人に任せられない教員は要らない
教師の働き方が社会問題となって久しい昨今、未だに毎日長時間の残業を余儀なくされている教員ばかりだ。
学校で働く教員の中には自分の仕事を人に頼んだり任せたりすることが苦手な者が多いというのも、状況が好転しない原因の一つである。
さらに問題なのは、なぜ人に頼んだり任せたりすることが苦手なのか、その真の理由を本人もよく分かっていないということだ。
近年、各学校に配置されるようになったスクールサポートスタッフのおかげで、ワークシートの印刷やテストの丸つけ、児童の作品の掲示、児童に実施した調査やアンケートの集計やデータ入力まで様々な業務をお願いできるようになった。
しかし、スクールサポートスタッフが配置されているのにも関わらず、これらの仕事を自分でやっている教員が多くいる。
なぜスクールサポートスタッフに頼まず自分でやるのかと、理由を聞いてみると、
「自分はまだ若手だから頼みにくい」とか、、、
「テストの丸つけをして、この子はどこで間違えたのか把握したい」とか、、、
「自分でやっちゃった方が早い」とか、、、
「頭を使わずにできる仕事をしながら、ボーッとしたい」などと言う者もいた。
しかし、これらの理由は本当の理由ではない。
なぜなら、自分の倍くらい上の年齢の主事さんには、掃除や蛍光灯の交換を普通に頼んでいるし、
どこを間違えたか把握したいのであれば、丸つけをしてもらった後に確認すれば良いだけだ。
常に複数のタスクをこなしている教員にとって、自分でやった方が早いなどという状況は考えにくいし、
本当にボーッとしたいなら、残業せずに帰るべきであろう。
実際に私が、このように言っても、その者たちの行動は変わらない。
人に任せられないということは、
自分だけを信じて頑固になってしまっているということである。
それでは、常にイレギュラーの可能性を多く秘めた学校現場では、すぐにキャパオーバーになってしまう。
そして、それは更なるトラブルを生む原因となっている。
だから、教員はイレギュラーに対応できるだけの余裕を常につくっておかなければならないのである。
4時半くらいにはパソコンを落として、時計を見ながら定時を待つくらいが調度いいのである。
毎日2時間も3時間も残業している教員に、放課後、急な保護者対応が必要になったらどうなるかは容易に想像がつく。
そのような状況を上手く切り抜けられる者もいるだろう。
しかし、そんなことが何度も続けば、多くの教員は疲弊し、仕事へのモチベーションを大きく下げてしまう。そして、『自分には適性がない、続けられない』と考え離職してしまうのだ。
仕事を抱え込まず人に任せることは、大切な仕事のスキルの一つだ。
多くの教員に、早急に身につけて欲しい。