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ビジネスパートナー選びは慎重になるべき

事業立ち上げ直後から、事業が軌道に乗り、安定的な収益が稼ぎ出せるようになるまでに、幾つものフェーズがあるわけですが、その間に何度となく検討されるのが「事業提携」もしくは「協業」です。

これは、恋愛でいうところの「お付き合いする」よりも一段強く、「結婚する」よりは一段弱いくらいの感覚で捉えると良いと思います。要するに「婚約」くらいの重みです。(もちろん、提携は一社としかできないわけじゃないのですけど、その関係の重大さや、周囲に与える印象としては、それくらいの重さです。)

ですので、相手選びは、慎重に慎重を期すべきだと言えます。ノリと勢いで選ぶと、後で痛い目を見るんですよね。ほんとに。

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大企業はパワフルだが、ゆっくり

一般的に、大手企業は、支払い能力は高いので安心感があります。また、自社の知名度が低い時には、彼らのネームバリューは極めて大きな後押しになります。

その一方で、スピード感に難があるケースが多いです。特に、社内ルールなど、事前に準備したり、こちら側の対応で時間短縮ができない制約にぶつかるため、どうしても時間が必要になります。
加えて、自社に好意的だった担当者が異動してしまい、後任者との関係構築においてスタックする、などのリスクもあります。とはいえ、さすがに、かなり進んでいる検討を完全に反故にするというケースは(同義上の問題もあるので)少ないと思う(もしくは思いたい)のですが、なんらかの条件変更や再審査などの手続きが発生するリスクはそれなりにあります。

知的財産権や、取引条件に関しても、大企業のいわゆる「強い」法務部門との交渉が発生しますので、契約書の内容が、自社にとって極めて不利なものになってしまっているケースも耳にします。もちろん、大企業としても不要なリスクは負いたくないわけですから、リスク最小化のための予防線を張るのは当然です。ただ、スタートアップ側に法務知識が殆ど無い状態で結ばれた契約が、結果だけをみれば「いいようにやられた」ということにつながってしまうのも事実です。(あと、事業面の協業について話している相手と、法務担当者は、同じ会社の中でも ”完全に別人格” なので、このあたりをしっかり理解しないと、たいてい、後で揉めます。)

また、自社のサービス内容や、協業相手の業種・業態によっては、低契機と競合関係にある企業とのお仕事をしにくくなる、というケースもあります。

スタートアップは身軽で素早いが、リスクも大きい

翻って、小規模企業、特に、スタートアップやベンチャー企業は、スピード感が早いです。こちらもスタートアップなわけなので、感覚も合いやすいです。また、経営者同士で直接会話をするため、馬が合うとか合わないとかいうウェットな部分も含めて、お互いに理解しやすく、組む組まないがサクサク決まります。
ただし、弱者連合になってしまい、事業がまったく立ち上がらないケースも散見されますし、さらに悪いことに、いずれかの企業の収益基盤がしっかりしてないケースでは、債務不履行なども普通に起こります。
そういう場合は、組んだ相手の信用問題がこちらに飛び火してきて、自社の信用問題にまで波及してくるリスクがあります

類似するテーマとしては、個人事業主やフリーランスの方との業務委託契約もあります。(法人であっても、社長しかいない法人(いわゆる、個人商店)の場合は、この区分に含めて捉える方が良いです)
これは、才能に溢れた人を、チームの一員として迎え入れることになりますから、とても有意義ですし、魅力的なオプションです。
しかしながら、
・相手が本当にプロフェッショナルであるか?
が、最大の懸念ポイントになります。

関連記事:素人が副業/兼業に手を出すべきではない5つの理由

また、先方が「一人しかいない」ので、事故や病気などの不測の事態が発生すると、突然、サービス提供が行われなくなってしまうリスクがあります。場合によっては、ある日を境に完全な音信不通になり、返金や補償も全く受けられない、ということも起こり得ます。(相手に悪意があったかどうかに関わらず、事実として、発生し得ます)

戦場で背中を預けられるか?と問う

これらを踏まえて、「その提携は、本気で踏み込んでいいのか?」を考えることが大切です。

提携相手は、「戦場で、背中を預けるバディ(相棒)」です。

索敵行為や、背後の確認、突入時の援護射撃、それらを完全に任せる相手です。これ、背中を預けた彼/彼女が一瞬の判断ミスをした途端に、こっちの頭が吹っ飛ぶくらいのヤバい仕事です。

それ、その会社、その社長、その担当者、その個人事業主に、本当に背中を任せられますか?全幅の信頼を寄せられますか?

業務提携や資本提携は、事業成長および経営の安定化のために、極めて有効な打ち手です。だからこそ、相手選びは、慎重になってしかるべきなんですよね。

くれぐれも、ノリと勢いだけで、重要な経営判断をしないよう、強くお勧めします。

関連記事:ノリでチームを作らない

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