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【仏教入門講座】お釈迦様 誕生の物語(前編)

皆さん、こんにちは。浄土真宗本願寺派の僧侶、神崎修生です。

本日は、仏教入門講座として「お釈迦様とはどんな人?お釈迦様誕生の物語」というテーマで、お釈迦様の誕生について、お話をしたいと思います。今回は前編です。

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皆さん。お釈迦様と聞くと、どのようなイメージをもってらっしゃるでしょうか?

「たしか仏教の開祖だったかな?」、「実在していたの?」、「お釈迦さまとブッダとは別人?」、「何をした人なんだろう?」、「そもそも人なのかな?」、「よく分からない」などなど、色々な疑問や意見がありそうですね。


まず、お釈迦様とは実在の人物だと言われています。今から約2500年程前に、現在のインドやネパールを中心に活動をされた方です。

様々な修行をして、さとりというものをひらき、人々の悩み苦しみに応える生涯を送られたといわれています。


お釈迦様が語った言葉やその行動は、その当時の多くの人々を救い導き、弟子や支援者が生まれました。そして、弟子の方々を中心に、お釈迦様の言動の内容がお経としてまとめられ、仏教が確立されていき、2500年もの間、多くの人を惹きつけ続けています。

お経というと、ご葬儀やご法事の時にとなえられるものというイメージがあるかと思いますが、もともとは、お釈迦様の説法の内容や、おこなわれたことなどがまとめられた書物です。ですので、お経には意味内容がありますし、お経の中に仏教という教えが書かれています。


仏教とは、端的にいうと、我々がより良く生きるための生き方や考え方が示されたものです。それは、2500年もの間、時代が変わろうとも淘汰されずに伝わってきた人類の智慧ともいえるものです。

ですから、仏教の考え方は、日常生活において参考になるようなものもたくさんありますし、仏教の説く生き方は、人生をより心豊かに、またより良く生きていく上で指針になるようなものが示されてもいます。

ですが、仏教を学んだり、触れたりする機会は中々なく、興味関心がある方や、自分で知ろうとした方以外にとっては、縁遠いものではないでしょうか。


この仏教入門講座では、もっと仏教を身近に感じていただけるような機会として、興味や関心がわいたり、日常生活の中で活用できるような内容でお伝えできればと思っています。

今回の仏教入門講座は、お釈迦様の誕生にスポットを当ててお話したいと思います。


お釈迦様とは?

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お釈迦様は、今から約2500年前頃、現在のインドやネパールを中心に活動された実在の人物です。

釈迦族という一族の王子として生まれ、釈迦族の聖らかな人、尊い人という意味で、釈尊やお釈迦様と呼ばれています。実際の名は、ゴータマ・シッダッタ(ガウタマ・シッダールタ)とされています。

ブッダとは、「真理に目覚めたもの」という意味で、世の中の真理(時代がかわろうとも変わらない真実など)を体感し、理解した人というように説明されることもあります。

お釈迦さまだけでなく、他にさとりをひらいた方もブッダというのですが、お釈迦様のことをさしてブッダと呼ぶことも多いです。他のブッダとお釈迦様とを区別するために、ゴータマ・ブッダと呼ばれることもあります。


お釈迦様の父は、釈迦族の王である浄飯王(じょうぼんおう/シュッドーダナ)、母は摩耶夫人(まやふじん、まやぶにん/マーヤー)との伝承があります。

お釈迦様の生まれた年は諸説ありますが、おおよそ紀元前500年前後、もしくは紀元前600年前後とされ、今からおおよそ2500年前頃に活動をされた方です。


お釈迦様誕生

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お釈迦様の母である摩耶夫人は、出産にあたり、釈迦国の首都カピラヴァストゥ(カピラヴァットゥ)から、夫人の故郷であるコーリヤ国に帰省中、ルンビニーという美しい花園に立ち寄った際に産気づき、お釈迦様を出産したといいます。

摩耶夫人は、右脇からお釈迦様を出産したとの伝承があり、立った状態の摩耶夫人の右脇からお釈迦様が生まれ、従者が受け取っているようなレリーフ(浮き彫り細工)もあります。


僧侶のスマナサーラ氏によると、おそらく摩耶夫人は立位で出産され、後世になって、立位での出産の珍しさや、お釈迦様の特異性を表現するために、右脇から出産したという伝承になっていったのではないかと指摘されています。

ちなみに、お釈迦様の在世時には、仏像やレリーフはつくられませんでしたから、お釈迦様誕生を描いたレリーフは後世のものです。また、ルンビニーは、仏教の四大聖地とされています。

お釈迦様は、誕生直後に、北側に七歩歩き、「天上天下唯我独尊」(てんじょうてんげ ゆいがどくそん)と語ったと伝承されています。

この言葉は、中国にて漢訳されたもので、もともとの原文は、以下の内容だといわれています。

「私は世界の第一人者である、私は世界の最年長者である、私は世界の最勝者である。これは最後の生まれである、もはや二度と生存はない」


まず、お釈迦様が生まれた直後に歩いたか、語ったかということについては、議論しても意味がありません。勿論、人は誕生直後に歩けませんし、語れません。なぜそうした表現がされているのかということを想像することが重要だと言われます。

それは、お釈迦様という存在の偉大さや尊さ、素晴らしさを表現するために、このような誕生のエピソードを後世の人々がつくりあげていったのだと考えられます。


では、お釈迦様は、どのようなことを語られ、どのようなことをされた方なのでしょうか。

それが分からないことには、お釈迦様の偉大さや尊さを、このような誕生のエピソードとして表現した意味が理解できません。

次回は、お釈迦様がおこなわれたことや仏教の考え方から、お釈迦様の誕生のエピソードや、誕生の際に語られたとされる言葉の意味について考えてみます。

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浄土真宗本願寺派 教證山信行寺
神崎修生

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