いつも通り特に何がしたいかも分からない週末を迎えた私は、行き先も決めないまま投げやりな気持ちで電車に乗りこみ、何も考えずに周囲の人の流れに任せて都心部の駅になだれ込んだ。そして改札を出て、繁華街へと続く道の雑踏の中、ふと我に返り足を止め、目線を上げてみる。 すると、私の重く迷いに満ちた足取りとは対照的に、周りの人々は皆どこかへ向かって明確な歩みを進めていた。彼らは、親しげな雰囲気で会話をするカップルであり、急ぎ足でどこかへ向かう若者であり、荷物を抱えた愛らしい親子であった。