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ベンチャー流の柔軟な制度づくり
企業が成長する過程で、その規模や状況に応じて制度や福利厚生を整えていくのは当然のことかもしれません。しかし、シンカでは、創業当初から人数や売上が一定の規模に達してから制度を整えるのではなく、常に社員一人ひとりの状況や意欲に応じて柔軟に対応してきました。ここでは、その取り組みをいくつか紹介します。
社員の成長とともに広がる制度
創業期から私たちを支えてくれたメンバーの一人が出産となったときのことです。当時、社員は10名にも満たず、その中の一人が育児休暇を取得すること自体が大きな挑戦でした。
しかし、彼女の意欲を尊重し、初めてのテレワークを実施しました。テレワークが一般的になる前のことだったため、周囲のメンバーの協力が不可欠でしたが、その経験が後のコロナ禍での完全テレワーク移行に大きく役立つことになりました。この初期の経験が、シンカに「仕事を切り出す」という新しい視点を生み出し、業務の効率化や柔軟な働き方の基盤を築く一因となりました。
また、もう一人のメンバーはパートナーの海外赴任についていくために、海外での勤務ができないか?という話になりました。時差や文化の違いを乗り越えて、彼女もまた自分がやれることを見つけ出し、会社に貢献してくれました。この経験もまた、シンカにとって大きなチャレンジでしたが、同時に新たな視点をもたらしました。業務を分割してチームで効率的に進める手法が浸透し、その後の会社の成長を支える重要な要素となりました。
私たちは、社員の愛社精神を大切にし、その思いを最大限に尊重してきました。そのため、社員のライフステージに応じた柔軟な制度を導入することに力を入れました。
例えば、男性社員の育児休暇の取得を申し出てくれたとき世間的には、まだまだ男性社員での取得は例が少ないときでした。が、シンカでは、まだ会社が小さい頃から、すでに数名の社員が育児休暇を取得していたこともあり、育児休暇の取得自体が自然と文化として定着していたんです。なので、男女問わず、制度を使ってくれたら嬉しいなぁと思っています。
もちろん、こうした育児休暇を取りやすくする環境は、本人たちだけへの取り組みだけでは足らないと考えていて、育児休暇を取得する社員が所属するチームには、派遣社員を導入したり、業務を外注するなどをしています。チーム全体の負担を軽減する仕組みを整えることで、スムーズな業務運営を実現してきました。
LGBT当事者の入社
シンカでは、リファラル採用によってLGBTの社員を初めて迎え入れることになりました。その際、面接の段階で彼からカミングアウトを受けましたが、私は素直に「もしも僕や他の社員が失礼なことを言ってしまったら、その時は教えてもらえないだろうか?」とお願いしました。彼は私の言葉に感銘を受けたと言ってくれ、その後、向上心を持って会社に貢献してくれました。
彼の存在は社内に新たな視点をもたらし、2018年にはLGBT等の性的マイノリティに関する取り組みの評価指標「PRIDE指標」でシルバーを受賞することができました。シンカの当時の姿勢が、彼にとって働きやすい環境として認められたことは、私たちにとっても非常に嬉しい出来事でした。
先ほどの育児休暇とはちがい、こちらは何か特別な仕組みがあったわけではありません。シンカの社員のみんなのそれぞれの姿勢が、どんな制度よりも彼にとって、働きやすい環境となり、またありがたいことに「PRIDE指標」でシルバー受賞へと繋がったのだと思います。制度として整備する前に、まず人として、理解をしたいという思いが必要であることを再確認するきっかけとなりました。
福利厚生をみんなで考える
シンカでは、働きやすい環境を整えるための制度をトップダウンで決めるのではなく、社員全員で考えることを大切にしています。ある時期、私は有名企業を参考にして「お菓子食べ放題」の制度を導入しようと考えましたが、実際に社員の意見を聞いてみると、コーヒーや紅茶などの飲み物のほうが喜ばれることがわかりました。社員が求めるものを尊重することで、より働きやすい環境が整いました。
さらに、ボランティア休暇や骨髄提供ドナーのための休暇制度など、社会貢献に繋がる取り組みも進めています。特にアニバーサリー休暇は、社員から非常に喜ばれた制度です。社員の記念日に有給を1日プレゼントするというシンプルなアイデアですが、多くの社員に喜ばれ、会社の温かさを感じてもらう機会となっただけではなく、1日の重みも改めて感じたきっかけとなりました。
シンカでは、割引や補助制度も少しずつ拡充しており、例えばベビーシッターの利用補助やお弁当、引越しの相談など、社員の生活をサポートする取り組みを増やしています。
おわりに
福利厚生の制度は一度整えたら終わりではなく、常に見直し、拡充していくべきものです。シンカは、社員一人ひとりの声に耳を傾けながら、会社の成長とともに制度や福利厚生を充実させてきました。まだまだ改善の余地はありますが、私たちはこれからも社員が働きやすい環境を追求し、会社の数字的な実績を上げるだけでなく、社員が「この会社で働いて良かった」と思えるような組織づくりを続けていきたいと考えています。
私たちの取り組みが、これからの成長を支える礎となり、さらに多くの社員がシンカでのキャリアを充実させる一助となることを願っています。