感じに区分けしている」のです。
問題を洗い出す際は、思いつくものを、このフレームワークに当てはめてみると良いです。そうすると「特定の領域に偏っている」「空白地帯がある」というようなことに気づくはずです。
空白地帯や手薄な領域があるということは、思考が及んでいない、ということになりますので、その部分に集中して考えてみると、気づいていなかった問題(の仮説)を見つけることができるでしょう。
下の図は、拙著からの引用です。何かを考えてみるときは、最初は思いつくままに洗い出すしかありません。というか、その方が効率が良いです。
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そうして洗いだしたものを、フレームワーク(ここでは3C)に当てはめます。すると、大半が「Customer(顧客)」に関連するものだということが分かりますので、自社や競合に関するものが無いか?と発想を膨らませることにつながります。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/30491736/picture_pc_9a7a99934012b38f290611b42f8592a5.png?width=1200)
その他にも「プロセスで考える」ということも有用ですので、このあたりにご興味のある方は、Chapter 02 「着想を得るために構造的に考えよう」の Section 2 「課題や成果を構造的に考えよう」 をご一読いただければと思います。
過去の叡智を再利用する
フレームワークは、ソリューションではありません。フレームワークは問題を解決してはくれないのです。
しかし、上述の通り、問題を洗い出し、構造的に整理し、定義することに関しては、絶大な力を発揮します。
強力な武器も、使い方を誤るとその威力を発揮できません。日本刀で鎧や盾を切ろうとしてはいけません。戦車に対してピストルを使うのも得策ではありません。狭い建物の中を刃物をもって迫ってくる複数の敵にスナイパーライフルを使うのも愚策です。
しかし、日本刀、ピストル、スナイパーライフルは、その性能は極めて高く、優れた武器です。過去の叡智の結晶です。
武器の使いどころを過たないことが大切です。フレームワークも同様の武器です。叡智の結晶を、うまく使いこなして、最高の成果を手にしましょう。
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