下着を買う、という自愛の仕方
日々の忙しさにやられてしまって、自分のことを大切にできていないと思った。
ので、下着を買ってみたのだ。
最近はめっきり、洋服を数枚に絞り込むことに慣れた。
季節が変わる前におおまかに「こういうのが着たい」とリストアップしておく。
この秋は、だいぶ前に流行ったワッフル素材のロンT(今はプルオーバーと呼ぶのかな、)が今更欲しくなって、セカンドストリートで未使用品のそれを見つけて700円ほどでゲットした。
↓ たいして花柄映り込んでないけどこれです
大昔はゴシックロリータみのある服、その少し後はリズリサを主とした姫ギャル系なんかを着ていた私だけれど—今だってピンクハウスとか最高に可愛いと思っているけれど、ここ最近はかなりシンプルな服装になった。
つけ睫毛で目を整形メイクすることもなくなったし、なんならメイクも石鹸落ちアイテムでベースを作って、単色のアイシャドウを塗るか、睫毛をカールさせずにそのままマスカラをちょっと塗って、それでおしまいにしたりする。
そういう自分の姿でも「いいのだ」と受け入れられたからだ。
諦めとかそういうんでは無い。
「洋服で武装しなくては」とか「目を二重にしなくては」とか、そういった強迫観念が薄れていった結果だ。
眉毛も、剃ると青くなってお髭みたいな感じだから無理に細くするのは辞めた。
ありがたいことに、世間は眉毛もナチュラルな塩梅を受け入れる方向にあるっぽい。
ギンギンに武装した自分を「いいじゃん」と言ってくれる人も勿論いたけれど、逆に、すっぴんで日焼け止めすら塗っていなかった愚かな私でも「いいじゃん」だった人もいる。
それをふと思い出し、なんかもう戦う姿勢で向かうのも疲れたしな、と、ゆるゆるとした自分を受け入れられるようになった。
さて、前置きは長くなったが、そういう私ではあれどここ最近は、自分自身を大切にしてねーなー、と反省させられていた。
ただし必要以上の服は欲しくないし、メイク用品も必要以上には求めていない。
ならば—そういえばブラがもうくったくただったのだ、下着をアップデートしてみてはどうだろうか?と、思いついたのだ。
下着に関しては以前、こんな記事を書いた。
この記事以降、ほとんどブラはピーチ・ジョンのナイスバディブラシリーズで買いそろえていた。
が、人間というのは更なる理想を追い求めるものであるなあと、私は下着によって思い知らされることとなる。
サルートを買ってみたい—という欲求が生まれてしまったのだ。
サルートという下着ブランドは、正直、高い。
高いんだけれど素晴らしく良い、というのをずっと、ネットの評判で眺めてきた。
よくよく調べると、常時20パーオフくらいで販売しているお店もあるし、楽天のセールなんかを狙えば、ナイスバディブラとそこまで大きな差のない値段でゲットできるサルート商品も、ないわけではない。
手元には、くったくたになったナイスバディブラがあった。
よくぞここまで頑張ってくれた—愛着がわきすぎてとても捨てられそうにない。
なのでそれは箪笥の奥にしまってやって、私は以降、ネットとにらめっこし続けた。
そうして清水の舞台—とまで行かずとも、まあまあどきどきしながら(私は基本的にお金を使うのが怖いのだ、)私は、中では格安の部類のサルートのブラをポチったのだ。
私の注文したそれは、サルートのデザインの中ではだいぶ控えめな、けれどもその控えめな装飾がまた上品であって、そこはかとない高級感が漂っていた。
例えるならば、なんとなくバレエのトゥシューズっぽさがあった。
サテンの艶はどこまでもうつくしく、着ければ自分の肌まで絹みたいになれる気すらする。
けれども実際「身に着けた時」の感動は正直、さして感じられなかったのだ。
—と、思っていた。
お風呂に入る前にふと、サルートに包まれた自分を確認した時にはっとした。
特に何もしていないのに、胸が、ちゃんとブラにおさまっている。
うまく言えないのだけれど、胸の脂肪がどこにも逃げずにちゃんと、用意された「そこ」に綺麗におさまっているのが感じ取れた。
トイレなんかで胸を寄せ直したりしてブラにおさめ直す、なんていう所作が必要だとも聞く「胸管理」だが、それをサボっていたというのに、ちゃんとサルートの中に胸が、お行儀よくおさまっているのだ。
(しかも着けた瞬間よりもきれいにおさまっている感があった。勝手に整えてくれるのか…?サルート、すげえっす。)
せっかく素敵なサルートちゃんがやって来たので、Kindleで胸について勉強した。
まだ読書途中ではあるけれど、この ↑ 本がとても参考になった。
下着ってやっぱかわいいなあ、楽しいなあ—みたいな感情がますます躍動していく。
この歳になってくると本当に、自分で自分を鼓舞していく必要性をしみじみ感じる。
世の中はいつまでも女の子扱いしてくれないし、かと言って変にサバサバしようとして空回りしたり、なんやかんや虚しくなったり。
そういう自分の「肌」に直接纏うものにこだわるというのは、自分へのとてもいい慈しみ方なのかも知れない。
いつか、すべての下着をサルートにアップデートできたらいいな。